流石ブラック組織と手を組んでいただけあって、喧嘩っ早いこわぁい集団が武器を構えて私を狙う。
くそったれ。
どう考えたってあちらは皆飛び道具で、こっちは懐の拳銃一丁と投げ渡された刀一本なんてほんとクソゲーなんですけど。
止まらない震えのせいでガチガチと歯を鳴らして怯える私の滑稽さよ。
こんな姿情けなさ過ぎて誰にも見られるわけにはいかない。
いやほんと、一人でよかったね!
大丈夫、大丈夫、
私は死なない。

死にたくない。
死んではいけない。
死ぬわけにはいかない。
なんのためにここまできた。
なんのために頑張った。
何のために警官になった。
震えるな。
死ぬな。
上がる呼吸。
容赦なく降り注ぐ銃弾の雨。
まだ死なない。
まだ死ねない。
肩を足を掠める銃弾なんて気にするな。
気にしたら死ぬ。
考えるのはただ一つ、

「…生きる」

そこからはもう記憶がぶっ飛ぶくらいにはがむしゃらで、無我夢中だった。
自分の身体から血が溢れても、手足は動いたし、本能が生きろと叫んでいた。
視界が真っ赤に染まって、そして確かに覚えているのは

「私人間辞めてたわ」

銃声やざわめきが全て消えた中で、ぽつりと無意識に溢れた自分の呟きだった。
レッドブルすげぇな



戻る
top