いつだってパーティーナイト!
『お風呂沸いたよ〜』
「僕、ママと入る!!!」
「僕はパパがいい!!」
『そっか、なら翔ちゃんはママと入ろうね。パパはもうすぐ帰ってくるかな〜』
「それなら僕から入っていい?」
『うん、いいよ。なら飛雄は蛍ちゃんの次に入ってね?』
「おう。」
『あ、蛍ちゃん!ワイシャツ洗濯機入れといて!あ、飛雄も!!』
「うん。」
「分かった。」
『ママ〜遊ぼ〜!!』
無邪気にそういう我が息子。しかし、この時間は優雅に遊んでられるような時間ではない。
『うーん、ママは今からみんなのご飯作らないといけないからな〜飛雄と遊んでて?』
「分かった!飛雄にいちゃーん!忠ー!あそぼー!!」
「何するの?」
「飛雄にいちゃんのゲーム。」
翔陽の声でこの言葉を聞いた私はすぐに飛雄に向かっていう。
『なんのゲーム??』
「マリーオンパーティー。」
『え、それ私もしたいんだけど。』
「母さん、ご飯作るんだろ。」
その通りだ。私は夜ご飯を作らねばならない。だが、私だってゲームはしたい。ゲームスキの私にとっては、その時間がうらやましいものだった。
『でもね、蛍ちゃんもパパもしたいって思うの。絶対。』
「俺が何?」
すると後ろには蛍の姿。
『飛雄達がマリーオンパーティーするって言ってたの。』
「へぇ。で、するの?」
『飛雄はお風呂ね。』
「はぁー!?てか、蛍、風呂上がるの早すぎなんだよ。」
「は?飛雄もそんな変わらないでしょ。」
バチバチと飛ぶ火花。
あぁ、いつの日か翔ちゃんと忠も言うようになるのでしょうか…
「ケンカ…しないで?」
いや、そんな事ないだろう。
忠がいる限り…
「…ケンカじゃねーよ。」
「そうそう、ちょっと言い合いになっただけ。」
「ホントに?」
そう聞く忠に頷く二人。
無事解決。大抵忠がケンカを止めてます。
『さてと、マリーオンパーティーするために早くお風呂入っちゃおうか!』
「え、母さんもするの?」
『え、ダメ!?』
「風呂入ってくる。」
そんな感じで飛雄はスタスタとお風呂へ。
「父さん、いつ帰ってくるの?」
『もうすぐだと思うけどな〜』
「ふーん、分かった。」
『どうしたの?孝支に用事?』
「うん、数学分からなくて。母さんは無理でしょ。」
『うっ…私だって、文系科目ならできますぅー!!!』
「なら、英語教えてよ。」
笑顔で聞いてくる蛍。父親譲りの優しい笑顔なのに、なぜこんなに…いや、これ以上は言わないでおこう。
『あ、それは孝支に…』
「僕が教えたげる!!」
「え、翔陽が?」
「僕、英語できるよ!
まいねーむいずしょーよー!
ないすとぅーみーとぅー!」
「すごいじゃん。母さんより出来てるよ。」
『おい、何変なことを教えてるんだね、蛍ちゃん。』
「…ママ、ご飯作らなくていーの?」
『はっ!作ってくる!』
忠の一言でキッチンに駆け込むと同時に飛雄がお風呂から上がる。
『早いな。』
「普通だろ。」
『いや、かなり早いよ。』
「ママ〜お腹すいた〜」
『あーちょっとまってね、もうちょっとだから!』
「今日ね、スパゲティーなんだよ!!」
「翔陽、スパゲッティーね。」
「スパッゲティー」
「スパゲッティー」
「スパゲッティー」
「そう、よくできたじゃん。」
蛍はそう言うと頭を撫でる。
蛍は何だかんだ面倒を見てくれるのです。無愛想だけど…
するとガチャリという音がして、忠と翔陽は目を輝かせてドアの方へと走る。
「パパー!!」
「おかえりー!!!」
ガタンという音が聞こえる。
きっと二人が孝支に飛びついたのだろう。
「いつか、家の物が壊れるね。」
「俺もそう思う。」
『二人も昔、あの二人みたいに飛びついてたけど?』
ちょうど出来上がったパスタを机に並べる。
すると飛雄と蛍もそれを運ぶ。
「ただいま〜!」
『おかえりなさい!』
「おかえりー」
「おかえりなさい」
少しだけ嬉しそうな二人。
孝支が大好きなんです。
『ご飯運ぶの手伝って〜!』
そう言うと年長者がぞろぞろとキッチンになだれ込む。
『…でかいな。』
「母さんが小さいんでしょ。」
「いや、蛍も飛雄もでかいぞ。かなり。」
「父さんも平均身長はあるよ。」
『私に冷たくない!?』
「いや、母さんは小さいよ。」
『女の子はこんなもんです〜』
「女の子って…母さん、何歳なの。」
『蛍、夜ご飯なしがいいの?てか、知ってるでしょーが。』
「3ーー」
『24歳。』
「なんで24歳…」
『私、20代に見えるでしょ?』
「なら、俺も?」
「父さん、余裕で24。」
「父さんは余裕。」
『ファザコンですか。』
そんな話をしながら、机に置き、みんなで座る。
いただきます。
と言うと、みんなは食べ始める。
「おいしー!」
「おいしい!!」
そう言う最年少組。
そんな二人に微笑みながら食べる。
「あとで勉強教えて。」
「おーいいぞ〜」
「マリーオンパーティーすんの?」
「マリーオンパーティー?いいね〜しよしよ!」
『今日、忠とお風呂ね。』
「忠か〜お風呂楽しみだなぁ〜」
「僕も!楽しみ!!」
「僕、ママ!!」
『これ食べたら入ろうね〜!』
「うん!」
そんな感じで、菅原家。
今日も平和です。