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 パンツリレーでフランキーを仲間にして――なかなか“悪”な手を使うなと思った。怖い。あれやられる前に承諾してよかった!――、ウソップも第一声が謝罪だったので無事帰還と相成って。
 ガープさんからの砲弾の雨を、新たなる船、サウザンド・サニー号で飛んで逃げ、私たちは無事、美しき水の都を後にした。


 そうしてウォーターセブンの影も形も見えなくなり、日が沈み始めた頃合でフランキーの歓迎会が始まった。

「フランキーさん、どうぞ」
「おお、ありがとな。でもその呼び方はいただけねェな?」
「え?」
「さんだなんて、背中が痒くなっていけねェ。もっとラフに呼んでくれや。フランキー様とか」

 コップが空になっていたから追加の飲み物を渡したのだが、妙な絡まれ方をした。酔ってんだろうな……。クイッとサングラスを上げて見下ろしてきた彼に苦笑する。

「いや、私みんなにこうです」

 から、と続けようとしたが、パシッと口を塞がれた。視界には全員映って――いやなんでみんなこっち見てる? こわっ……――いるのに。
 じゃあこの手は、と口元に触れた。すべすべしてて、ちょっとひんやりしてて、花のような香りがする。つまり、ロビンだ。なにこれと視線を送れば、彼女は優雅に微笑んだ。

「“最後の砦”を維持する理由は、もうないでしょう?」

 そう、かなぁ。今後もしかしたらもしかするかも。不祥事で船を降ろされたりするかもしれない。と思うと、やっぱり万が一を考えて砦は必要なのでは……。

 そんな考えを読まれたのか、むにもに頬を揉まれた。その揉み方と力から『ないよな?』という圧を感じる。人前で顔を遊ばれるのもいい加減恥ずかしくなってきたので、私は「分かった!」と声を上げて頭をブンブン振り、手を振り払った。頭を振るくらいじゃ手は消えないはずだけど、ロビンは空気を読んで消してくれた。ありがとう、本音を言うなら最初からやらないでほしかったけど。

 はあ、と疲れきった息を吐いてしばらく飲み物を傾けていたが、突き刺さる視線がいたたまれなくなって、とうとう顔を上げる。なにかを期待してるような顔の彼らにむすりと口を曲げた。

「……なに」
「ほら、なんか喋ってよ」

 そういう、方言喋ってよみたいなノリが一番困る。どうしろと……と思いながら、私は重たい腰を上げた。う、やめて、そんな期待した目で見ないで。
 緊張で震える中、スウと息を吸う。あー、恥ずかしい、え、言うの? 本当に? でも他に思い付かないし……。しょうがないと腹を括ってカッと目を開く。

「――ヤクヤクの実の翻訳人間、さ……災厄の翻訳家ナツ! よ、よろしく!」
「よろしくー!」

 かんぱーい! という私たちの――海賊たちの声が、星のちらつく竜胆色の夕暮れに高く響いた。
 

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