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「ハハハ…そなたは、冗談がとてもうまいな。
しかも、歌もうまいとは。」

「楽しんでいただけて、光栄です。」

とても質問なんて出来るような状況じゃなかった。
だから、俺は開き直ることにした。
ここには、兵士がわんさかいるんだ。
今更、逃げられるはずもないんだから。
それに、こんな贅沢な食事を食べられる機会なんて滅多にないんだし、せいぜい楽しませてもらおうって。



緊張をほぐすために、酒も飲んだ。
そしたら、だんだん楽しくなって来て、すぐ傍にいるのが、軍神として他国から恐れられているエドワード王だってことも、どうでも良くなって来て…
ここがお城だってことも忘れて、いつもの居酒屋みたいな気分で騒いでやった。



使用人たちは心配しておろおろしてたけど、エドワード王はさすがに器がデカいっていうのか、俺の話をにこにこしながら聞いてくれた。
エドワード王がそんな調子だからか、他の人たちも同じように笑ってくれて…
俺は、調子に乗って、得意の歌まで歌ってやったんだ。



「今日は、本当に楽しかった。
礼を言うぞ、ジョシュア…」

「陛下、なんともったいないお言葉を…!
こちらこそ、こんな素晴らしいお食事会にお呼びいただいて、どうもありがとうございます。」
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