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お城に着いたら、私だけ侍女さん達に呼び止められて、そして小部屋に連れて行かれて…
何だろうと思ってるうちに、そこで、突然、服を脱がされ、普段はひとつにまとめてた髪を結い上げられて、そして、目の覚めるような水色のドレスを着せられて、キラキラ輝く宝石で耳や首を飾られて…
最後に、香水を吹きかけられて…



何がなんだかわからないうちに、私は男から女に変わってた。
え?ええ?どういうこと??



私はすっかり混乱して、どうしたら良いのかもわからなくて、心臓も破裂しそうで…
そんな時、連れて行かれたのは大広間。
そこには、アルバートさんもいて、私は、私だってことがバレたらどうしようってドキドキしてたら、急に手を差し伸べられて…



しかも、陛下の前で、アルバートさんは私を妃にするって言って…
あり得ない、あり得ない。
混乱の度合いはますます増して…そんな時に今度はシュリさんが現れて…



「カンナ…どうしたんだ?」

「え?」



いつの間にか、曲が終わってた。
周りにいる人が、私達に拍手を送ってくれていた。
考え事をしながらでも、ダンスは間違えずに踊れたみたいだ。
そのことに、私はとりあえずほっとした。



「ちょっと休もうか?」

アルバートさんが私を座らせたのは、陛下の玉座のすぐ傍の椅子。



「……本当に、そなたはカンナなのか?」

陛下が小声で訊ねる。



「はい、カンナです。」

私が答えると、陛下は目を丸くして首を傾げられた。
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