休日というものは本当に終わってしまえば早いものだ。
それでも雑務をこなしながらも空いた時間は十代君と過ごし楽しい休暇を過ごす事が出来た。
十代君にせがまれて何度かデュエルもおこなった。
奇跡的にデッキの回りがよく一度だけ彼に勝てた事が実はかなり嬉しかった。
その時のことを思い出し笑いが溢れた瞬間を偶然明日香ちゃんに見られてしまい一気に羞恥心で顔が赤くなった。
「大丈夫ですよ、そんなに慌てなくても」
そんな私の姿に明日香ちゃんはくすくすと上品に笑ってフォローした。
これではどちらが歳上なのか分からないと恥ずかしさは増した。
「名前さんは休み中もこちらに?」
「うん、ずっとここにいたよ」
十代君と付き合いはじめてから明日香ちゃん達とも前よりフランクにお話させてもらえるようになった。
本当にありがたい、皆が良い子だったおかげだ。
「十代もここに残ったんですよね?」
「うん、そうだよ」
気のせいだろうか、明日香ちゃんの周り空気が少し冷たくなったように感じる。
もしかしてやはり十代君に惹かれているから私という人間が疎ましいものに感じられたのだろうかと考え胸がざわついた。
私は明日香ちゃんの事も好きだった、勿論十代君とは違う意味で。
「十代に何か不埒な事をされませんでしたか?」
「え」
しかし明日香ちゃんの口にした予想外の言葉に私は驚いて固まってしまった。
明日香ちゃんはそれはもう綺麗な笑顔で私にこう続けた。
「もしも十代が名前さんに失礼な事をした時は私に教えてください。
二度とそのような事が出来ないように私がきっちり叩き込みますから」
明日香ちゃんはどうしてしまったのだろうか。
どう心情の変化があってこんなことを言ってあるのかは分からない。
それでも明日香ちゃんが私の事を心配してくれているということはよく理解できたので私はぎこちなくも何度も首を縦に振った。
「そういえば十代がさっそく新入生とデュエルするらしいんです。
よろしければ名前さんも見に行きませんか?」
「あ、うん、じゃあ、行こうか?」
「はい、是非」
これはエドフェニックスとのデュエル回だろうか。
取り敢えず今はとくに仕事がなかったので明日香ちゃんの誘いに乗って二人でレッド寮の方へと向かった。
それにしても分かってはいたのだが
美人の笑顔は色んな意味で攻撃力がとても高かった