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2026 06/19
「マンドリカルド、大丈夫?」
「すみませんすみませんすみません!本当にすみません、マスター!!案内や紹介や説明やらの途中で逃げ出して、すみません!」
ノウム・カルデアの端の方で隙間に隠れるように膝を抱えて座り込むマンドリカルドを見つけたマスターが優しく声をかけると彼は可哀想なくらい体を震わせながら謝ってきた。ぺこぺこと頭を下げながら謝ってくるマンドリカルドにマスターは困ったように、でも安心させるように優しく笑いながら話しかける。
「ううん。こっちこそ、ごめん、マンドリカルド。驚かせるような事をしちゃって…」
「い、いや…俺が『ヘクトール』が好きなのを知っていたからこそ、ヘクトール様を紹介してくれたんすよね?俺に気を使ってくれたからこそ、したんすよね?」
「うん、そうなんだけど…でも、いきなり過ぎたね。ごめん」
やらかしを自覚しているからか申し訳なさそうにしながらも謝ってくるマスターに確認するように尋ねるマンドリカルド。そんなマンドリカルドにマスターはまた困ったように笑いながら言った。最後には反省しているらしくマスターも申し訳無さそうに頭まで下げる。自分みたいなマイナー三流なサーヴァントも気遣ってくれる優しいマスターにマンドリカルドは心打たれながら、慌てて言った。
「いやいや!マスターが謝る事じゃねぇっすよ!!むしろ、空気を読まずに逃げ出した俺が悪いっていうか…!」
「でも、君を驚かせたり不快にさせたから…」
「あんたは悪くないっすよ、マスター!だから、頭を上げて下さい!!」
自分の言葉を聞いても更に謝ってくるマスター。ちゃんと自分の非を認めて謝ってくる彼に、なんて誠実で真摯で人間が出来たマスターなんだと感動すらしながら、マンドリカルドは叫ぶように言った。
何とか謝罪合戦を終えた二人は、またノウム・カルデアを歩いていく。施設の説明が終わると、マンドリカルドは今までの旅の記録と共にこれまでの旅の説明を受けた。それにマンドリカルドは絶句した。
「ひでぇ…」
インドの異聞帯までの旅を知ったマンドリカルドはそう呟くので精一杯だった。
とにかく、今までの旅が苛烈。しかも、心身共にダメージがくるものばかり。戦いが当たり前だった自分ですら、こう思うのだ。それなのに平和な時代で生活していたらしい、自分なんかにも心優しいマスターの傷はいかほどか。
今日は霊基を馴染ませる為にも休みたまえと記録を見せてくれたダ・ヴィンチに言われたマンドリカルド。自分に割り振られた部屋でベッドで横になりながら、マンドリカルドは思う。
マスターを助けなくちゃ。マスターを守らなくちゃ。あんなにも三流マイナーな自分なんかにも優しいマスターを。心優しい彼を。傷だらけでも進む彼を。自分みたいなマイナーな三流サーヴァントが出来る事なんて限られているだろうけど。
少なくても、これ以上は傷を負わせたくない。
マンドリカルドは強く、そう思った。そして、決意もした。