十代君と想いが通じあって数日が経った。
それでも私達の距離は今までと変わらずあった。
それでもどこか心が暖かく互いを見掛ければ共に笑顔が溢れた。
そんな中で始まった期末試験、それは十代君にとっての進級試験であると同時にこの一年共に過ごしてきた友人との別れの時でもあった。
「寂しくなるね」
「ああ、でも俺隼人とクロノス先生のデュエル見て思ったんだ。
あいつはここじゃない所でもっと輝けるって、あいつは凄い奴だ」
ここまで真っ直ぐに友達を応援、尊敬できる人がどれだけいるだろうか。
「···そうだね、隼人君だけじゃない。
きっと皆が素敵な部分を持っていて、皆どこかで輝いていけるんだろうね」
彼らの未来を知っている私がこんなことを言うのは滑稽かもしれない。
それでも私はその先の未来を抜きにしてもそう感じる、それほど彼らに惹かれている。
「···なんか名前がそんなふうに言うの、複雑なんだよな」
「え···どうして?」
不貞腐れたようにそう言う十代君にそう訊ねれば私から視線を逸らして言った。
「····名前が素敵、って思うの、俺だけでいい」
そう言った後再び私を見た十代の顔は少し赤くなっていた。
私はそれに釣られるように顔が熱を持った。
「····好きだよ、十代君」
思わず口にしたその言葉に十代君は一瞬たじろぎながらもすぐに息を整えてこちらを向いて私と同じ言葉を口にする。
「俺も名前のこと、好きだ」
そしてほんの一秒程、自然と二人の唇が合わさった
距離が変わらないなどとよく言えたものだと自分自身を笑った