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「口封じとは…どういうことですか?」

「私もそこがよくわからないのだが、口封じであることは間違いない。
もしも、王妃に関することだとしたら…侍女たちは、知ってはいけないことを知ってしまったということだろう。」

「し、知ってはいけないことって、何ですか?」

興奮して、私は思わず質問してしまった。



「それは、私にもわからない。」

何なんだろう?
何人もの侍女を殺してまでも。知られてはいけないこと…
っていうか、酷い!酷過ぎる!
そんなに簡単に人の命を奪うなんて、エドワード王は噂通り、本当に冷酷な王様だね。
なんだか、ものすごく腹が立って来た!



「とにかく、あの王妃にはなんらかの秘密があるということだ。
そういえば、ネイサン…さっきの男と同じように、軟禁状態にある女性の話は聞かなかったか?」

「いえ、私が聞いたのは男だけです。」

「そうか…つまり、男と女の部屋は別々だったということだな。」

アルバートさんは、またしても何かを考えているようだった。
静かに目を閉じている。



「……おかしいな。」

「何が…ですか?」

「私が聞いたところによれば、魔法の力を復活させる方法とは、魔女の血を引く者と異界から来た者の間に生まれた子に魔力が宿るということだった。
それならば、エドワード王は早く子を作れと命ずるはず。
なぜ、ふたりは別の部屋にいたんだ?」

確かにそうだね。
冷酷な王様なんだから、アルバートさんの言う通り、人の気持ちなんかお構いなしに、子供を作れ!って言うはずだよね。
脅してでもやりそうだ。
なのにどうして、別の部屋だったんだろう?
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