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2026 06/19
「あのっすね、何度でも言いますけど、俺は結局隠キャで卑屈で元ヤンなだけの三流サーヴァントでしかないんすよ。そりゃ、あんたの恋人であんたの一番のサーヴァントっすから、常に能力全開で考えうる可能性を考え、常にできる対策は取っているっす。でも、限界はあるんすよ、立花。俺にヘクトール様並みの頭とかアキレウス並みの身体能力とか求められても、マジで困るんすよ」
マンドリカルドの気が済むまで抱くと、彼は立花の体の後処理をし、ベッドのシーツなども取り替えて、疲れ果てて動けない立花の体を優しく横たわらせた。そして、自分も隣に寝転がり、掛け布団をかけると、ズタボロにした立花の心身を癒すべく、全力でフォローする。優しく体を抱きしめ、何度も優しく顔に口付け、本気で泣く立花を甘やかして癒していく。
「だからね、立花。俺に何でもかんでも察してくれってのは、無理なんすよ。そりゃ、出来るだけ配慮はしますよ?しますけど、結局はあんたの口から伝えて貰うのが一番なんす。そりゃ、あんたは男で俺達のマスターだし、あんたは俺にはできるだけ対等な関係を求めているのを知っているっすから、恥ずかしいとか、言って嫌われたら嫌だとか、馬鹿みたいにあるでしょうけど、ちゃんと伝えて欲しいんす。対等を望むなら、むしろ伝えるべき事は伝えて欲しいんす」
「うん…うん…」
キスの合間にマンドリカルドは出来るだけ自分の気持ちを伝えようと言葉を尽くす。そんなマンドリカルドに応えようと、立花も彼に何度もキスをし、必死に頷いた。
「そんで、あんたの恋人だから、何度でも言いますけど、あんたを狙ってる奴は馬鹿みたいにいるんすよ。一回、危険な目にあったから、そんな事が全くない訳じゃないのは、あんたも分かってるっしょ?だからね、今回はその戒めも含んで、俺も徹底的にあんたに対処させて頂きました。あんたの諸々を傷つけたのは本気で悪いと思ってますし、俺も心が痛かったすけど、あんたはここまでしないと、マジで自分に対しての危険性とかヤバさとか分かんないっしょ?あんたは本当に魅力的な人だから、ちょっとは自覚して周りに警戒心を持って欲しいっす」
「ん…ごめんね、マンドリカルド…俺が馬鹿だった…」
長々とした説教の後、立花はすんすん鼻を鳴らしながら、頷いた。そんな立花にマンドリカルドはベッドの脇のテーブルからティッシュを一枚取ると、鼻を噛ませる。それをゴミ箱に入れると、今度はウェットティッシュで涙に濡れた顔を拭ってやった。余りにも自分を甘やかしてくれるマンドリカルドに立花の胸はいっぱいになる。
「分かってくれたら、良いんすよ。じゃ、仲直りしましょう?」
「ん…する…」
自分の言葉に頷く立花を見ると、マンドリカルドは優しく恋人の唇に口付けた。それに立花も返す。触れるだけのキスを何度もし合う。
「ごめんね、マンドリカルド…面倒臭い奴で…」
「面倒臭さで言ったら、俺の方がヤバいじゃないっすか。隠キャで卑屈で元ヤンっすよ?普通、いないっしょ?あと、隠キャのコミュ障の無さ、マジで舐めないで欲しいっす」
「…ふふ」
自分の言葉に即座に返すマンドリカルドに立花は笑った。どこが隠キャなコミュ障なんだ。こんなに自分に配慮できる素敵な自分の彼氏様が隠キャなコミュ障な筈がない。彼も自分の能力や魅力の高さを実感してもらいたいものだ。
ま、それは自分だけが知っていれば、いっか。
「今回の詫びは明日…いや、もう今日か?寝て起きたら、散々介抱して甘やかすんで、それで許して貰えると助かるっす」
「もう、怒ってないよ。むしろ俺の方こそ、君に嫌な事をさせてごめんね。迷惑かけて、ごめん」
「そこに関しては、あんたを好きになってから、ずっと覚悟してたんで全然構わないっす。あと、介抱とか甘やかしくらいはさせて欲しいっす。俺、恋人とかの世話を見たりするのも好きなんで」
「そういうエピソード、確かあったよね」
「なら、尚更、俺はそういう奴だって分かって貰って諦めて欲しいっす」
「分かった分かった」
戯れるようなキスを何度も繰り返し、顔を擦り付けるように触れ合うと、ようやく二人は顔を離した。抱き締めていた腕を緩めると、マンドリカルドは立花の背を優しく撫でる。
「んじゃ、そろそろ寝ましょうか。おやすみなさい、立花。いい夢を」
「ん…おやすみなさい、マンドリカルド…」
自分を徹底的に甘やかすマンドリカルドに微笑むと、立花は目を瞑った。優しい恋人の仕草に導かれるように眠りへと落ちていく。
やっぱり、自分はこの素敵な彼氏様にいつでも負けっぱなしだなぁ…
恋人戦争は今日も立花の負けだった。