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誰にもマネできないバレンタインデーにしたい!


「……さて……」


どうしたものか……。


目の前には、まだ加工してないチョコの山。そして今日は2月14日、つまりバレンタインデーなう。


それなのに私の本命チョコは完成されてない。


材料はある。時間もあった。だって今手を着けてない材料とにらめっこすること2、3時間だから。なんで作らないかと聞かれると、それは「アイデアがまとまらないから」と答えるだろう。


いや、下品な話、せっかく年に一度の恋人達の記念日だから、行為にベロベロに酔ってる白龍にはそれに合うチョコレートを作りたいなと思いまして……。


とりあえずチョコレートを利用した行為といえば、作ったものを自分のアソコに入れて食べさせるとか、固まってないチョコ体にかけて舐めるとか、考えたけどね。それじゃあ、ありきたりなわけですよ! きっと他の人もやってる行為でありますよ!


もっとえげつなく、もっとヤバいプレイしたい! とか思って考えてたら考えつかなくて今に至るわけですよ。最低とか言わないでね、自覚はあるから。



「……スイ殿ー?」

「あ、白龍……」



いつの間にか、白龍が手にチョコレートを持って部屋に来ていた。

……今の心の叫び、聞こえてなかった、よね?



「すいません、もしかしてお取り込み中でしたか?」

「いや、うーん、大丈夫だよ」



適当に笑って返す。よかったバレてない。まあバレてもあまり問題はないんだけどね、私の性格8割がた知ってるし。気持ち的に。



「なら良かったです。これ、バレンタインデーのチョコレートなんですが……」



おずおずといった形で差し出されたのは、立体的に鶴をかたどった、今にも動き出しそうな立派なチョコレートだった。

正直どれだけ真面目に頑張っても白龍のクオリティーには負けるだろうなって思ってたけど、想像以上だった。なんかもう立派すぎて食べにくいんですけど。でもこれきっと食べてもめちゃくちゃ上手いんだろうなあ……。



「ありがとう白龍」

「いいえ、スイ殿のことを思えばこれくらい」


にっこりと満面の笑みで白龍は返してくれた。うん、やっぱり白龍はかわいい。襲いたいよね。



「スイ殿もチョコを作っていらしてたんですか?」


ひょいと白龍は後ろにあるチョコレートの山を見た。



「いや、まあ、作ろうと思ってたんだけどね。どうにもアイデアが浮かばなくて……」

「そうですか……。溶かしたチョコを体に塗りたくって食べさせるとか、陰部に入れて食べさせるとかするんだろうなあって考えてたんですけど、きっと スイ殿のことだからもっとすごいことするんだろうなぁって思ってました 」

「………」



なんか超真顔でものすごいこと言われた気がする。いや、まあそうなんだけどさ。うん、白龍の中にある私のイメージって何。


……あ、そうだ。


なんかひらめいたぞ。



「ねえ白龍、もしかしたら二番煎じかもしれないけど、チョコレート一緒に作ってみない?」







******








「ふっ……ふっ……ふっ……」


「ん、ちゅ……」



くちゅくちゅとお互いの舌にあるチョコレートを舐め合う。固めていないどろどろのそれは、触れると簡単に溶けてしまった。



「んぅ……スイ殿、おいしいです」

「本当に?」

「はい。普通のチョコレートより、何倍もおいしい気がします……」



一端離れた白龍は、とろけた顔で私を見つめた。腰は繋がり合ったままゆるゆると動いている。



「ホラ、白龍口開けて」



私は溶かしたチョコレートをすくい、上から白龍の顔に垂らした。大きく口を開ける彼にわざと顔にかけるようにする。

チョコレートはゆっくり下に落ちていき、白龍の顔に掛かった。



「精液みたい」

「ふふ、ずいぶんと甘い精液なんですね」



とろけた顔をして、顔面についたチョコレートを取りなめる白龍。舌を突き出すものだから、とても妖艶に見える。



「白龍もう一回」



今度はチョコレートを口に含み、それを上から垂らした。今度はちゃんと彼の口の中に入るようにする。目をつぶって待ち構える白龍のそこに、チョコレートはちゃんと入っていった。


