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キスマーク
キスマーク。
それは、所有物の印。
だから僕は
スイ にたくさん印をつける。
「んっ………ラー…サーぁ……。」
目をとろんとさせて、顔を真っ赤にして僕を見る彼女。
ああ、かわいい。なんてかわいいんだろう。
「ねぇ、そこ、見えちゃうよ…?」
「いいんですその方が……。それに、もう見える所も見えない所も、既にキスマークでいっぱいなんですから。」
そんな言いながらも、彼女の太ももにまたひとつ印をつける。
太ももを攻められるのが弱い彼女は、僕が吸い付くと同時に甘い声を出す。
その声が、また僕を興奮させる…。
「はぁっ………ラーサー…、そろそろ止めにしない?」
「嫌です。まだ足りない。」
「まだって私もう体中真っ赤……いやっ…!!」
今度は胸の近くに印を付ける。
これでまた、僕のものだって印がついた。
時々、僕はこうやって彼女にたくさんキスマークをつける。
足に、腕に、鎖骨に、耳に……全身を虫に刺されたんじゃないかってくらい。
今だって、もう彼女は体中真っ赤だ。特に反応の面白い太ももはもう赤い方の面積の方が広いんじゃないかってくらい印をつけた。
何故、そんなことをするようになったかは……もう忘れてしまった。
でも、こうすることで僕の何かが満たされる。
「………ラーサーぁ?」
「はい?」
「すき。」
これも日課。僕が狂ったようにキスマークをつけるとき、彼女は必ず好きと言ってくれる。
それはキスする時や、あの赤らめた顔を見るより一番ドキドキする。
「僕も……貴方が一番すきですよ。」
そう言って、深く口付けをする。
ゆっくり、だけど激しいキス。彼女は僕の頭を両手で包み、僕を求める。それがたまらない。
ああ、脳みそが溶けそうだ。彼女も、頭の中を僕でいっぱいにして、ぐちゃぐちゃになりそうなのだろうか。
「たまには、僕に印をつけていいのに。」
「ん?」
「キスマーク、一度もつけてくれないじゃないですか。」
「…………つけて欲しいの?」
少し息を切らし、まだ両手を僕の頭に固定させながら僕に話しかける彼女。
何も言わない僕に対し、彼女は首筋にひとつ、赤い印をつけた。
「ラーサーが、私のもので、私が、ラーサーのものって印。」
彼女はにっこり笑い、僕の肩に顔をうずめた。
愛しい彼女。僕のもう、たったひとりの大切な彼女。
大好きな人たちは僕を置いてみんな行ってしまった。
父も、兄上も、ガブラスも………。
だから、もう大切な人は失いたくなかった。スイだけは、ずっと側にいて欲しかった。
「スイは、ずっと僕をいてくださいね……?」
ぎゅっと、強く抱きしめ、僕は嗚咽をもらした。
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