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次の日、俺はエドワード王に謁見し、アンジェラと結婚することを話した。
その席には、アンジェラも同席した。



「そうか、それは良かった。
では、すぐにでも、婚礼の準備に取り掛からねばならぬな。」

「いえ…そんなことはいつでも良いことです。
それよりも、私達は、早く二人で暮らしたいと思います。」

「そうか…では、急いで屋敷を建てねばならぬな。
どこか、住みたい場所はあるのか?」

「それは陛下にお任せします。
屋敷が出来るまでの間、ふたりで暮らせるところはないでしょうか?」

「……使っていない別荘はいくつでもある。
あとで、目録を手渡す故、そこから住みたい場所を選ぶが良い。」

「どうもありがとうございます。」







陛下とのやりとりはすべてアンジェラがこなした。
俺は、何も言わなくて良いと言われていたから、その通り、ただ黙って突っ立っていた。



アンジェラは一体、何を考えているのか…
そして、その思惑はうまくいくのか…



何もかもわからないままだったが、ここまで来たらなおさら、アンジェラに従わなければならないような気がしていた。
止まらない胸騒ぎ…しかし、それでも、不思議なことに俺はアンジェラを信じてみようと思ったのだ。
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