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(えっ!?)



意外にも宿は、アルバートさんと同じ部屋だった。
これはかなり緊張する…!



「カンナ…明日も早いから、早めに寝ていた方が良いぞ。」

そう言いながら、アルバートさんは服を脱ぐ。
私は慌てて後ろを向いて…



「の、喉が渇いた。水飲もうっと。」

行動をわざわざ言葉にして、飲みたくもない水差しの水をグラスに注ぐ。



「しかし、久しぶりだ。
キリルに来たのは何年ぶりだろう…」

ベッドに横になったアルバートさんが、独り言を言う。
声の調子からして、キリルのことはけっこう気に入ってる感じ?



「以前は良く来られてたんですか?」

「え?あぁ…まぁな。
まだ幼い頃…だな。」

「そうなんですか。」

小さい頃のアルバートさん…きっと、可愛かっただろうな。
そんなことを想ったら、なぜだか子供の頃のケントの顔が思い浮かんだ。
小さい頃のあの子は、なんでも私に頼りっきりで…どこに行くにも手を繋いで行ってたね。



(ケント…どうしてるかな?
私がいなくなって、心配してるだろうな…)



「カンナ……どうかしたのか?」

「え?い、いえ。なんでもありません。」

私は素早くベッドの中に潜り込んだ。



「……服を着たまま寝るのか?」

「え?あ、はい。僕…けっこう寒がりなんで…」

「寒いのか?」

「えーっと…寒いって程ではないんですが、やっぱり脱ぐと寒いですね。」

「大丈夫なのか?熱でもあるんじゃないのか?」

「い、いえ、熱はありません。
じゃあ、おやすみなさい!」

私は、毛布を頭の上までひっぱって、沈黙した。
幸いなことに、アルバートさんもそれ以上は何も言わず、ランプの明かりを吹き消した。
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