おまけ
2026 06/19
[chapter:とある男の話]
マスターがマンドリカルドに雌落ちされた。それを聞いた彼は密かにほくそ笑んだ。
マスターがマンドリカルドと付き合っているのは知っているが、所詮は相手は三流サーヴァント。自分なら、いつでも奪える。あんな三流サーヴァントに雌落ちするくらいなら、マスターの体を堕とすなんて、簡単だろうと考えて。
「ちょっといいっすか?」
そんな彼にマンドリカルドが声をかけてきた。それに内心驚きながらも、彼は表面上は平然としながらマンドリカルドに返す。
「マンドリカルド。お前、恋人を雌落ちさせたんだって?」
「うす。マスターにエロい事で満足して貰ったようで、安心したっす。ちょっと自信になったっす」
マンドリカルドの言葉を聞いた彼は、また内心ほくそ笑んだ。自分が聞いた情報が間違っていないと分かったからだ。
更にマスターを簡単に雌落ち出来ると分かる情報が知りたくて、マンドリカルドに尋ねる。
「そんなに凄いの?お前、そんな凄いテクとブツを持ってんの?いや、俺は知らないけど」
「見てみます?テクは無理っすけど、ちんこは見せられるんで」
それを聞いた彼は、ますます心の中でマンドリカルドを嘲笑った。粗末であろうそれを見せてくれると言ったからだ。
せっかくだ。わざと見せて貰って、徹底的に馬鹿にし、彼から更に自信を奪おう。
「え?いいの?なら、せっかくだから見せて貰おうか」
「うす。ここが人気のない場所で良かったっす」
彼の言葉に頷くとマンドリカルドはあっさりと了承した。人気のない場所と分かっていても周りを見渡し、人がいないのを確認する。誰もいないのを確認した彼は下半身に手を伸ばし、服の中からそれを取り出した。見せつけるように彼に見せると、彼は絶句し、固まった。
「え…?」
何というか…マンドリカルドのマンドリカルドはご立派だった。ご立派過ぎる程にご立派だった。それしか言えないくらい、ご立派だったのだ。
更に彼は体の年齢が若い。勃起したら、更にすごい事になるのは容易に想像できた。
三流サーヴァントなのに、これなの?少なくても、これは三流が持つちんこではない。
それくらい、マンドリカルドのマンドリカルドはご立派だった。それを知った彼は絶句し、固まるしかない。
「感想は?」
「な、なかなか…ご立派なものをお持ちで…」
「そうっすか?アトランティスの野郎共も認めたから、小さくねぇのは知ってたんすけどねぇ」
マンドリカルドに尋ねられた彼は何とかそれだけ返した。その言葉にマンドリカルドは追撃するように呟く。それに彼は更にダメージを負った。
アトランティスの野郎共は大体がギリシャ男だ。良くも悪くも大体のギリシャ男は時代が時代だからか、それとも場所が場所だからか性欲が強い。物凄く性欲が強いのだ。
そんな奴等が認めた、ちんこ?
そんなの、絶対に勝てる訳が無かった。認めるのも十分過ぎるほどに納得できるちんこも見せられたのだから。こんなの、マスターだって雌落ちする。テクがなくても、雌落ちする。
無理だ。無理過ぎる。こんなちんこになんて、勝てっこない。テクはまだ自信があるが、ちんこは絶対に無理。マスターの体を堕とし、奪うなんて絶対に無理。絶対に不可能。どんな方法を使っても、絶対に不可能。マスターの体を堕とすことなんて、絶対に無理で不可能だ。
あらゆる意味で彼は撃沈した。
しかし、マンドリカルドは更に仕掛けてきた。
「んじゃ、あんたのも見せて貰いましょうか」
「え…?い、いや、それは…」
マンドリカルドの言葉に彼は思わず口篭った。ちょっとでも逃げようと視線だって逸らす。しかし、マンドリカルドは容赦しなかった。
「あれ?俺のだけ見て、自分のは見せられないんすか?俺のは見た癖に?それって狡くないっすか?」
「い、いや…それは…そっちが勝手に…」
「俺、尋ねたっすよね?見てみます?って。んで、あんたは言いましたよね?見せてって。だから、俺は無理矢理あんたに見せた訳じゃないっすよね?俺、露出狂みたいに無理矢理あんたに見せた訳じゃないっすよね?」
