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2026 06/19

「あ、あの…マンドリカルド王…お願いがありまして…」
「何だ?言ってみろ、リツカ」
日々精神が荒れていく王の癒しはマスターだけだった。二人きりの時間は王の荒れた精神を癒していく。思い人は可愛がれば可愛がるほど可愛いので、王は存分に愛でる。
そして、思い人と共に少しだけ『フライドポテト』を食べた。思い人はそれが嬉しいのか、いつも『フライドポテト』を食べる時に笑ってくれた。そんな思い人が可愛いくて可愛くて仕方ない。
そんな中、いつものように思い人に触れて戯れて癒されて口説いていた王だが、その思い人が頭を下げてきた。それに王は上機嫌に笑いながら尋ねる。この可愛い可愛い思い人は、どんな可愛いおねだりを自分にしてくれるのだろう?
すると、マスターは物凄く言い辛そうに言ってきた。
「じ、実は…そろそろ、マンドリカルド王に一つ要求をしたくて…あ、俺がマンドリカルド王に名前を名乗る時にくれたやつです…」
「ん?何だ?言ってみろ。可能なら、聞いてやる」
「その…この部屋にかけてある魔術を…解いて欲しいなって…」
にこにこ笑いながら促すと、マスターはとんでもない事を言ってきた。それに王の顔から表情が抜け落ちる。
「駄目だ」
端的に言う事で、一切隙を与えないように王は断った。そんな王にマスターは懇願する。
「お、お願いです…少しの時間でいいので…」
「駄目だと言っているだろう、リツカ。いくら可愛いお前の頼みでも、それだけは聞けない」
「ほ、本当に…少しでいいんです…足りないなら…な、何でも聞きますから…」
「ふーん…」
リツカの言葉に王はしばらく考えた。すると、にやりと笑いながら、提案する。
「じゃあ、お前は俺の前で自分を慰めろと言ったら、するか?」
「え…?」
「俺からは手を出せないからな。なら、お前がするなら、契約違反にならないだろう?あぁ、勿論、裸になって毎日だ。夜でいいからしろと言ったら、するか?」
王がわざと瞳に情欲を宿して言うと、マスターは青ざめた。うろうろと視線を彷徨わせ、考え込む。そんなマスターを見た王は情欲を抑えると、にこりと笑いながら言った。
「ほら、出来ないだろう?だから、いい子だから…」
「し、します…」
「え?」
王の言葉を遮ると、マスターは確かに首を縦に振った。それに王は驚きのあまり目を見開き、声を漏らして固まる。そんな王をマスターは正面から見つめた。
「するから…条件を教えて下さい…」
自分を見つめる青い瞳には強い決意が込められていた。正面から射抜くように見つめ、捉えて離さない。まるで戦地に行く前の戦士のような眼差しに王は圧倒された。
そうだ。最近は愛でるばかりで忘れかけていたが、こいつは男で、恋人の為に決して体を許さず、自分に平手打ちと説教をした奴だ。あまりにも気高く美しい思い人に王の体に電撃のような衝撃が走る。



あぁ、なんて美しいんだ!こんな奴だからこそ、自分は惹かれたのだ!!あぁ、もっと見たい!もっと知りたい!!この美しい体を組み伏し、どろどろに自分に愛されて蕩ける様を見てみたい!この美しい青い瞳が自分への愛で満ちながら、自分を見たら、どんなに美しいのだろう!!愛し尽くし、慈しみ尽くす事で自分に愛されている事を実感したこいつが自分に惚れ込み、自分に媚びて甘え、自ら自分を求めてくるこいつを見れたら、どんなに卑猥でいやらしくて美しく、それでいて綺麗で可愛いらしいのだろう?!



想像するだけで背筋がゾクゾクし、腹の下が重くなった。正直すぎる自分の体に呆れながらも、王はうっとりと思い人を見つめる。今の思い人を見ているだけで興奮し、呼吸が荒くなる。
そんな王を見たが、しかしマスターは一歩も引かなかった。しっかりと正面から向き合い、決して逸らさないように王を見つめる。強い意志を宿す青い瞳は王を捉え、離さない。そんな思い人に王は更に興奮から背筋がゾクゾクし、更に腹の下が重くなった。
「…条件は一つ。これから、三分だけ。どうだ?」
「な…?!滅茶苦茶です!今から、たった三分…?!いくら何でも早過ぎるし、短過ぎます!!」
「嫌だ、譲らない。お前との時間は一分一秒とも誰にも渡さない。お前の髪の一本すら見せたくない」
「せめて、もう少し時間を…!」
「なら…」
王は無慈悲な条件を突きつける。それにマスターは対抗するように叫ぶが、王は譲らない。だが、マスターも譲れないのか、睨むように見つめながら、叫び返す。そんなマスターに王は言い放った。
「今すぐ、俺の前で自分を慰めろ」
その一言にマスターは硬直した。
時間は昼。当然、部屋の中だって明るい。なのに、今しろということは、王に自分の全てを曝け出す事になる。ある意味、恋人を裏切る事になるだろう。
だが、王は引く気はない。こんな絶好のチャンス、絶対に逃さない。逃してたまるか!
熱の籠った灰色の瞳がマスターを捉える。強い決意が込められた青い瞳が王を射抜く。両者、一歩も譲らない。
「…したら、何分くれますか?」
マスターの言葉に王は激しく興奮した。体が震える程歓喜し、熱い眼差しを思い人に向ける。



