ユリウスは、引きつった顔をして俺を見ていたが、恐る恐るカップに手を伸ばし、それをゆっくりと飲み始めた。
おそらく、俺に異変がないことを見て、安全だと思ったんだろう…全く気に食わない野郎だ。
魔女は、ユリウスがお茶を飲んだのを見て、なんだか満足したような顔をしていた。



「ありがとう…とてもうまかった。」

ユリウスの奴、心にもないことを…




「コーランダーですね。」

「いかにも。」

魔女は機嫌の良い顔で微笑んだ。
なんだ、なんだ?コーランダーなんて俺は知らないぞ。



「……ところで、お前たちはフクロウを探してるとか言っていたな。
それは、白いフクロウのことか?」

「婆さん!知ってるのか!
白いフクロウを…!!」

「誰が婆さんじゃ!サンドラと呼べとさっきも言ったじゃろうが!」

「あ、す、すみません。
それで、サンドラさん…その白いフクロウは今どこに?」

「それは知らん。」

「えっ!?」

なんだ、この婆さん…もしかしてボケてるのか?



「どういうことです?」

「捕まえようと思うたんじゃが、なんともすばしこい奴でな。
残念ながら、取り逃がしてしもうたんじゃ。」

婆さんは、悔しそうな声でそう言った。
なんだ、そういうことか…喜んで損した。
この婆さんは、アレクシスを見掛けただけだったのか。
とりあえず、アレクシスがこっちに来たことだけは正しかったわけだが、婆さんが捕まえられなかったのなら、また一から探しなおしだ。




「ありがとうございました。
では、私達はこれで…」

「待て…」

「……何か?」

「お前たち、あのフクロウを探しておるのじゃろう?
あのフクロウがどこに行ったか、わかるのか?」

「そんなこと、わかるはずがありません。」

「そうじゃろうなぁ…お前たちにそんなことがわかるはずがない。
じゃが…わしには探す術がある…」

「な、なんだって!?」

そうだ!確かにこの婆さんは魔女なんだ。
つまり、魔法が使える…!
確かに、この婆さんなら、アレクシスを探せることが出来るかもしれない。


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