潔さしかない



中庭へ降りる数段しかない階段に座り、咲いていた花を一輪手折る。ぱっと見ただけでは分からない花びらの数。
そのひとつひとつをぶちぶちと引き抜いていく。

「げ、」

嫌い、だそうだ。何が、とは言うまでもない。
花占いなど当てになるわけがない。はじめについている花びらの数が奇数か偶数かで決まるのだから。

「丸ハゲになった花なんか持ってどうした」

「うわあ」

気付けば後ろで朱然が見下ろしていて、思わず花を放り投げてしまった。
それをすかさず彼が掴む。こんな子供じみたことをしているところを見られるなんて、穴があったら入りたい。

「花占いだろ。で、どっちだったんだ?」

「…本当に思ったことすぐに言うんだからなぁ。花は嫌いって言ってました」

「へえ」

馬鹿正直なことに自覚はあると言っていたが、どうやら自制は出来ないようだ。
こういうのは聞かないでおくのが正解だと思うのだけどな。

「なら、こいつは燃やすに限るな!」

「うわっちょ、」

持っていた火焔弓の火が出るところに、花びらの抜かれた花を近付けた。あれ、ああ見えて結構火力が強い。
瞬時にして真っ黒焦げ、火の勢いで中庭へ飛んで行った。無駄に豪快だった。

「誰が流星を嫌いってことになったのか知らないが、何にせよ占いで悪い結果になったら即刻燃やす。
次占った時、良運に恵まれそうだろ」

花で占ったの、朱然のことなんだけど。
すでに毎日四六時中燃えている朱然に占いは効かないのかもしれない。悪運良運全て無効、灰になってる。
何だかそう自信ありげに言われてしまうと、正直微妙な気分だ。それなのに意中の相手を前にして、まあいっか、と思えてしまうのもまた朱然の魅力なのだった。

「みんな燃えちまえー!」

「そうだ流星、その意気だ!」

今は何気ない会話が出来ればいい。
そう思って私の気持ちは振り出しに戻るのでした。





私もそうなりたいって思ったんだっけ

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