私の好きな人は少し口は悪いけど…いや、悪いけどとてもとても男気のある人。そして不器用だけどとても優しい。
そしてなによりバレーに打ち込む姿はどこの誰よりもかっこいい。
片想い歴、2年目突入です。
今から君に告白します
どんな貴方もカッコよすぎて仕方がない!
あぁ、学校がもっと長かったらいいのにな。
『かっこいいな…』
「及川君の方がかっこいいけどなぁ〜」
『それは岩泉君の良さを分かってないからで!!!』
「わかった、美月!分かったから!」
熱弁しようとする私を即座に止める友達たち。
彼の良さを伝えたいのに伝えられなかった。
「で、いつ告白するわけ?」
「そうそう、いつも直前で逃げやがって〜」
『いや、告白したことない人たちに言われたくないよ?緊張すごいよ?怖いよ?逃げたくなるんだよ?』
何を隠そう、私は何度か告白を決めている。が…
『い、岩泉君!!』
「ん?おーなんだ?」
『えっとね…その…』
「ん?」
『…す…』
「す?」
『す、スポーツだったらやっぱりバレーが一番好き!?』
「そりゃあそうだな。」
『そ、そうだよね…ごめん。部活頑張ってね!』
「おーありがとな。お前も気をつけて帰れよー。」
という感じでいつも岩泉君の部活をお見送りしてます。
「じゃなくて!!好きでしょ!何、好きなスポーツ聞いてるの!?バレー馬鹿なんだから、バレーが一番好きに決まってるでしょーが!!」
『そ、そんな事知ってるよ!!』
「なら言いなさいよ〜。」
『だって…』
「今日、委員会なんでしょー?美月の入ってる委員会っていつも長引いて挙げ句の果てに残業みたいな事しなきゃいけないじゃん?なら、帰り一緒になれるんじゃない?」
「いいんじゃん!絶好のチャーンス!」
ウキウキしている彼女達に言ってやりたい。
一回告白してみろ。と…。
だけど彼女達の言う通り、絶好のチャンスかもしれない。今日こそは…
『絶対に言う。』
そう決意するとウキウキしていた彼女達は微笑んで
頑張れ。
そう言ってくれた。
*
*
*
*
委員会は予想通り…いや、予想以上に長引いた。
なんでこんなにも長引くんだ。
そんな不満すら不満を通り越して何も言えない出来事が目の前に。
『この量をどうやって完全下校時までに終わらせろと?』
驚く量のプリント。
それを5枚1組でホッチキスで止めるのだ。
『何でやるのが私一人なわけ?大体、この量の仕事があるなら委員会を早く終わらせろよ…』
愚痴を漏らす美月。だけど、任されたからにはやり通す。完全下校時まであと一時間。
告白は無理だろうけどとりあえず終わらせなければ…
残念な気持ちを胸にひたすらホッチキスで止める。そんな事をしているうちにあっという間に完全下校時に近づいていく。
『駄目だ…終わらない。』
完全下校まであと15分。
15分でどれだけ終わらせられるというのだ。
ふざけるな。大体私は今日、告白をすると決めた日だ。そんな私の勇気をこのプリント達が踏みにじった。
『…もう、嫌だ。』
うつ伏せになる。
押し付けられた仕事は終わらず、気持ちは中途半端に残っている。今日なら言える気がしたのに。
「あれ?何してんだ?」
あぁ、幻聴だろうか。
大好きな彼の声が聞こえる。
「寝てんのか?」
そう、私は夢を見てる。
じゃなきゃこんな声聞こえるはずない。
「おい、そろそろ起きろ。風邪引くぞ…っておい。
お前……何があった。」
起き上がった私の表情を見て驚いた彼。
『何がって…?』
「お前……」
彼の大きくて暖かい手が私の頬を包み込み、目から流れる液体を拭った。
『ちょっとねー…疲れちゃったかな…やりたい事も出来そうにないし…もう、嫌になるよ。』
「これだけの量を一人で?」
『何でだろうね…明日までなのにみんな用事があるからって私だけだったんだ。』
笑っちゃうよね、この量を一人でって。そう言うと彼は優しく頭を撫でた。
「……頑張ったな。よし、さっさと終わらせるぞ。」
『え?』
「もしこれで終わらなかったら俺が言ってやる。この量を一人でやってみろって。」
そう言ってホッチキスを手に作業を始める。
「ほら、早くやって帰るぞ。」
優しく言う彼にまた恋に落ちた。
何度も恋に落ちるんだろうな…
そんな事を思いながら一緒に作業を開始する。そして完全下校時ギリギリに作業は終了し、無事提出できたのだった。
『今日はありがとう。本当に助かったよ。』
「俺は別に少ししかやってねーから気にするな。」
『そんな事ないよ!岩泉君がいなかったら終わらなかったし…』
ありがとう。
何度も言う言葉に照れたのか、彼は少し顔を赤く染めていた。
『じゃあ、私はこっちだから。』
「あ、あのさ、今日やりたかったこと、出来そうか?」
『え?』
「何かやりてぇこと、あったんだろ?」
どうやら、あの時の会話を覚えてくれていたらしい。
今は二人きり。
絶好のチャンスなのだろう。
『…できそうかも。』
「おー、よかったじゃねーか!」
そう言って笑顔になる彼。
『岩泉君!』
「ん?」
言おう。今日こそ。貴方に私の想いを伝えよう。
一生で何回あるだろうか。
これが最初で最後ならいいな。
『聞いてほしいことがあるの!』
「なんだ?」
勇気を出せ。
大丈夫、今日こそは告白するんだ!
[私ね、岩泉君が…』
たった一言だけど、届け!この大きな想いよ!!
『岩泉君が好きです!』
言い切った。だけど前は向いていられなくて目を閉じたまま。
だけど一瞬にして抱きしめられた。それはOKだと受け取ってもいいの?
恐る恐る目を開けると、今までで一番嬉しかった言葉だった。
「俺も好きだ。」