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「どうもしないわ。
ただ、楽しいだけ。
恨みを晴らせて、ただ、嬉しくてたまらないだけよ。」

「恨み……どういうことだ?
そなたは何を言っている?」

「まだわからないの?
此度の叛乱を企てたのが、私だっていうことが。」

「……なん……だと?」

今、王妃はなんと申したのだ?
此度の叛乱を企てたのが…王妃だと…
そう言ったのか?
余は混乱し、それ以上、言葉を発することが出来なかった。



「あら、聞こえなかったかしら?
では、もう一度言いましょう。
此度の叛乱を企てたのは、この私なの。
あちこちに視察に行っていたのはすべてこのため。
何度も訪問し、元の国王たちを説得し、武器や弾薬を送り、決起の手筈を伝えたわ。」

「お、王妃…そなたは一体何を言っている!?
どうかしているのではないか?」

余がそう言うと、王妃は顔を寄せ、耳元で囁いた。



「どうかしているのはあなたの方だわ。
いつものあなたとは大違いね。
その落ち着きのなさはどういうこと?」

今度は、余を一瞥し、鼻で笑った。
余は、夢を見ているのか?
わからない…何がなんだかわからない。
苦しくなって、余は頭を抱えてしゃがみこんだ。



「私の計画はすべてうまくいった。
みんなの恨みを晴らせたのよ…」

王妃の甲高い笑い声が、余に激しい頭痛をもたらした。
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