※会話文


「トリックオアトリート!!」

「うるさいぞ何だ藪から棒に」

「今日は天下のハロウィンなんだよ鬼道くん!」

「海外発祥のイベントを天下とは言わん」

「鬼道くん、テンション低い。トリックオアトリック!!」

「菓子はどうした」

「いやぁ、鬼道くんお菓子持ってなさそうだなーと」

「確かに生憎菓子は持ち合わせて…あ」

「ん?」

「いや何でもない」

「うっそだ!絶対何かあるね、ほら見ーせーろーよ!」

「うわ、ちょ…やめろ名字、っ」

「おっしゃー取ったり!…って、このカップケーキ…何かさっき1年軍団の子たちが持ってたやつと同じような」

「…返せ、それはやらん」

「あ、分かったこれ春奈ちゃんに貰ったんだ。良いねー兄弟愛」

「やらんぞ」

「いや流石にそれを奪おうとは思わないよ。てことで、悪戯を決行します」

「具体的には何をするつもりなんだ」

「鬼道くんのそのトレードマークをビヨーンして、バチーンと行こうかと」

「とても頭の悪い言い方だがよく分かった。断固拒否する」

「ええ、じゃあお菓子」

「ない」

「じゃあマント」

「マントをどうするんだ」

「私がそれを羽織って校内を闊歩して、誰かに「それどうしたの?」って聞かれたら、「私が寒いって言ったら鬼道くんが貸してくれたの(はあと)」って返して一見私たちが付き合っているような噂を作る」

「……」

「いやぁ流石にダメか、これじゃ悪戯っていうかただの嫌がらせだし…、…鬼道くん?」

「何だ」

「顔赤いよ、風邪?」

「違う、気にするな」

「いやいや、だって凄いことになってるって!ちょっ、保健室…」

「……」(ダッ)

「ああっ、逃げた!」


10月某日の逃走劇