舞はデーモンへの攻撃を選択せず、“ハーピィの羽箒”で遊戯のリバースカードを破壊した。その“六芒星の呪縛”を破壊された遊戯のターンになるも、永続罠“銀幕のミラーウォール”がある限り、遊戯は攻撃を封じられているも同然。遊戯はデーモンを守備表示に変更し、新たに裏守備表示でモンスターカードを場に出すに止まった。
「フフ…攻め手を封じられたアナタに、勝つ手段は残されてないわ。私のターン!装備魔法“薔薇の鞭”で、ハーピィの攻撃力アップ!」
「銀幕のミラーウォールを盾に、無限にハーピィを強化するつもりか!」
「まずは裏守備モンスターを攻撃!」

「(まだよ遊戯…!まだ私のハーピィコンボは完成していないわ!)」

「おいおい、大丈夫かよ、遊戯」
 焦りが本田の口を開かせれば、城之内や杏子も遊戯に声援を送る。
「遊戯!舞はハーピィの分身を狙ってくる筈だ!気をつけろ!」
「遊戯!がんばって!」

「(舞のトラップカードを消さない限り、このままじゃやられる…!)」
 遊戯はまた守備表示でモンスターを出すのが精一杯だった。それを舞が、じっくりといたぶり続ける。

 そして舞のターン、ついにキーカードの一枚がその手札に加わった。
「このカードで私のハーピィコンボはまだ70%…まだ完成してないけど、今のアナタを倒すには充分!」

「(…!何を引いたの)」
 遊戯だけでなく、なまえや城之内もその舞のドローカードに注視する。

「いくわよ遊戯!これがハーピィ、最強のしもべ!!!」

 一瞬、その火球が爆ぜるのに時が止まったようだった。
 赤い身体に大きな鎖の首輪を掛けたドラゴンが、その火球を劈いてフィールドに召喚され、大きな戦慄きと共に緑の双眼を輝かせる。

「ハーピィズ・ペット・ドラゴン!

 ハーピィレディに従順な可愛いペット!」

 ペットと言うには余りにも厳しい。だがその名の通り、フィールドのハーピィがその首輪に繋がれた鎖を手にして遊戯の前に立ち塞がった。


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