「私は速攻魔法、《トーラの魔導書》を発動! このターン、《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》はトラップカードの効果を受けない!」(手札7→6)


「……?! 奴のフィールドに伏せカードは無い。いったいなぜそんなプレイングを」
 遊戯が口にしたのも束の間、その答えは早々に出された。


「そう、《トーラの魔導書》の効果は、発動したターンでの魔法マジック、またはトラップのどちらかの効果を受けなくさせるカード。伏せカードの無い状況では意味がないけど、……私の目的はそれじゃない!!! さらにフィールドにある永続魔法《魔導書廊エトワール》の効果発動! 魔導書と名のつく魔法カードが発動するたびにカウンターをひとつ置き、その数×100ポイントが私のフィールドの魔法使い族の攻撃力に加算される!」

《魔導書廊エトワール》(counter/ 1→2)
黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 2500→2700)

「その程度の攻撃力で、私のセルケトは───」

「まだよ!!! この瞬間、《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》のモンスター効果発動!!! このモンスターがフィールドに存在する限り、自分、または相手が魔法マジックカードを発動する度に、相手のライフに1000ポイントのダメージを与える!!!!」

「?! なんだと??!!!」
『(まさか……!!!)』

「そうよ、宣言通り私は、このターンでお前のライフを削り切る!!!!!」

リシド(LP:6500→5500)

「ぐう……?!!」


「さぁ2枚目!!! 私は手札から《ゲーテの魔導書》を発動!!! 墓地から《セフェルの魔導書》、《ルドラの魔導書》、《トーラの魔導書》の3枚を除外して、《聖獣セルケト》に装備された《悪魔のくちづけ》をゲームから除外!!!」(手札6→5)

《聖獣セルケト》(攻/ 3200→2500)

「《魔導書廊エトワール》、そして《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》の効果!!!」

「ぐあっ!!!」

リシド(LP:5500→4500)

黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 2700→2800)


「そうか! なまえの手札は魔導書のカードばかり……!」
「残りライフ4500、なまえの手札は5枚!!!」


「3枚目!!! 私は手札の《アルマの魔導書》を発動!!!除外されている《ヒュグロの魔導書》を手札に加える!
」(手札5→4→5)

「うぐうぅ……!!!」

リシド(LP:4500→3500)

黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 2800→2900)


「4枚目、私は手札に加えた《ヒュグロの魔導書》を発動!!! 《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》の攻撃力が1000ポイントアップする! 」
(手札5→4)

リシド(LP:3500→2500)

黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 2900→3900→4000)


「5枚目! 《セフェルの魔導書》を発動! これにより墓地の《ヒュグロの魔導書》の効果を使い、さらに1000ポイント攻撃力をアップ!」(手札4→3)

リシド(LP:2500→1500)

黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 4000→5000→5100)


「これが最後─── 6枚目、速攻魔法《魔導書の神判》を発動! エンドフェイズに、このターンで使用した魔法カードの枚数分までデッキから『魔導書と名のつく魔法カード』を手札に加えて、その数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスターを特殊召喚できる! ……私のデッキはゼロ。それでも、このデュエルにもうエンドフェイズは来ない!!!」(手札3→2)

「……!!!」

リシド(LP:1500→500)

黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》(攻/ 5100→5200)


『まさか、こんな、こんな事……!!!』
 マリクもリシドも、ただどうしようもできない事態に目を見開いた。リシド、そして《聖獣セルケト》、《王家の神殿》の前に、真に崇高なる黒魔導の最高神官が魔術の杖を振りかざす。


「《魔導書廊エトワール》に乗ったカウンターは7。《ヒュグロの魔導書》と《セフェルの魔導書》の効果により、《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》の攻撃力は、合計5200……!」

 リシドは目を閉じて俯いた。それが魔導書の裁きの執行を待つ囚人のものだと、誰もが理解する。


「王家の神殿、それを守る者、聖獣という名の醜い姿。王家の闇に歪んだものを、私が魔導書の真の裁きで打ち壊す!!!

 《黒魔導の執行官ブラック・エクスキューショナー》の攻撃!!! 」


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