GUNDAM
波
「んっ………」
柔らかい唇が、自分の唇と重なった。
軽く触れるだけのキス。それは徐々に角度を変え、深く深くなっていく。
……彼女のキスは、上手い。ただ僕が慣れていないだけかもしれないけど。なんせ、恥ずかしいけどファーストキスだから。
「ん…はあっ」
苦しくなって、一端彼女と離れた。
息を吸って、吐いて。呼吸を止め整える。剣道や合気道などをやって体力には自信があった。それなのに彼女のほうが余裕があるのは、やはり慣れの問題か。
「もっと、する?」
挑発するように、彼女は聞いた。もちろん僕は頷く。
待ってましたとばかりに、彼女は再びキスをした。
角度を変えて深く深く。
ああ、ゾクゾクする。
「んっ……?」
にゅるりと温かいものが口の中に入ってきた。それが舌だと理解するのにしばらくかかった。
フレンチキスをやっているんだ。思ったより、気持ちいい。
酸欠になってきて、頭がぼおっとしてきた。でも、その夢心地のせいで快楽が増していることも事実だ。
彼女に抱かれながらゆっくりとベッドに押し倒された。
まるで僕が女みたいだ。彼女にリードされている。ああでも嫌じゃない。経験したことのない快楽を楽しむのに精一杯だった。
彼女は僕の口の中を所々、ゆっくりと味わった。歯を舌でなぞったり、唇と舐めたり。そして最後にお互いの舌を絡み合った。
「あっ、はあ………っ」
彼女の舌が、僕を襲う。声を抑えられない。それくらいに気持ちがいい。
「はっ、はっ……んんっ!」
お互い絡み合っていると、突然彼女に舌を吸われた。あまりに気持ちよすぎて、甘い波が全身を襲った。
「ん、はぁっ」
彼女が口から離れた。僕と彼女を繋いでいた糸が、ぷつりときれる。ああ、もったいない。
「キスの続き、したい?キスの後の続き、したい?」
そんなの、聞かれるまでもない。
「したい……です」
ああ早く、僕を快楽の波に乗せていってください。
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