なんて奴だ!王の自分にも引かず、それどころか条件を確かめてきやがった!!あぁ、リツカ!お前は俺をどれだけ魅了すれば気が済むんだ?!



呼吸を荒げ、少しでも興奮を落ち着かせようと顔を抑えて髪をかき上げるが、全然治らず、むしろ体は興奮のあまりに震え、腹の下は重くなるばかり。今すぐにでも組み伏して、その美しい体を暴き、その体を自らの愛で穢してやりたい衝動を必死に抑え、王は言い放つ。
「…十分だ。これ以上は絶対に譲らない。例え、お前が俺にやり方を教え、お前自ら体を開いて俺にその身を捧げても絶対に変えない」
「分かりました。やります」
王の言葉にマスターは頷いた。決して王から視線は外さず、睨むように青い瞳を王に向ける。そんな美しい思い人に王は更に背筋がぞくぞくした。
「頷いたな?今更抗っても、もう遅いぞ?」
「いいえ、します。だから、貴方も約束を守って下さい」
王の言葉に思い人は頷くと寝具の中心に移動した。王から離れる事で少しでも危険を減らすように考えた為だ。賢い思い人に王は更に魅了される。
思い人が身を守る薄い衣装に手をかけた。ただでさえ、卑猥でいやらしい衣装が他ならぬ思い人の手で脱がされていく。目の前で繰り広げられる思い人のストリップショーに王は魅了された。片時も逃してたまるかとばかりに舐めるようにいやらしい思い人の姿を見る。脱ぎ方が分からない時があるのか、手間取りはしても、それでも思い人は止まらなかった。
「あぁ…!なんて美しいんだ…!!リツカ、お前は何故そんなに美しいんだ…?!こんな綺麗で愛らしく、それでいて卑猥でいやらしくて可愛い癖に、こんなに美しいものなんて、俺はお前以外に知らない…!」
マスターの裸を見た王は興奮しながら、叫んだ。あまりの興奮に鼻血が出そうだし、何もしていない下半身が暴発しそうだ。
リツカの体は所々傷跡がついていた。体もそれなりに鍛えられていて、何処からどう見ても男だと分かる。だが、それでいて未成熟な体は柔らかさを感じさせた。胸には少し赤い突起がついており、股間には柔らかそうな毛の茂みから自分よりは小さめな男性器がぶら下がっていた。だが、全ての要素が王の目には卑猥でいやらしく、だがだからこそ綺麗で美しかった。
「さぁ、リツカ…!俺に見せておくれ…!!他ならぬお前が自らの手で自らを慰める様を…!」
「…分かりました」
興奮しきった王が促すと、マスターは頷いた。座り込むと自分の性器を握る。そのまま慰めようとすると、王は言い放った。
「駄目だ、リツカ…!足を開け…!!お前なりに考え、とびきりいやらしくて卑猥で可愛くて綺麗で美しいお前を見せろ…!」
「それは…」
「しないなら、約束は反故する!」
王の言葉にマスターは一瞬戸惑ったものの、王が言い放つと頷いた。足を開き、見せつけるように自らを慰める姿を見せる。
自らの性器の先端を撫でると刺激に反応したのか蜜が溢れた。その蜜を広げるように指をくるくると回し、範囲を広げていく。下へ下へと撫でていき、一通り濡らすと上下にしごいた。
「ふっ…くっ…!」
可愛い声が漏れる。男だからか少し低いのに可愛らしい声。普段は自分に甘えるように聞こえるそれは欲に塗れ、掠れているせいか色っぽく感じた。
そんな思い人のとびきりいやらしい姿に王はますます興奮し、自らも自身を慰めるべく下半身に手を伸ばした。着ていた服から自身を取り出すと、見るだけで寒気を覚えるほどおぞましく勃起した巨大な逸物を慰めた。
「はっ…はっ…!リツカ、もっと俺を誘え!!もっともっと美しくて卑猥なお前の姿を俺に見せろ!約束を反故にされたいか?!」
勃起した性器を擦って慰めながら、王は叫んだ。王は容赦なく要求してくる。ここまで来て約束を反故にされては堪らない。仕方なく、マスターは考えつく限り、いやらしい仕草で王を誘った。
とろりと溢れる蜜を見せつけるように先端で広げ、裏筋を下から上へと撫でる。根本の袋をなでるように揉み、また上へと戻り、溢れる蜜を塗り広げ、上下に擦る。その刺激からか、マスターは顔を顰め、快感に耐えるように表情を歪ませた。
先程まで睨みつけるように決意が籠った青い瞳は快感からか潤む。だが、耐えているからか、強さは残っている。くちゅくちゅと卑猥な音が部屋に鳴り響き、時折きつく結ばれたマスターの唇から声と涎が溢れた。誘うように色気のある唇から溢れる涎は扇状的で堪らず、王は今すぐにでも愛らしくも美味そうなそれに貪りたかった。
「はっ…はっ…!あぁ、リツカ…リツカ…!!お前は何故、そんなに卑猥でいやらしくて可愛らしい癖に、そんなにも綺麗で美しくて愛らしいんだ…?!何故、ここまで俺の心を捉え、離してくれない…?!あぁ、欲しい、欲しい…!お前が欲しくて堪らない…!!お前の全部が欲しくて堪らないぞ、リツカ!」
興奮したまま、王は叫んだ。あまりに美しく卑猥な光景に頭が沸騰するくらい興奮したまま、衝動のまま言葉を吐き出す。
思い人の全てが王を魅了し、興奮させた。王は自身を慰めながら、発情した獣のように荒い呼吸をし、灰色の瞳を欲でぎらぎらと輝かせる。思い人の美しい痴態を一時でも逃してたまるかとばかりに凝視する。王の鼻から興奮のあまり、鼻血がたらりと流れた。



