シンプル

薬研藤四郎


この本丸には、ここの審神者が決めた独特のルールがある。


ひとつ。 鍛刀、ドロップ等で本丸に来た、又は誉を取った刀剣男士はその日の夜審神者を性行為を行うこと。

ひとつ。 刀剣男士は審神者との性行為を拒むことはできない。

ひとつ。 最低限のマナーを守り健全な 性活 ・ ・ を送ること。


ほかにもいくつかあるが、審神者が特別に許可した者以外、これを破ることは許されない。鍛刀またはドロップでやってきた刀剣男士にはまずこのことを説明し、了解を得ることができなかった者は即刀解される。



「ほんとに、ウチの大将はよくやるよ」



薬研藤四郎は言った。



「最初に快楽を体に覚えさせて、誉を取ればまたそれを味わえると教える。俺たちはこぞって誉を取りに努力する。そうすれば、自然と結果もついてくるもんだ。政府のお役人がよくぞこの短期間で、なんて言ってるのを聞いたことがあるぜ」


深夜、月が空に上りきる頃。本日の任務も全て終え刀たちも寝床につく時間帯に、見事誉を取った薬研藤四郎は、審神者……スイのいる部屋に来ていた。

そう、この本丸で決められたルールに従い、主様から ご褒美 ・ ・ ・ を貰うために。


「ふふ、ただセックスを楽しむだけならすぐやめさせられちゃうからね。政府にいい顔してたら、多少のことは目を瞑られるから」

「へえ」


既に布団で寝転がっている自身の審神者の上に、薬研は覆い被さった。


「セックスがしたいために審神者になって、俺たちを毎回危険な戦に出しているのか。最ッ低だな、ウチの大将は」

「くすくす……そうよお、私ってばセックスのことしか頭にない最低な審神者でーす。キャハハッ」

「あーあ、全く。悪びれも無しかよ。そんな最低野郎には仕置きが必要だなぁ?」

「えー? どんなお仕置きしちゃうのかなあ? スイ怖いよお」


くすくす笑い合いながら、ふたりはお互いの顔を舐めあった。だらしなく舌をだし、獣が行為をする合図かのように、唇に、鼻に、耳に、お互いを確かめあっていく。

するりと薬研はスイの下半身に手を入れた。

スイは夜にまぐわいをすることが日課であり、それも考慮し彼女は夜、自室にいるときは基本的に寝巻きのバスローブを羽織っているだけの格好をしている。もちろん下着もつけていない。

ゆえに、薬研の手が最上部に到達すれば、そこはもう彼女の秘部なのだ。

少し指を動かせば、ぬるりとした感触。

ヤり初めて5分も経過していないのにこの状態である。


「怖いって言うわりにはぐっちょぐちょだぜ? 大将」


手袋越しにスイの秘部を弄る薬研。触り心地は愛液が潤滑油となりとても良く、じわりとそれを濡らしていく。

徐々に、愛液に触れる面積が広くなる感覚に興奮した薬研はそのまま彼女の秘部に指を突っ込んだ。ピストンのように、しかし少し指を折り曲げながら、ちゅぽちゅぽと出し入れをする。