プレイだとは理解してるけど、どの料理を食べたときよりも白龍の顔が幸せそうだから、本当においしそうに見えるから不思議。



「ね、スイ殿。もういいですよね?」

「いいよ、スパートかけて」



私はチョコレートの入ったボウルを置いて、白龍のピストンに耐えられるよう準備に掛かった。もともと中に入ってたし、ゆっくり動いてたんだけどね。


ベッドに倒れてしっかり体制を整える。その瞬間でも離れまいとした白龍が、タイミングを合わせて私の上に倒れ込んだ。チョコレートと唾液でぐちょぐちょの顔が目の前に表れる。



「動きますよ……?」



白龍が、大きく自信を抜いて突いた。



ずんっ



質量を持ったそれが、私の中から、快楽を全身に運んでいく。

それを合図に白龍はどんどん大きく速く、激しくピストンしていった。それはもうさっきの前座とは比べものにならないほど。



「んんっ……ああ、スイ殿……」



息を荒くして、それでも白龍は激しく突いてくる。



「気持ちい……ナカ、気持ちいいです………」

「私も、いいっ、よ……白龍……!」



長く前座をしたせいか、白龍はいつもより早くイきそうだった。



「白龍、出して、ホラっ」



白龍の顔を掴み、唇を貪った。ピストンに負けないくらい、ぐちょぐちょに、乱暴に、獣の如く口の中を犯していく。


ときどき口の中でチョコレートの味を感じることが、ひどくおかしかった。



「ふんんっ………んっ!!!」



びくんと白龍が跳ねた後、ナカに生暖かいものが流れてきた。

射精のせいか白龍は動くのを止め、顔をゆっくりと離した。ぬるりと下の生暖かい異物が無くなっていく。



「はぁ……はぁ……スイ、最高です…」



抜いた後も少し精液を出す白龍。そんなに気持ちよかったのだろうか。…いつもだけど。


私はナカに手を入れ、先程お互いが出したばかりの精液を掻き出した。



「んっ……く………」



一滴も残さないよう、丹念にナカをいじくり回すと、精液をチョコレートに混ぜた。スプーンでムラが出ないよう、しっかりと。



「はい、白龍」



私はチョコレートに手を突っ込み、ついたそれを白龍の口の中にそのまま入れた。



「ハッピーバレンタイン」

「んふ……ハッピーバレンタインです、スイ殿」



目を閉じてゆっくりチョコレートを舐めとる白龍。それが私の指まで達すると、指ごと舐めてきた。面白いからチョコレートを指につけながら彼の舌を少し強めにいじってみたら、もっと白龍は幸せそうに私の指を舐めた。


しばらく、私が飽きるまで2人で作ったチョコレートを食べさせて、ある程度満足したらつうと口から指を離した。白龍の唾液が少しのびて切れた。



「2人で協同作業して作ったチョコレートですね」

「ある意味、記憶に残るバレンタインデーだよね」



ぐちぐちとまだ残っているチョコレートをいじって、それを股下に塗りたくった。



「どうする?ここでも食べる?」

「食べます!」



白龍は私の太ももの奥に潜り込んだ。


やっぱり、セオリーも大事だよね。








****** 






「しかし、我に返るとものすごいもの作りましたね……」

「全くだね………」



次の日の昼間。


私たちの目の前には、この間作ったあのチョコレートが。

食べきれなかったためクリーム入れてトリュフにしたものである。


しかし、正直もう食べたくない。我に返ると溶かしたチョコにクリームにその他口では言えないあんなものやこんなもの入れてるなんて、今考えるとなんてもん作ったんだ私ら。

………それにしても、なんかこのチョコ、呪われてそうだ……作っといてなんだが……



「そういえば、どうしてスイ殿は俺の作ったチョコレートは使わなかったんですか?」

「だって、それはそれでちゃんと味わいたいじゃん」 



せっかく白龍が作ってくれた芸術品なんだから、あんなプレイに使うなんて勿体無い。

まだ食べてないけど、今夜あたりゆっくりと味わうつもりだ。……なんたって、愛しの彼氏が私のために作ってくれた一品なんだから、大切にしないと、ね。



「スイ殿……」

「おっ、これチョコレート?いっただきまーす」

「あっ」

「あっ」



突然どっかからかやってきたジュダルが間髪入れずにあのチョコを食べた。


「………なんだこれ、甘いけど変な味がする……おい、これ何入ってんだ?」


「……………」

「……………」


「だから、何が入ってんだよ」


「………」

「………」


「いや、ごめん、ホントマジ何入ってたのこれ」


「……神官殿……」

「……まあ、あれだ」


ものを勝手に食べるのはよくないと言うことで。








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誰にもマネできない→誰もマネしたくない

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