「(これは賭けだ…!なまえ、お前の信念とオレの信念、強い方のどちらかが勝つ…!)」

 遊戯は良心の呵責を感じながらも、なまえの孤独を打ち砕くための「勝利」を選んだ。彼女の持つ行き場のない剣を、その手から下ろすために。
「魔法カード“手札抹殺”!プレイヤーは違いに手札を墓地に捨て、手札の数だけデッキからカードを引く!」

「(青眼の白龍を墓地に…!)だけど、手札入れ替えだけで、私に勝てるかどうかなんてただの博打だわ」
「ああ、オレは、オレの“読み”と“デッキを信じる力”に賭けるぜ。」

「デッキを、信じる力…!」
 なまえの顔がサッと青くなる。自分の過ちに、やっとその目が向けられた。


「なまえ…オレの勝ちだ!!!魔法カード“二重魔法(ダブル・マジック)”!このカードは相手の墓地にある魔法カードを選択し、自分フィールドで使用できる!」

「そんなバカな!!!」

「オレはお前の墓地から“死者蘇生”を使わせてもらうぜ!そして復活させるのは…“青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)”!!!!」

 大きく輝く白い翼を広げ、そのドラゴンは遊戯のフィールドに呼び出された。咆哮が響き渡るリュエルリングに、なまえはただ呆然と、その偉大な姿を見上げる。

「わ、…私の手札にブルーアイズがあることを読んだ上で…手札入れ替えで引き当てたと言うの…?…ハッ」

 千年秤は完全に傾き、その盃が戻らない事をなまえは察した。
「これが…もう一人の遊戯の、信念の強さ…。いえ、自分の魔導士たちを信じられなかった、私の罪の重さ…」


「青眼の白龍の攻撃!」
 遊戯の攻撃宣言がなまえを白く包み込む。その視界の端で、ジュノンは最後に振り返って、自分のマスターを守るように両の手を広げ、そしてそのソリッドヴィジョンが砕かれるのをなまえはたしかに見た。


「魔導法士ジュノンを撃破!!!」

 遊戯(LP:700)
 なまえ(LP:0)



「勝者、武藤遊戯!」


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