奴隷のお嬢様
俺様としたとこが・・・。場所を変えてから言うべきだった。焦っていたからだろう。周りの事考えていなかった。
ざわざわと騒がしい中、跡部様が婚約!?まさか!?と騒いでいる女どもの言葉で先程、玖条と話した時の事を思い出した。周りにあれだけ人がいたんだ。噂になっても仕方がない。迂闊だった。
「ちっ・・・」
そんな噂はどうでもいいが、あいつにだけはちゃんと言わないといけない。こんな噂で不安にさせたくないしな。
「京子。話がある」
「景吾・・・ねぇ!婚約ってどういうことなの!?」
俺様の声を聴いて、慌てて駆け寄ってくる愛おしの京子に落ち着くように言って聞かせる。ここでは話はできないと思い、空いてる教室へと向かう。
「落ち着いたか?」
「う、ん・・・それで?どういう事?」
教室に着き、京子の様子を伺うも不安そうな表情で見つめてくる。ああ、こんな不安にさせて何やってんだ、と自己嫌悪に陥ってしまう。
「悪い。先に話しておくべきだった。昨日親父から話が合って、玖条財閥の令嬢・玖条 紋佳と婚約させると。俺も断ったんだが、財閥の関係でどうしてもと頼まれて仕方なかったんだ。相手の玖条 紋佳とは話をつけてきた。親達が勝手に決めた政略の為の婚約だ。あいつも俺様とどうこうしようとは思ってないようだ。」
「そうなの・・・?」
「あぁ。だから心配するんじゃねぇ。俺様が好きなのは、お前だけだ」
そう言って京子を抱きしめる。壊れ物を扱うように優しく、だけど、強く、この想いが伝わるように。
「・・・分かった。でも・・・証拠を見せて欲しい。その人の事を何とも思ってない事の」
「分かった。どうしたら証明できる・・・」
「そうね・・・ならいっそのこと、皆の性奴隷になってもらいましょう!皆喜ぶよ!そしたら景吾とその婚約者の事信じてあげる」
「・・・分かった。そうしよう」
楽しそうに笑って言う京子に少し安堵した。京子を悲しませなくて済むと、不安を軽減できたと。この笑顔に安堵できたんだ。それがどういう事なのか、誰をも傷つけてしまう結果になる事を俺はまだ、理解することも知る事も出来なかったんだ。後で後悔することになるとは思ってもみなかったんだ。
――――・・・
婚約の噂を聞いて本当は焦りも不安もなかった。だって・・・婚約者があの学園で1番地味でダサくて、ボッチなあの玖条 紋佳だときいたから。跡部財閥ともあろう大きい財閥には政略的な婚約者ができるのは分かっていたから。それでも景吾は私をとってくれるって思ったし。今日の行動だって私を想っての事だから。心配なんてする必要なんてないのよ。景吾は私の事が好きなのだから。
ほら、やっぱり私の為に動いてくれたでしょう。私の事を抱きしめてくれる景吾が本当に愛おしい。愛してるの。だけど、私が景吾の一番じゃないって事は知ってる。いまだに2年前に突如消えたあの女の事を想っているのよ!!ねぇ、景吾。なんで!?どうして?!一番じゃないの!?どうしてもあの女には勝てない!景吾の心の中から追い出すことが出来ない!?なんでなの!?今、あいつはいないのに。景吾達の前から消えたのに。どうして私を1番に好きになってくれないの!?いつまでも住み着いているあの女に狂おしい程に嫉妬してしまうけど、当の本人はここにはいない。2年前のある日、消えてしまったのだ。どんなに景吾達が調べても手掛かりもなく景吾達は憔悴していた。そこに付け込んだの。
「1番じゃなくて良い。私が忘れさせてあげるから。私は景吾の事が好きだから支えたいの」
と言って傍でずっと支えてやっと手に入れたのに。私達の邪魔はさせないから。貴女には何の恨みもないけれど、ごめんね。私達の愛の為に貴女には犠牲になって貰う。でも、感謝してよね。地味で底辺に居るような貴女には一生、テニス部みたいなカッコいいイケメンに抱かれるなんて事なんだからね!
「ねぇ・・・景吾。良いでしょう?シよ?」
「あぁ。良いぜ」
私が誘えば答えてくれる。ああ何て優越感なのかしら。
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