あぁ、今すぐにでもあの美しい体を暴きたい。髪の先から足の先まで撫でて舐めて愛撫してやりたい。体の隅々まで愛し、思い人を蕩けさせたい。体中に自身の子種をぶっかけ、あの美しい体を穢してやりたい。あの可愛らしい胸の突起を弄り回し、存分に舐め回して可愛がってやって、その刺激だけで絶頂に追い上げてやりたい。あんなにいやらしい性器を存分に自分の手で撫でて可愛がり、舌で舐め回して味を知りたい。自らの手と舌で愛し尽くし、滴り落ちる蜜を残さず舐めとりたい。吐き出される子種はどんなに甘くて苦くて美味いのだろう。性器を徹底的に可愛がって残さず子種を吐き出させ、口内で味わい、飲み込んだら、どれだけの美味なんだろう。どれだけ極上の味を自分に教えてくれるんだろう。



想像するだけでも涎が出てくる。それと流れる鼻血を空いている手で乱暴に拭う。だが、その瞳は確かに思い人に向けられていて、その痴態を凝視していた。
しかし、それでも王は思い人を襲わなかった。それは思い人の約束からでも他のどうでもいい奴等との約束からでもなく、自分のプライドからだけだった。男同士のやり方を完璧に分からないが故に思い人を落としきれないリスクのせいだった。そんなの、王としても男としても情けなさ過ぎる。思い人一人落とせないなんて、無能を曝け出すようなものだ。
まだ男同士のやり方を完璧に知らない王は自分の思いの全てを吐き出して思い人を愛するやり方が分からない。散々可愛がって愛し尽くし、蕩けさせて自分の愛を思い知らせ、自ら縋り付く程に自らに夢中にさせるくらい、体に自身の愛を叩き込んで落としてやりたい。
だが、今の王はその方法を完璧には知らない。今程、己の無知さを悔やむ時は無かった。全て知っていたら、今すぐにでも飢えた獣のように貪り尽くし、あいつを魅了してやったのに!
悔しくて悔しくて堪らず、思わず唇を噛むと、切れたからか血が出た。興奮のまま、その血をペロリと舐める。鉄の味がするそれは吐き出したい程、クソ不味かった。
「あ…ゃ…や…!ゃだ…!!やだ…!」
絶頂が近いのか、声を漏らして耐えていたマスターの口から、悲鳴が聞こえてきた。首を緩く横に振ってぐずるように叫ぶ。こんなにも自分を魅了するくらいいやらしい癖に、酷く可愛らしい仕草に王の頭の中の神経は切れそうだった。淫靡な娼婦のような姿を見せる癖に子供みたいに可愛いなんて、反則だろうが!
「はーっ…はーっ…!」
王は荒い呼吸を繰り返しながら、ひたすら自身を慰めた。もはや限界まで興奮しているからか、声を出すのも苦しいくらいだ。ただひたすら性器を慰め、思い人の姿を見つめ続ける。どんな事があっても、今日の思い人の姿は絶対に忘れない。例え死んでも来世にも記憶は残してやる。永遠に持ち続けてやる。
「ふ…ぅ…!あ、ぁあ…!!」
一際愛らしく叫ぶと思い人は果てた。性器から子種が吐き出され、思い人の体を汚す。それを見て、王は思った。



