7&11
「アンタらほんましつっこいねん。なんなんよ」
睫毛が瞳に刺さるくらいに精一杯目に力を込めて睨み付ける。私のその憎しみとも呼べる感情を乗せた視線の先には、同じ顔がふたつ、私の眼力なぞものともせずにやついていた。
「なんでそんな酷いこと言うん?俺らただ葛城さんと仲良うしたいだけやん。なあ?治。」
「せやで。葛城さん、そんな俺らの事いややの?」
ええまあ。そりゃあ嫌ですけれども。あんたらそれ聞くん初めてじゃないやろが。なんべん拒否ったかもう覚えとらんくらいやわボケ。
とまあ言いたい事は沢山あるんだけど───────この同じ顔をした双子の同級生はうちの高校では知らない人は居ない有名人だ。私は最近とても面倒くさいことにこの双子に付き纏われている。
しかし彼らは私がどんな罵詈雑言を投げつけても何故かより楽しそうに絡んで来るのだ。二乗で。
朝、おはようの挨拶であるかのようにまずジャブ程度のせくはらから始まり、昼休みに入るや否や私の教室に押し入って来て食事を共にすることを強要してくる。はじめのうちは何がなんでもと逃げ惑っていたのだが、いつしか一体どういう訳かほぼチャイムと同時に乗り込んでくるようになった。もちろん二人一緒に来ることもあれば別々に来て後から合流するみたいな形を取ることもある(バリ不本意やしどっちも来んな)
放課後はというと私が殆ど活動していない文化部でいるが為にほぼ帰宅部なのと、強豪稲荷崎でレギュラーを張っていて更に厳しい先輩が居るから基本的には私の所へは来ない。
しかし週に一度ある部活がオフのときには昼時と同様何故そんな早く来れるのか知れないが、いつの間にやらやって来て両脇を固めて来るのだ。そう、まさに今日がその日だ。
「…なんで私なん?あんたらいつもキャーキャー言ってる女子いっぱいくっつけとるやんか」
「俺らに興味ないとこが面白かったんやけど、最初だけやったわ。なんか葛城さん普通におもろい」
「メンドくさそうな顔がええ」
「き、気持ち悪。なんやねん、私はなんもおもろいとこないわ、いい加減にせえや」
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