45:自覚した独占欲の隠し方

『十代が帰ってきました』

明日香ちゃんから届いたメッセージに私はため息をついた。
私は内心不安もあった。
自分という異分子がこの世界に何か歪みを与えてしまうのでないのかと。
だがこの世界の大筋は私程度の存在で姿を変えることはないらしい。

その事実にホッとする反面少し悲しく思う気持ちもある。

「いてもいなくてもいい存在、なんて、ね」

なんてネガティブな事を呟いた。
部屋には誰もいない、だから私のこんな呟きを聞く人はいない。
1人ぼっちの世界。

「十分恵まれた待遇を受けているのにどうしてこんなに満たされていないように感じるのだろう」

ベッドに横になった。
今十代君の元に駆け付ける気分にはなれなかったから。
彼は今信じて待ち続けていた仲間達に歓迎されているだろう。

「寂しい」

まるで母親の迎えを待つ小さな子供のようだった。
そして気がついた。

「そっか、私皆に嫉妬しているんだ」

手放しで彼の帰還を喜んで彼と笑う姿を見たくなかったのだと気が付いた。
それに気付いて恥ずかしくて顔が熱くなる。

「貴方いったいいくつだと思っているの」

そんな自分を叱咤する。
彼らは私よりずっと近くで十代君を見てきた仲間達なのだからそんなことは当たり前の事なのに。

自分が思っている以上に独占欲が強い人間だったのだという事を知った。

「自分だけを、なんて、これじゃあユベルの事とやかく言えないじゃない」

一年程すれば現れる彼女の事を思い出した。
一年後私はどうなってしまうのだろうか。
目を背けてしまいたくなる未来に気が遠くなった。

「···まぁ、これから別の問題も待っているのだけれど」

既に動き初めている新たな歯車に私は苦笑いを浮かべる。

だがきっと問題ない。

彼の言葉を借りるとするならば運命は決まっている。

この言葉は私にとって救いの言葉でもあった。

そしてそれは同時に