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「とにかく…そういうことだ。
では、私はアレクシスを探しに行く。
おまえは、女としての新しい人生を楽しむのだな。」

エルフはそう言い残すと、俺を置いてさっさと歩き始めた。



「ま、待て!
てめぇ、俺をこのままにして行くつもりか!」

「……しつこいな。
おまえがそんな罰を受けた理由はもう説明しただろう?」

エルフは振り返り、苦々しい声でそう答える。



「勝手なこと、言ってんじゃねぇぞ!
俺は、元に戻してもらうまでおまえの傍を離れない!」

「私は一生おまえを許す気はない。
おまえはそれだけ……」

「よしっ!わかった!」

俺はエルフの言葉を遮り、膝を叩いた。



「ようやく諦める気になったか。」

「そうじゃねぇ!
俺はこれからおまえと一緒にアレクシスを探しに行く。
アレクシスは俺が必ず捕まえてみせる!
だから…その時は、俺を元に戻してくれ!
頼む!
俺はあちこちを旅してるから、町の情報にも詳しいし、一緒にいるとなにかと役に立つ事も多いぜ。
な!お願いだ!」

必死だった。
俺は、どうしても男に戻りたい!
戻って、エリーズと幸せな家庭を築きたい!
その一心で、俺はエルフに懇願した。



「……なるほど。
話はよくわかった。
良いだろう…おまえがアレクシアを無事に捕まえることが出来たら、おまえを元に戻してやろう。」

「ほ、本当だな!
絶対だぞ!」

「しつこいぞ!わかったと言っただろう。
では、話は決まった。
今すぐ出発するぞ!」



助かった……
俺は頭の中から冷や汗がどっと吹き出るのを感じた。



「ちょ…ちょっとだけここで待っててくれ!
宿から荷物を取って来る。
なぁに、心配するな。
アレクシアの行きそうな場所は見当がついてるんだ。」

「なに!それは本当か!?」

「あぁ、本当だ!
だから、どこにも行くなよ!
すぐに戻って来るからな!」

俺はズボンの裾を折り返し、宿に向かって走り出した。
靴もぶかぶかになっていて、走り辛いったらこの上なかった。

本当は荷物なんてどうだって良いんだ。
俺が必死になって走る真の目的は別のことだ。


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