マンドリカルドの言葉に彼は言い訳のように呟く。しかし、マンドリカルドは許さない。絶対に逃さないとばかりに事実を突き付け、彼の言葉を否定する。
「俺のを見せたんで、あんたのも見せて欲しいっす」
逃さないと言わんばかりに言われた要求に彼は泣きたくなった。どうあっても逃げ出せない。絶対に逃げ出せない。そもそもマンドリカルドは逃す気もないだろう。
こんな事になるなら、彼に話しかけられた時点で逃げるべきだった。そうすれば、自分はもう少し幸せな夢を見られていられただろうに…
彼は泣きたくなりながら、自分のちんこを取り出した。ベルトを緩めてファスナーを下ろし、下着に手を入れて取り出す。そして、マンドリカルドに見せる。
それを見たマンドリカルドははっと鼻で笑いながら、一言。
「ちっさ。しかも粗末」
嘲笑いすらしながら呟かれた言葉に彼はあらゆる意味で泣きたくなった。それなりに自信があったから、尚更だ。
更に言われた言葉が酷い。事実だと分かっていても、酷い。確かにマンドリカルドに比べたら小さくて粗末だが、そこまではっきりと言わなくても…
「こんなんじゃ、確かに俺には見せたくねぇっすね。こんな粗ちん、見せたくねぇっすよねぇ」
ただでさえ、撃沈されて落ち込んでいる彼にマンドリカルドは更に仕掛けてきた。その言葉に彼は更にダメージを負う。泣きたくなる気持ちを我慢し、ひたすら耐える。
粗ちん。
確かにその通りだった。それくらい、マンドリカルドのマンドリカルドはご立派だったのだから。説得力があり過ぎた。
そして、彼は現実逃避するように考えた。考えてしまった。自らを追い詰めると分かっていても、考えてしまったのだった。
マンドリカルドはマスター自ら選ばれて恋人になった。
告白したのはマンドリカルドからだった。マスターへの思いを自覚した彼は散々悩んでから告白。その時にマスターは実は自分もマンドリカルドが好きだったと返事を返す。
マスターはマンドリカルドを諦めていたらしい。それはある日、マンドリカルド自らが言った言葉。マンドリカルドが俺はあんたのサーヴァントだと言ったから。それを聞いたマスターは嬉しかったと同時に悲しかったと話す。この言葉はマンドリカルドはマスターとして自分を大切にしてくれる証明だったが、同時にマンドリカルドは自分をそう思ってくれないと思ったのだとか。
だが、マスターはそれでも良かった。マスターとしてでも、マンドリカルドが求めてくれるならと。それでいいと割り切ろうとしていたのだとか。
そんなマスターにマンドリカルドは驚きながらも必死に言った。
違う。俺はあんたが好きなんだ。ずっと好きだった。好きだから、あんたのサーヴァントでいるつもりだった。あんたは生者で自分はサーヴァントでしかないから。いずれ別れてしまうと分かっていたから。諦める為にも、あんたのサーヴァントの一人でいる気だったと言う。
マンドリカルドはマスターが好きだからと自覚した時から考えに考えていた。誰にもマスターを渡したくない。でも、嫌われたくもない。だけど、自分はサーヴァントでマスターは生者。いずれ、別れが来てしまう。
そんな諸々を含めて考えに考えた結果が、せめてマスターのサーヴァントの一人として生きようという結論。
あんたというマスターのものだと言いたくて、マンドリカルドはマスターに言ったのだ。俺はあんたのサーヴァントだと。だから、好きにしてくれ。好きなあんたの為だから、俺は尽くすのだと。他ならぬあんたになら、全部どうされてもいい位に好きだから言ったのだと。せめて、あんたのもので、あんたのサーヴァントとして、あんたの為に尽くして別れたかったんだと。だから、マスターのサーヴァントだと言ったのだと。
でも、それだけではマンドリカルドは我慢しきれなかった。どうせ、振られるんだ。なら、せめて全部言おうと。駄目だったら、諦めよう。なんなら、座に還ればいい。マスターが望むなら、それだって悪くない。そこまで考えたマンドリカルドはマスターに告白したのだ。俺はあんたが好きだ。マスターとサーヴァントじゃなく、一人の存在として、あんたが好きだと。そして、自分の気持ちを全部語ったそうだ。
