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あぁ、どうしよう!?
お姫様抱っこだなんて、初めての体験だよ。
現実だけじゃなく、芝居でもない。



その事実を再認識して、私の緊張はさらに高まる。
とてもじゃないけど、アルバートさんの顔が見られないから、目が開けられない。



「……随分と軽いな。
もっと食べて、鍛えないといけないな。」

「はい。」と言いそうになって、咄嗟に言葉を飲み込む。
今は、気絶しておいた方が良い。
だって、返事をしたら目を開けないといけないもの。
そんなの恥ずかしい。



(あ……)



私は、ベッドに置かれた。
きっと、ここはアルバートさんの部屋だろう。
アルバートさんの手を離れたことで、少しほっとした。



「カンナ!大丈夫か、カンナ!」

「う、うぅん……」

白々しい演技をしながら、私はゆっくりと目を開けた。



「わっ!!」

目の前に、アルバートさんの顔があったから、私は驚いて変な声を上げてしまった。
まつ毛が長い…それに、なんて綺麗な瞳の色なんだろう。
まるで宝石みたい。
間近で見たアルバートさんは、神々しい程に美しい。



「気が付いたか?
私がわかるか?」

「は、はい、わかります。」

アルバートさんは、微笑んで私から顔を離した。
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