初夢 ◇◆ 2017/01/03 07:46

「青峰っち…。オレ、黒子っちと週刊誌でホモ扱いされた挙げ句、灰崎先輩に『逆に堂々とできるキッカケになったじゃない』って言われる初夢見たんだけど、今年のオレ、どうなっちゃうッスかね」
「お前がホモなのは知ってる」
「違う!!」
「もうそのネタ引っ張るのやめてやれよ、1年経ったぜ」
「ねぇ!オレの話聞いてる!?初夢だ、つってんじゃん!!」

雑煮 ◇◆ 2017/01/02 13:51

「京都の雑煮は白味噌に丸餅だと知っていましたか?」
「知ってたけど、食べたことは無いわ」
「食べに来ませんか?」
「京都に?」
「大量にあるんです」
「口に合わなかったのね」

おみくじ ◇◆ 2017/01/02 11:27

「灰崎、良いところに来た。金くれ。100円」
「新年の挨拶1つ無くカツアゲなんて、外道もいいところね」
「明けましておめでとう、金くれ」
「神社に何しに来てるの?財布は?」
「お賽銭の485円しか持ってこなかった」
「え、虹村には大金じゃない…大盤振る舞い…」
「おい、ふざけんな。いくら俺でも2千円くらいは財布に入ってる」
「で、その財布は?」
「家。この時期の神社はスリ多いから、ばーちゃんの形見の小銭入れにした」
「形見はスられてもいいの?何その価値観」
「ばーちゃんの教えだからいいんだよ。お賽銭も『四方八方からご縁がありますように』だしな。実際、困ってたら灰崎が来た。うちのばーちゃんスゲェだろ?」
「じゃあ、そのスゲェおばあちゃんに助けてもらって」
「そう言うなって。なんならお前の分も引いてやるから」
「人のお金で引くおみくじに意味あるの?…分かった。分かったから」
「サンキュー。……お、大吉だ」
「え?」
「大吉。灰崎は?」
「吉…。虹村に私の運、吸い取られた…」
「はは、ワリーな」
「…返せ、お金共々」
「さーて、甘酒飲みに行くか」
「無視すんなし」

初詣 ◇◆ 2017/01/02 05:45

「縁下?」
 呼びかけられてから己が仕出かしたことに気づく。かっと熱の集まった顔を覆ってしまいたいが、そのためにはこの手を離さなければならない。それは少し困る。
 こうしている間も灰崎の視線は痛いし、一緒に来ていた田中たちとの距離は開いていく。白状する以外の選択肢はなかった。
「…灰崎が」
「私が?」
「……灰崎が、消えそうな気がした」
「だって西谷と田中がうるさいんだもの」
 どうして分かったのかと問う灰崎に、慌ててそうではないという否定の言葉を飲み込む。勘違いをしてくれているのだから、わざわざ言うことでもない。
 人で溢れた境内。その喧噪と吐息の白さに、目立つはずの灰色の髪は容易く溶け込んでしまう。そこに在るはずなのに見失う。不安になる。いつか。いつか、見限られて離れて行ってしまうのではないかと。
 新年早々、不安を抱く自分の女々しさが嫌になる。ため息さえ、白く目視できる寒さが身に沁みる。
「分かった。縁下も同じこと考えてたのね?」
「ああ…うん、もうそれでいい」
「そう。ならこのまま2人で行こう。腕、離してくれる?」
 言われるままに腕から手を離す。宮城に来て2年目なのに、灰崎は相変わらず手袋をはめる習慣が身に付かない。ダウンの袖口で、ぎゅっと拳になっている手を開くには、未だ少し覚悟が足りない。手袋を外し、ポケットに押し込めて同じように拳をつくる。
 ひとまず今年は、これでいい。

百人一首 ◇◆ 2017/01/01 13:45

「え、百人一首?」
「おい、お前ら…柄でも無いことするもんじゃないぞ」
「ね、熱でもあるのか?」
「…傘持ってきてない」
 3年の散々な物言いにもめげることなく、西谷は快活な笑顔を見せた。
「大地さんたちも龍めくりやりますか?」
「田中めくり?」
「…坊主めくりです」
「誰が坊主だ月島ゴラァ!」
 強制参加させられていた月島の機嫌が更に悪くなる中、3年が揃って吹き出した。

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