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愛して、愛しすぎて


音を立てて、私とラーサーはベッドに倒れこんだ。


激しくキスをする。私がリードして、ラーサーはそれを一生懸命に受けた。
彼は、行為のときは私がリードする事を望んでいる。

それは、そのほうが、愛されていると感じられるからだという。


「スイ……さん…」


「『さん』は止めてっていったじゃない」


まあ、いいけどね、なんていいながらラーサーの服を脱がせ、自分も脱いだ。
























ラーサーが、激しくあえぐ。


だらしなく涎をたらして、腕を私に回して必死に放さないようにしている。


可愛い。可愛くて、たまらない。

私より小さい体で、懸命に震え、快楽に耐えるその姿が。私をゾクゾクさせる。


「スイ、スイ、スイっっ……」


「私はここにいるわよ」

くい、と髪をかきあげながら彼に奉仕する。自分でも、膣が締め付けていくのがわかる。だって、彼のあえぐ顔が、懸命に私を求める姿が、私を興奮させてゆくのだから。


「愛してるって、言ってぇ……」


「愛してる。だいすきよ、ラーサー」


「もっと、もっと言ってください」

腕に力を入れ、私の唇と彼の唇が重なり合う。もう快楽に溺れている彼は、本能にまかせ乱暴なキスをしてくる。私はゆっくり、それを甘くとろけるキスに誘い込んでいく。

彼は「愛してる」とか、情熱的なキスが好きだ。その証拠に、膣内に有る異物が大きくなってきた。


「僕を、求めてください。『ソリドール』の者でも、『アルケイディアの皇帝』でもない、僕を、好きって、愛してるって」


「求めてるじゃない」


ぺろりと、口からこぼれ出た唾液を下で舐め取ると、ピクリと彼が反応した。


「そのどちらでもない、可愛いラーサーが大好きよ。だって、人の上に立つ人はこんな可愛い声出さないものねえ」


体液が交わるいやらしい音が、お互いの荒い息遣いが、部屋中に響き渡る。
波が自分を支配する。もうそろそろ、私もいくかもしれない。

「やああっ、イく、いくぅぅ……!」

ラーサーも、同じだったらしい。目をぎゅっと閉じ、快楽に耐えるよう私をきつく抱きしめた。

私は、余裕のないの耳元に、やさしく囁いた。

「いいよ、私の膣内に、出して」

それを合図に、彼は白い液体を私の膣内にぶちまけた。


…………………。












「どうしたの?……ちょっと激しすぎた?」

「どうして……」


ひととおり行為が終わって一息ついてると、彼が泣いているのに気が付いた。唾液と同じくらい、涙がほほを伝っている。

私は、彼を優しく撫でてやった。


「どうして貴方は僕を愛してくれないんですか」


ぴくりと、彼を撫でる手が止まった。彼は、私を見ることなく、声を、涙ぐむ声を絞り出すように言葉を紡いだ。


「僕がほしいくらい、貴方は僕を愛していないじゃないですか」


触れる事を許さない、悲痛な叫び。

ラーサーは、とうとう顔を両手で覆った。


「愛してください……」


…私は、くすりと笑った後、やさしく彼の手を取った。


ラーサーはまだ泣きながらも、私を見た。その目は、不安と期待、様々な感情が混じっていた。


ラーサーの涙をその手でふき取ってやる。彼は、それを素直に受けた。



「だって、貴方が求めてるのは、『私』じゃなくて『貴方を愛しすぎる女』ですもの」



……………。

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