Act.3

担任が声をかける。
掃除はLHRが始まる前にやっていたので、この後は部活生は部活へ向かい、その他の学生は帰宅したりするだけとなっている。

Act,3

勿論私は後者だ。
部活をやっている人たちには悪いが、私には部活をするといった考えはさらさらない。

「おい、城鈴。」
「んだよ、なんか用か?」
「放課後付き合え。」
「・・・嫌だ。めんどくさい。」
「・・・スタープラチナ・・・」
「・・・・・・・・・スタープラチナ!」

私と空条の頭上に青いスタンドが二体出現する。
一体は無口な本来あるべき姿のスタンド。
もう一体はぶつぶつと何かを呟いている。
そっちはキャットだな。
私のスタンドの五月蝿さに思わずため息をつく。

「キャット、少し黙ったらどう?」

ちらりと前を見ると、司会の横に担任であるテレンスがニヤついていた。
手には手作り人形が握られている。

「オラァ!」

空条のスタープラチナが拳を固めてキャットに向かって腕を伸ばす。
私の目・・・普通の人間の動体視力ではそのモーションが見えないはずだけど、キャットの能力で同じ土俵に立っているせいだろうか?───・・・見えるんだよな・・・

「キャット、」
「おうよ!」

ぱしり、と音がしてキャットが本家スタープラチナの拳を受け止める。
傍から見るとスタープラチナ同士で向かい合っている姿は軽く笑える。
空条を見ると眉間に皺が寄っていた。
あ・・・プッツンだけは勘弁な。
プルプルと肩が震えてはいたが、暫くするとそれも止まり、ふぅ、と空条は息を吐く。

「同じスタンド能力じゃ、終わりが見えねぇよな。」
「そりゃそうだ。つー訳で私は帰る。」

右手を軽く上げ、キャットを呼び、教室前方の扉をくぐる。
後方から私の名前を呼ぶような声が聞こえたりしてる気がするがきっと空耳だろう。
廊下には同じマンションに住んでいるジョニィと二年のジャイロ先輩がいた。
ジョニィ達は6組で、私は1組。
6組はこの学校にだけ存在している特別クラスで、特別授業として一週間に三回乗馬訓練が織り込まれている。
そして、一度6組に入ると三年間は必ず6組になる。
クラス替えがなくなるということだな。
1組から5組は普通クラスで、主に進学コースとも呼ばれている。
私は、こっちに属していて、大学進学が目標だ。
平凡に暮らすことが第一として考えている。
二人と軽く挨拶を交わしていると、少し大きめの足音が聞こえてきてディエゴが走ってきた。
ディエゴも同じマンションに住んでいる。
しかも隣の部屋だ。
この学校に入るために一人で上京してきた私やジョニィ、ジャイロとは違いディエゴは母親と二人暮らしをしている。
あぁ、このメンバーは平和だ。
少しジョニィとディエゴのスキンシップがセクハラまがいだが、テレンスをほぼ毎日見ていれば慣れた。
それになんだかじゃれついている犬の様に思えてきている。

「いやぁ、平和だ、うん。」
「・・・?蘭、何かあったのか?」

ジャイロにそう聞かれたが、思い出したくないと言わんばかりに頭を振り、ジャイロに向かって微笑んで、ジョニィとディエゴのところへと走った。

【もしも私が】

(馬に乗れたのなら)
(一緒のクラスになれたのにな)

(2017/10/03) 歌暖

乱雑カルテット