手袋越しでもわかる、少しだけ折り曲げた指が膣内をえぐる感覚。布製の手袋は既にスイの愛液でぐちょぐちょだった。


「あっ、あん……薬研、上手いぃ……気持ちいいよお……」


中を弄られている当の本人は、薬研の指が膣を引っ掻くたびに艶やかな声を漏らし体をよじった。


「なんだ、俺がどんな仕置きをするか想像して濡れてんのか? 案外Mっ気があるんだな、変態大将」

「キャハハッ、あんまりいじめちゃやーよ? 痛いの嫌いだからね」


指先はスイの秘部を弄りながら、薬研は彼女の顔から離れゆっくりと下へ行き、あごから首へ、首から鎖骨へ、鎖骨から脇へと舌を滑らせていく。

薬研は脇のところでぴたりと止まると、ペロペロとそこを執拗に舐め初めた。


「ん、ふっ…………」


息を荒くしながら、夢中でそこを舐める。舌の感覚や彼が動くたびに当たってしまう髪が少々くすぐったい。


「はぁ……ん……」

「あらあら、薬研は脇が好きなの。今度から薬研が来るときは洗わないようにしようかしら」

「まさか」


薬研は秘部から指を抜き、脇から顔を離した。

少し体勢を整えスイに馬乗りをする。


「大将ォ、俺っちもう無理だわ。チンポばっきばっきに硬くなってんだよ」


スイの体液でぐちゃぐちゃになった手袋を歯で押さえながら取る。それは行為の邪魔にならないようにと放り投げた。

彼女が下から彼の下半身を見ると、短いズボンの真ん中が苦しそうに膨れていた。

いくら彼が刀で、実年齢が成人男性の倍以上あるといっても、今の体は少年のそれと同じ。ゆえに彼のそれも少年相応の大きさだった。

スイはそれが少しだけ物足りなかったが、普通では襲ったとたん前科持ちになってしまうその容姿、そして少年のそれを見事に表した形に、興奮を覚えていた。


「だ・か・ら、入れてもいいよな?」


ぎらつかせた目を細め、指を口に加えて本能むき出しに笑う薬研。

理性という言葉を完全になくしたその顔に、スイは体を振るわせた。


「くすくす、もちろん薬研にその気がなくても味わうつもりだったから。ぜーんぜん入れてもおっけーだからね」

「そうこなくちゃなぁ」


チャックをおろし出てきたのは、やはり小さく、しかし高くそそり立っている彼の陰部。薬研はその自身を掴みスイの秘部へと当てた。


「ホラ、大将の大好きなショタチンポだぞ」


わざと彼女自身に入れることなく、先と先をくっ付け合う薬研。

彼女の秘部が濡れているせいか、彼の我慢汁が垂れているせいか、薬研がそれを動かすたびにくちゃくちゃと水音が響く。


「あん、いじめないでって言ったのにぃ。ショタチンポ早く早くっ!」


足を大きく開き薬研の腰をがっちりと掴むスイ。

……ほんとに、うちの大将は淫乱だなぁ……。

恥ずかしげもなくそんなことする自分の主に、薬研は苦笑してしまう。

しかし、そんな彼女に自分が発情しているのも事実だった。

しっかり彼女の入り口に自身をあて、勢いよく挿入した。


「あはっ! 入った! 入ったぜ大将!」


ゆっくり出し入れして膣内をならすこともせずまるでスイッチが入ったかのように、薬研はスタートから激しいピストンを行う。


「あっ、あっ、あっ。薬研、激しい、薬研っ!」

「どうだ大将、俺っちの味は」

「いいっ!気持ちいっ、最高よ薬研!!」

「…っは!そうかよっ」


薬研は挿入したままスイの体勢を変えさせ、バックの形をとった。

ギリギリまで、自身をゆっくりと外へ出す。


「こんな子供に」

ぱんっ

「こんなこと教えて」

ぱんっ

「セックス狂いにさせて」

ぱんっ

「本ッ当最低野郎だな大将!」


ずんっ!