それを聞いた時、マスターは泣いた。笑いながら泣いた。俺達、自分の気持ちをちゃんと伝えるのが下手過ぎるね。ちゃんと話し合って、伝え合わないとね、と。
マンドリカルドはその言葉に謝ったという。ちゃんと上手く気持ちを伝えられなくて、ごめん。これからは、ちゃんと話すからと。それを聞いたマスターはまた泣いた。泣きながら、マンドリカルドの気持ちが嬉しい、良かったら、俺と付き合って欲しいとまで言った。マンドリカルドは幸せそうに笑いながら、なる、なりたい。俺もあんたと付き合いたい。あんたの恋人になりたい。そして、あんたに相応しい恋人でいる為に力を尽くすと。
そして、マンドリカルドは改めて告白した。
リツカ、俺はあんたが好きだ。あんたのサーヴァントなだけじゃ我慢できないくらい、あんたが好きだ、と。
マスターも言った。
俺もマンドリカルドが好きだよ。マスターとサーヴァントじゃなくて、一人の存在として好きだ。マンドリカルドじゃなく、君という存在だから、好きなんだと。
そして、二人は恋人同士になった。
それからの二人は傍目で見ても分かるくらいに二人は仲良しな恋人同士だった。マンドリカルドと一緒にいるマスターは幸せそうににこにこ笑っている。マンドリカルドだってマスターの隣だとにこにこと笑っていて、幸せそうだ。何だかんだで彼らはお互いを思い、愛しあっているのは分かっていた。
戦闘だって、マスターはマンドリカルドを一番に使う。戦力としても、一番に重宝している。そこからでも、マスターがいかにマンドリカルドを頼り、彼を信頼しているかが分かる。
更に、マスターは別の誰かが手を出した時に即座にそれを拒絶し、抵抗した。俺のマンドリカルドじゃないと嫌だ。絶対に嫌だと。そんなマスターの心がマンドリカルド以外に奪われる事なんて、絶対にない。そんなの、絶対にないのだ。
だから、自分は体を堕として手に入れようとしたのだ。
だが、それは無理だと分かった。分かり過ぎるくらい分かってしまった。無理過ぎる。あんなちんこになんて、勝てっこない。絶対に不可能で無理だ。
あらゆる意味でマンドリカルドはマスターの恋人として有能なので、マスターを奪うなんて無理過ぎだ。心も体も、何もかも奪えない。そんなの、絶対に不可能で無理過ぎる。
ありとあらゆる意味でマンドリカルド以上にマスターの恋人に相応しい存在はいないのだ。
そこまで考えた彼の肩に手をぽんと置くと、マンドリカルドは一言。
「マスターに手を出したいなら、まずはてめぇの粗ちんを俺以上にしてから、手を出す事を勧めてやんよ、粗ちん。マスター、俺並みのちんこじゃねぇと満足できねぇ体だから」
マンドリカルドからのトドメの一言に、ついに彼は泣き出した。もう、あらゆる意味で無理だった。心に傷を負いまくっていた。
無理。無理過ぎる。自分のちんこが小さくて無理。自分のちんこが粗末過ぎて無理。自分のちんこが粗ちん過ぎて無理。少なくても、マンドリカルドには負ける。負け過ぎる。
あんなんから、マスターを奪うなんて無理。しかも、マスターの体はあのちんこで慣れている。あのちんこで雌落ちだってしている。
そんな体を堕として奪うなんて、絶対に不可能で無理。少なくても、粗ちんの自分には絶対に不可能で無理だ。
ありとあらゆる意味で彼はマンドリカルドに負けた。ひたすら悲しくて、彼は泣くしかできなかった。絶対的な敗北を突きつけられ、泣く事しか出来なかった。
そんな彼の肩から手を離すとマンドリカルドは言った。
「んじゃ、そういう訳なんで。マスターに何かしやがったら、ただじゃおかねぇからな、粗ちん。マスターの恋人に相応し過ぎる俺が許さねぇからな、粗ちん」
そんな彼を確認すると、マンドリカルドは別れを告げるように軽く手を振りながら、去っていったのだった。彼はそんなマンドリカルドを見る事なく、泣く事しか出来なかった。ただひたすら悲しくて、泣く事しか出来なかった。