ルカに言われた通り、腰に巻き付けるタイプのバックを購入し、そこに手に入れたばかりの現金を詰め込み、ホテルにチェックインする。
どのくらいの値段で安いというのかよくわからなかったが、まあお金は足りるだろう。
綱吉は自分の順応性の高さに自分で感心しつつ、軽く呆れていた。あまりにも慣れすぎていて。
ルームサービスで軽く食事を済ませ、特にすることもないのでぶらぶらとホテル内をうろついた。
一人でいることで、これから先どうするべきか、現実的なことを考えさせられる。
第一の問題であるお金はクリア。次は住む場所だが、これもそこまで心配する必要はなさそうだ。
予想外の出会いであったが、ルカはいい奴だった。これから先、長い付き合いができそうな相手である。なにか事情があるのを分かっていて聞かないでくれる気遣いが有難かった。
「……あ、ケータイ。持ってないや、そういえば」
ふと思い出したように、ケータイを持っていなかったことに気づいた。
よくよく考えてみれば、ルカとの連絡方法も決めていない。
さすがに抜けすぎだろうと自分に向けて溜息を吐いた。
「ああ、もう。思ったよりも疲れてんのかな、俺」
多分そうだ。
超直感をやたら使うことになったし、いくら慣れているとはいえ原因のわからない異常事態。疲れないわけがない。
早いところ部屋へ戻って寝るべきだなと判断した、その時だった。
綱吉の首筋あたりに、チリチリとした違和感が走った。
「……え」
辺りを見回して、息を飲む。
不本意ながら、家庭教師のせいで慣れた感覚。
これは。
(……爆発物…、爆弾?)
まだ高校生になったばかりの頃、マフィアのボスなら、プラスチック爆弾一つくらい簡単に解体して見せろと訳の分からない理由で、割と本気でタイマーの刻まれている爆弾を解体させられたことが何度もあった。
綱吉に偽物の爆弾を見せても、すぐに分かってしまうために緊張することはなくなる。
緊張して、手が震えて強ばった状態であろうと正確に解体できるようにしろというのがあの時の課題だった。
いくら超直感といえど、その爆弾がどこに取り付けられているのか、正確な位置まではわからない。
すぐさまその場から走り出した綱吉は、勘に頼りながら、取り付けられている爆弾を一つ一つ回収していく。
どの爆弾も残り一時間以上タイマーが残っていて、これならば解体はすべて出来るだろうが、まだまだ爆弾は残っていそうだった。
スタッフ以外立入禁止の場所であろうと、綱吉はうまく気配を殺して潜り込む。
そうして、一つ、また一つ、爆弾を回収していく。
両手と、腰のバッグに詰められるだけ回収した爆弾を持ち、一度自分のとった部屋へ戻ろうとした所で、ぞくりと背筋に寒気が走り、条件反射で右足で薙ぎ払うように自分の背後へ蹴りを繰り出した。
それと同時に、ガチャ、と重い音を立てて、綱吉の額に冷たい鉄の塊が…、拳銃が押し当てられた。
「悪いが、その手と、バッグの中に入ったソレについて、説明してもらおうか、少年」
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