薬研が叫ぶと同時に、大きいひと突きがスイの膣内を襲う。


「んはぁんっ!」


薬研の決して大きくない陰部が、勢いよく子宮の入り口を突く。その激しい感覚に、スイは大きくのけ反った。


「ごめんね薬研っ! お詫びにチンポしゃぶってあげるからね!いーっぱい、いーっぱいっ!気持ちよくしてあげるからねえっ!」

「は、結局同じじゃねえか」


薬研はスイの腰に腕を回し、ぴったりと抱きついた。

耳元に口を寄せる。ピストンのせいであがってしまった荒い息が、スイの耳にダイレクトに響き、ぞくぞくと体を震わせた。


「そんな最低な大将には、直接中に出してやるからな」

「ふふっ、そんなこと言って毎回中出ししてるくせに」

「あは、バレちまったか?」


薬研は彼女の口に手を突っ込み、ぐちぐちと乱暴に動かした。


「ん……はーっ…はーっ…ん…ふあ…」

「っあ、…はっ……大将……出る、ぞ……」


射精に耐えるため、薬研は両手でがっしりとスイ
の腰をつかんだ。


「来て来てっ!ザーメン早くっ!ショタザーメン中出ししてアクメ決めさせてっ!」


そう、彼女が叫び終わるや否や、薬研は自分ができるギリギリまで奥へと陰部をぶち込み、精液を出した。


「んああっ!中出し来たぁっ!!子供に卑猥な言葉使わせてイケナイことしてるっ!キャハハッ、合法ショタ最ッ高!!」







******







「はっ……はっ……う…っく……」


ちゅぷちゅぷと水音が響く。それに合わせて、薬研が苦しそうに息を吸い、吐く。


「た、大将のフェラにはかなわねえな……気持ち良すぎてトびそうだ……」


彼女は、薬研にフェラの時頭を押さえつけられることがあまり好きではない。それを知っている彼は両手を床に起き、あまりの快楽に、無意識に指先へと力を入れてそれに耐えていた。


彼女が舌を動かすたびに、びくびく体が反応してしまう。それに合わせて、薬研の口から小さな声が漏れた。


「伊達に場数踏んでないからねぇ。薬研の良いところはココでしょ?」

「っ、あ!!」


先っぽを強めに吸い上げられ、ひゅうと息を吸い大きく体を反る薬研。そのとたん、頭が真っ白になり絶頂を向かえた。

尿道から、白い体液が自身から出ていく感覚。意識が飛びそうなくらいの甘いしびれが脳を犯していく。


ああ、この感覚。ひとりでヤるときには味わえない、最高の快楽。

何度も何度も、いろんな形で射精して、動けなくなるまでそれを楽しむ。

イケナイこと? 世間から白い目で見られる? そんなこともうどうでもよかった。

いまはただ、この快楽を得られれば。


病み付きになる。止められない。彼女から逃げられない。逃げたくない!


「…………?」


射精の余韻に浸っていた薬研の唇に、柔らかいものが当たった。それは薬研の唇を貪り、吸い尽くす。薬研は抵抗も返すこともせず、ただそれを受けていた。

舌が入ってくる。……苦い。その苦い液が、どんどん、どんどん薬研の口のなかに移る。


「ふ……ちゅ……んふ………」


こくりと薬研の喉が動く。

口の中の精液がなくなると、彼女は唇を離した。


「ふふ、美味しかった? 薬研」


口から漏れた精液を拭うスイ。しかしその返答はなく、薬研はただ虚ろな目で天井を見上げ、息を整えるだけだった。


「あは、キメすぎて喋れなくなっちゃったかな?」


彼女は口角をあげながら、汗だくになった彼の髪を整える。細く、自身より少し大きいスイの手が、薬研には気持ちがよかった。


「……珍しいな、大将が行為後にチンポ綺麗にするの」

「ん? そうねえ…」


髪を撫でながら、くつくつと笑うスイ。素っ裸でからだのあちこちに体液が飛び散っている。


……俺もずいぶん調教されたもんだ、と薬研は思った。

ここにいる全員と毎晩夜伽を行う狂った主にここまで執着しているのだから。きっと、彼女がこの狂った現状にあきるまで自分はこのままなのだろう。

そして、それでもいいと思っている。

ああ、この主は、とんでもなく狂った、そしてとてつもなく、自分達を惹き付ける主人だ。


「やっぱり、ただヤられるのは性に合わないのかも。セックスは自分からヤらなきゃあねぇ。キャハハッ」


下品に、薬研の主は笑った。









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セックスとかショタとか用語は審神者が教えました。

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