『このチビ!』
「チビって言う方がチビだ!」
「喧嘩するほど仲が良い…だね。」
『「は!?」』
「おー息ぴったり。」
「さっさと付き合えよ。」
『みんなは黙ってて!』
等身恋愛
恋は盲目とはこのこと。
日向 翔陽。
同じクラスのバレー部。
オレンジ色の髪で身長は私と全く同じのチビ。
バカで優しいあいつとはよく言い争いになる。
あいつが女子に突っかかるなんて私だけ。ほんと意味不明。
『あームカつく。』
「てかさ、何であんたは毎回言い争いしてんの。」
『あいつに聞いてよね。』
「付き合えば?」
『もーそんなんじゃないんだって。あんなチビと付き合うわけないでしょ。』
「チビって言うなよ!」
こいつ、地獄耳か?何て思いながら頬杖をつきあいつを見る。
『あーはいはい。分かりましたよ〜』
面倒臭いなもう。なんて言いながらクラスを出る。
「おい、授業始まるぞ。」
『はいはい。』
軽くあしらい廊下を歩く。
行き先なんてないけど、とりあえず歩く。
あーあ、こんなチビじゃなくてもっとカッコよくて長身のイケメンいないかな…
『はぁ…』
「何だよ。」
『日向が身長高かったらなーって思って。』
どっかにいないかな〜王子様。
さっきまで同じ速度で歩いていたはずのあいつがいつの間にかいない。
『日向?何、どうしたの。』
「美月は俺が身長高いほうがよかった?」
え、何。ショック受けた?
確かに身長のことを言いすぎたかもしれない。
『ごめん、日向。別に身長だけが全てじゃないよ。』
「でも女子って身長高いほうがいいんだろ。」
『まぁ、高いにこしたことはないかもね。』
それにしても女子の言うことを気にするようなやつだっけ?
『何、好きな人でもできた?』
いつものように、はぁ?って言うか必死にバレバレの嘘を言うかのどっちかだと思ってた。
「好きな人、ずっと前からいる。」
初めて見た表情に息をするのも忘れた。
あんな表情…するんだ。
それは普段のあいつからじゃ想像できない大人びた表情だった。
「なんだよ。そんなに変かよ。」
『いや、全然!』
するとチャイムが鳴り響く。
「教室戻ろうぜ。」
『あ、うん。』
日向の好きな人って誰なんだろう。どんな子が好きなんだろう。いつから好きなの。あれ、何で私…
「おい!顔真っ赤だぞ!?熱あるんじゃねーの!?」
焦ったように言うあいつは私のおでこに手を添える。
『わ、私、保健室行ってくる!』
きっとさらに赤くなった顔を隠すようにクルリと回り走る。
呼び止めるような声なんて無視して走る。
『なんで、私、日向のこと好きだったの?』
恋は盲目。
それは今の私にぴったりだ。
fin