あぁ、なんて勿体ない。あれを舐め尽くし、口内で堪能し、飲み込んで体の糧にしたい。あいつの体液が自分の体の一部になるなんて、考えるだけでも興奮する。



「くっ…!」
そう考えた王も自らの欲を吐き出した。ぱたりぱたりと床が汚れる。自分の子種だというのに、思い人を思って吐き出したかと思うと、それだけで愛しささえ感じた。
しばらく部屋の中には荒い呼吸音が続き、独特の匂いが満ちた。思い人はくったりと寝具に沈み、自分も疲労からか動けない。
たかが自慰だけでこんなになったのは初めてだった。初めて女を抱いた時ですら、こんなにはならなかったなと王はぼんやりと考える。
「ま…マンド、リカルド王…拭く物…ありま、すか…?」
「あぁ…ちょっと待ってろ…」
絶頂を漂っていたマスターが段々正気を取り戻したのか、途切れ途切れに尋ねた。その呼吸はまだ荒く、体も赤く色づいている。未だに色っぽい思い人の姿に少々興奮しながらも、王は無理やり視線を外すように体を動かした。確か、女を抱いた後に拭く時用の布があった筈だ。もうそんな気は起こらないだろうが。
あんな魅力的な体を目にしたら、どんな物もゴミよりも価値のない物にしか見えない自信が王にはあった。そういう意味では早まったかもしれない。
「ほら、使え。水で悪いな」
「どうも…」
王は自身を綺麗にすると性器を服の中に隠すようにしまった。そして、水で濡らした専用の布をマスターに渡した。それを受け取ったマスターは体を拭いていく。そんなマスターをチラリと見た王は思った。あぁ、自分はなんて宝をみすみす逃してしまったのだと。
体を拭いて軽く清めると、マスターは脱いだ服を一枚一枚手に取り、着ていく。それを見て、王はなんて残酷な事をする奴なんだと思ってしまった。あんなにも美しい物が、僅かとはいえ隠されてしまうなんて。
「…どうでしたか?」
「素晴らしかった。明日も約束通り見せろ。できれば、昼にな」
「…夜で勘弁して下さい」
マスターの言葉ににやりと意地が悪く、だが満足そうにも笑いながら、王は言う。そんな王にマスターはため息交じりに呟いた。顔を赤らめ、視線を逸らすように顔を背け、恥ずかしそうに俯く。先程までの卑猥な姿が嘘のようだ。そんなマスターを王は目を細めて見つめ、なんて可愛い奴なんだとうっとりと思った。
「さぁ、マンドリカルド王。約束です。俺に十分という時間を下さい」
「分かった。だが、これをするには俺が外に出る必要がある。だから、お前はいつ解除されたのか分からないぞ?」
「いいです。自分で何とかします」
マスターは約束を守れと言わんばかりに言った。それにマンドリカルド王は頷きながらも、チラリとマスターを見る。すると、マスターはそう言って頷いた。その言葉にマンドリカルド王は目を見開く。



まさか、こいつ…魔術に多少は心得があったのか…?だったら、早まったかもしれない…



欲し過ぎるあまり、垂らされた餌に貪りついた自分に王は後悔してため息をついた。
「じゃ、俺は部屋の外にいる。何があっても中に入らないから、お前は安心しろ」
「え…?」
「…解いた後、またするしかないだろうが。だから、部屋の中に入っていたくても、俺は外にいるしかないんだよ」
マンドリカルド王の言葉にマスターが驚くと、マンドリカルド王は忌々し気に呟いた。そんなマンドリカルド王を見て、マスターは明らかにほっとしたように安堵の息を吐き出す。それを見て、マンドリカルド王は目を見開いた。



なんて奴だ。どうやるかは分からないが、俺の前でもこいつは仲間と接触する気だったのか。俺の妨害すら覚悟し、それでも仲間と接触する気だったのか。



あまりの度胸にマンドリカルド王は驚くしかなかった。そして、改めて惚れ直した。全く、この思い人は自分の予想を軽く超え、自分を魅了して捉えて離してくれない。
「王直々の褒美だ。時間は十分。好きにしろ」
それだけ言うと王は部屋を出て行った。それを見送ると、マスターは右手の手袋を取り、部屋の魔術が解除されるのを待つ。
マスターだって最低ランクとはいえ、一応魔術師なのだ。微かな暇を見つけては日々魔術師の勉強をしている。所長やカドックも加わったので、少しだけマシになった。そのお陰か、この部屋に施された魔術なら解除されれば分かるようになっていた。

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