11
「とりあえず、医者を呼んで来よう。」
「い、いえ、大丈夫です!」
「しかし……」
「ただの頭痛と貧血ですから!」
私は、上体を起こし、にっこりと微笑んだ。
「……そうか。それでは、何か飲むか?」
「え…は、はい。」
お水でも飲ませてくれるのかと思ったら、出されたのはワインだった。
「ありがとうございます。」
お酒には強くはないけど、全然飲めないってわけでもない。
私は、ゆっくりとグラスを傾けた。
「ネイサンとはいくつ違いなんだ?」
「え?えーっと…」
そんな設定決めてないし、ネイサンさんがいくつなのかも知らないのに…
でも、とにかく答えなきゃ…
「な、七歳です。」
「そうか……
君達は、どこの出身なんだ?」
「え?」
そういえば、ネイサンさんが何か言ってたな…
そうだ、最後までモルガーナに屈しなかった国がどうとか…
えーっと、あの名前は…
(……そうだ!)
「ルーランです!」
「ルーランと言えば、最後までモルガーナと戦っていた北の大国ではないか?」
「は、はい、そう…です。」
ネイサンさんは確かにそんなことを言っていた。
北の大国かどうかはわからないけど…
しおりを挟む - 74 -前小説TOP次ページ: