叔父からの手紙
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親愛なるエレナ・ワイアット
誕生日、そして成人おめでとう。晴れて堂々と魔法を使えるようになった気持ちはどうだ? 今年はどんな誕生日を過しているのかな。
ハリーの護衛はもう終わったよな。マッド・アイが無事だといいんだが……まあ、アイツがついてるなら大丈夫だろう。そうそう、ビルの結婚式はまだか? 確か式の最中に襲われるはずだと記憶している。ダンスにばかり熱中せず、警戒しておくのを忘れないようにな。といってもお前はダンスなんかより食べ物に夢中になってそうだが……。
お祝いの言葉にちょっとした小言。そして次は感謝の言葉を贈らせてほしい。
エレナ、この世界に生まれてきてくれて本当にありがとう。生まれ持った精神が大人であったのだとしても、お前は思春期も反抗期も無事迎え、健全に、素直に、そしてのびのびと育ってくれた。エレナ・ワイアットという素晴らしい家族に逢えたという事実だけで、私もこの世界で生きていてよかったとそう思えるよ。ありがとう。
お前が健やかに生きてくれているだけで、私たちは幸福だった。お前が何の気なしに言った冗談が大好きだ。お前がきゃらきゃら笑うだけで私たちの胸がぽかぽかと暖まっていたって知っていたか?
だからお前は未来とか誰かの命とか、そんなことに囚われなくてよかったんだよ。生きてさえいてくれれば、私たちには充分だったんだ。
それでも、考えずにはいられなかったお前が愛おしい。
険しい道と分かっていて尚突き進めるお前を尊敬している。
私とは違う選択を勇敢にしてみせるエレナを誇らしく思う。
叔父と名乗るのも不甲斐ない私だが、本当はずっと、心の底からそう思っていたんだよ。いくつも嘘や隠し事をしてきた叔父の言葉なんて信じられないかもしれんがな。
お前が目指しているというマグルと連携していく仕事は、全てが終わった世界の情勢を考えると素晴らしい考えだと思う。苦労はするだろうが、是非その夢を叶えてほしい。
ついでにウィリアムたちの魔法も解いて家族で仲良く暮らしていってくれれば、それ以上望むことはない。しかし記憶を戻すにしろ戻さないにしろ、二人のことは頼んだぞ。あんまりヘレンと喧嘩しすぎてウィリアムを困らせないようにな。
ああ、そう。私のことはまあ適当に言っといてくれ。お前に任せる。でもあまり二人が知っても悲しませないような理由にしてくれよ。プラムの食べ過ぎとかどうだ? くだらなすぎて逆にダメか?
さて、驚くだろうがまだ書きたいことも言いたいことも山ほどある。しかしあんまり長いと読んでもらえない気がするのでここらで切り上げようと思う。
私の大切な愛する家族の未来が光に溢れ、幸せに満ちたものであることを心より、永遠に願っている。
愛を込めて
エドガー・ワイアット
25.12.1996
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