私の息子!(翔陽編)


「あっ!僕もしたい!!」

双子の弟である翔陽はとにかく、元気いっぱいです。

「そんな走ると転ぶぞーーって大丈夫か!?」

元気すぎてよく転びます。

「いだいよおおーー!!!!」
「あーあー、赤くなってる。」
「どびお兄じゃああああん!いだいよおおおおーー!!!」
「男なら泣くな!」

転ぶ時、何故かよく飛雄が近くにいます。そして、男なら泣くなといつも言われてます。

『翔ちゃん、家で走ったら危ないでしょ〜?』

赤くなったおデコから血が出ていないのを確認し、そう言う。

「だって、飛雄兄ちゃんと遊びたかった。」
『走らなくても、飛雄は待ってくれるよ?(たぶん)』
「本当に?」
『うん』
「僕、走らない!」
『偉いね〜翔ちゃん!』

ギュッと抱き締めると、翔陽の小さい腕が私の背中を目指す。
小さいな〜って思っても、いつかは私の背丈だって越えるんだろうな…と、飛雄をみながら思うのです。
(里紗は、160p)
未来のこの子が楽しみです。

『よし、飛雄と遊んでおいで!』
「うん!」
「俺、眠いんだけど。」
『寝る前に宿題しなさいよ。』
「…。」

すると、お風呂から上がってきた蛍と忠がやってくる。

「あれ、翔陽のおデコ赤くない?また転んだの?」
「転んでないもん!!」
「翔陽、何歳?」
「4歳!」
「4歳なら嘘はいけないって分かるデショ?」
「…転んだ。」
「翔陽、この家はそんなに大きくないんだからさ、あまり走っちゃダメだよ。」
『蛍達が想像以上にでかくなっただけだけどね。』
「確かにな〜二人とも俺を悠々と越して…」
「それを言ったら、俺だって蛍に抜かされそうだよ、父さん。」
『蛍は何センチまで伸びるのかしらね。』
「成長期なんでまだまだ伸びるデショ。」
「僕も伸びたい!」
「僕も!!」
『お兄ちゃんたちがこんなに伸びてるんだもん、二人とも伸びる!』
「「やったー!!」」
「それじゃあ、飛雄、翔ちゃんお風呂に入れてきて〜」
「おー、翔陽行くか。」
「うん!」

そしてさっき注意したばかりなのに走ってしまう翔陽。

壁におデコをぶつけてしまいました。

*
*
*
*
「ママ〜パパ〜一緒に寝てもいい?」

忠と二人で寝ている翔陽ですが、忠が寝た後にたまに私と孝支の部屋に来ます。
忠はほとんど一人で寝られるけど、翔陽はまだ少しだけ忠より子供みたい。

『いいよ、おいで。翔ちゃん。』
「翔陽、怖い夢見たべ?」
「ううん。」
『ならどーしたの?』

そう聞くと、ギュッと抱きつく翔陽。

「ママとパパと寝たかったんだ〜!」

あぁ、なんて可愛いの。
笑顔が似合う翔陽。
そんな姿を見るだけでこっちまで笑顔になっちゃう。

『よし、寝ようか!』
「うん!」
「ほら、布団かぶるべ〜お腹痛くなっちゃうぞ〜!」
「お腹痛いのヤダー!!」
「なら、お布団をかぶろうな?」
「うん!」

孝支がそう言うとちゃんと布団に入る良い子。

『おやすみ、翔ちゃん。』
「おやすみ、翔陽。」
「おやすみ!」

ギュッと目を瞑る翔陽。そして3分後には寝息を立てて寝ている。

「相変わらず、寝るの早いな〜!」
『本当にね、蛍なんて全然寝てくれなくて大変だったのに…』
「確かに…蛍は遅かったべ。寝かしつけるのに苦労したもんな。」


苦笑しつつ、翔陽の髪を撫でる孝支。


『私達も寝ようか。』
「そうだな。」

里紗は電気を消してベッドの中に入り込む。

いつもは2人でゆとりのあるベッドも翔陽で少しくっつくような状態。

『おやすみ、孝支。』
「おやすみ、里紗。」

孝支は私にそう言うと目を閉じる。

少し経つと2人の寝息が聞こえてきた。

『寝るのが早いのは孝支似だね。』

少し笑って私も目を閉じる。

そして、次の日、何時ものようにこう言うのです。


『起きろーーー!!飛雄ーー!!!!翔ちゃーーん!!』


Noah