※会話文


「秋ちゃんんんんん!!」

「うわっ、急にどうしたの名前ちゃん!」

「熱でもあるんですか先輩、顔が真っ赤ですよ!?」

「ああ春奈ちゃん、違う、違うの…」

「ほら、ちゃんと話してくれないと分からないよ。何があったの?」

「…このことは口外しないで下さい」

「何か秘密のある話ですか?スキャンダルの香りがします!」

「こら、音無さん。─大丈夫、誰にも言わないから、話してみて?」

「うん…あのね、さっき鬼道さんとぶつかっちゃってね…」

「お兄ちゃんと?まさか何か、嫌なことでも言われちゃったんですか?」

「ち、違う違う!鬼道さんはそのくらいで暴言吐いたりしないって、春菜ちゃんだって分かってるでしょ?」

「うん、そうね。それで、ぶつかってどうしたの?怪我したの?」

「ううん、怪我はどこにもしなかったの。ただ…ただね、その、ぶつかった時にね」

「ぶつかった時に?」

「…………口が、当たっちゃって」

「口って…名前ちゃんの口が?どこに?」

「………………鬼道、さんの、口に」

「きゃあああああ!」

「叫ばないの、音無さん!…って、えっ?口が、口に…ええ!?」

「どうしよう秋ちゃん私もう鬼道さんの顔見れないぃぃ!!」

「ちょ、ちょっと待って。鬼道くんていつもゴーグルしてるよね?それだったら、口がぶつかるまえにゴーグルに遮られるんじゃ…」

「…鬼道さん、顔洗ってきた帰りで丁度ゴーグル外してたの」

「きゃあああああ!」

「ちょっと貴女たち、何を騒いでるの?」

「あ、夏未さん…」

「全くもう、向こうの方まで声が響いてたわよ。…ああ、そうだ」

「え、何?」

「さっき鬼道くんとすれ違ったんだけど、何だか様子がおかしくて。貴女たち、何か知ってる?」

「あー…」

「具体的に!具体的にどうおかしかったんですか!?」

「はっ春奈ちゃん!」

「具体的に、と言われると…。何だか挙動不審だったのと、やけに血色が良かったくらいだけど」

「わ…わわわ私、鬼道さんに謝ってこなくちゃ…!!」

「貴女が何かしたの?名字さん」

「したっていうか事故っていうか…とっとにかく謝って、」

「あ、ストップ名前先輩!謝るよりも告白した方が良いですよ!!」

「!?こっ、こっ…!な、何でこのタイミングで!?」

「このタイミングだからこそですって!だって2人とも両お、もごっ」

「とにかく、行ってきなよ名前ちゃん。残りの仕事は私たちでやっておくから」

「う…うん!ありがとう秋ちゃん!」



「……何となく、把握したわ。このままずっと進展しないんじゃないかとやきもきしてたけど、思わぬアクシデントがあったみたいね?」

「あはは…」

「(もごもご)」

「あ、ごめんね」

「─はぁ、苦しかった!…お兄ちゃん、頑張って…!!」


接触事故