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「ちゃんと薬は飲んできたのか?」

「はい。」

多分、もう酔わないだろうとは思うのだけど、アルバートさんが心配して、酔い止めの薬を昨日、買ってくれた。
本当に優しい人なんだから。
それとも、私がそれだけ頼りなく見えるってことなのかな?



「昼過ぎまで着かないから、寝ていた方が良いぞ。」

「はい、そうですね。」

私はその言葉に甘えて、目を閉じた。
馬車の中ではあまりしゃべる人はいない。
きっと、ガタガタ揺れるから聞こえにくいし、しゃべってたら舌を噛むからなのかも。
そんな状態だから、たいてい皆、眠ってる。
音楽聞いたり、スマホいじったり出来ないと、寝るしかないよね。
だけど、目を閉じても、揺れが酷いからとても眠れる状態じゃなくて…
それなのに、皆、良く眠れるもんだな…って、そんなことを考えているうちに、私もいつの間にか眠ってた。
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