元々男子校だったナイトレイブンカレッジが、共学校として新たに女生徒の受け入れを始めたのは、今から約10年ほど前の話だ。
「そっか。だから、女の子が極端に少ないんですね」
「そういうこと。共学になったとはいえ、ウチは男子校としての歴史が長いからねぇ。どうしても、女の子は別の学校に行っちゃいがちなの」
「へぇ〜」
「だから、高校生になって可愛い彼女作って、放課後一緒にデートして、な〜んて夢のまた夢。ウチの学校じゃ、校内で彼女作れるのはほんの一握りの勝ち組だけだよ」
ほんと、やんなっちゃうよね、と、呟いた彼の視線がこちらに向いたのは、ちょうど、わたしが昼食を終えた頃。クラスメイトの一人に、リップくらい直しなさい、と恒例のお小言を言われている最中だった。
「そういえば、エーデュースコンビと監督生ちゃん、ウチの女子寮長にはもう会った?」
「女子寮長って、ハーツラビュルの?」
「そうそう!リドルくんとは違って、女子の方は普通に優しい先輩だから!挨拶してみる?」
「そうっすね。同じ寮の先輩なら、今後顔を合わせることもあるでしょうし、」
「おっけー!じゃあ呼んじゃうね」