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「カンナ!どういうことなんだ!」

アルバートさんとふたりで家に戻った。
ネイサンさんもジョシュアさんも、今日のことにはものすごく驚いたようだ。



「ネイサンから、あんたが本当は女だったって聞いてびっくりしたよ。
しかし、水臭いな。
こんなに懇意にしてるのに、俺にだけ教えてくれないなんて。」

「君だけではない。
実は、私もカンナから教えてもらったことはない。
私が勝手に気付いただけなんだ。」

「そうなんですか。
しかし、今日、こんな重大な発表をすることも、俺は知らなかったんですよ。」

「当然だ。今日のことはカンナにも言ってなかったんだからな。」

「えっ!?」

それには、ネイサンさんもジョシュアさんも驚いていた。
そりゃ、そうだよね。
私はもっと驚いたけどね…



いつものように4人で食卓を囲んだ。
ただ、私が急に女に戻ったものだから、ジョシュアさんには違和感があるって何度も言われた。



「しかし、俺…人を見る目はあると思ってたんだが、まさかカンナが女だなんて思ったこともなかったよ。
俺の見る目もたいしたことないな。」

「そうだな。私はいつバレるかとけっこうひやひやしてたんだけどな。」

「そういえば、カンナはなぜ男装してたんだ?」

「え……」

アルバートさんが陛下に話してくれたのは、きっと急に思いついた話なんだろう。
でも、本当の理由は言いにくいな…どうしよう。

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