知りたい想い

「今日平気か?」

トーマスにそう訊ねられ私は首を縦に振る。
いつものやり取りだ。
学校を出て彼の隣を歩く、会話は殆んどない。
その時間が苦痛だったわけではない。
ただ少しだけ寂しかった。
手を伸ばせばすぐに届く距離にいた。
それでも私は彼の手を握る事が出来ない。
横目で彼の顔をのぞき見た。
いつもと変わらずそれはとても綺麗な横顔だった。



「名前」

私はトーマスの部屋にいた。
今日が大丈夫かの確認は今日彼の家に寄れるか、もっとはっきりと言ってしまえば今日寝れるかという確認だった。

名を呼ばれ彼の隣に座れば唇を寄せられる。
普段と全く変わらない、私達の日常。

トーマスのキスはいつだって優しい。
大切にされているのだと実感出来る程に。
ねっとりと深いキスに身体の中心が熱くなっていく。
身体から力が抜けてきた頃そのままベッドに押し倒された。

そしてより深いキスに私は溺れていく。
トーマスの手が私の腰を撫でた。
シャツの中に侵入された手にびくりと身体が揺れる。
お腹を撫でられた後シャツのボタンを一つ一つ丁寧に外されていく。
晒された素肌に彼の綺麗な手が触れる。
私はそれだけのことで身震いを起こしてしまう。

「相変わらず敏感な奴だな」

下着も取りはらわれ優しく触れられる。
そのじれったさに身体は益々刺激されていく。
とっくに湿ってしまっているそこに触れられる頃には気がおかしくなりそうになっていた。

丁寧に丁寧にそこを解された後トーマスのものがそこに押しあてられた。
そしてゆっくりと中に割って入ってくる。
トーマスが何かに耐えるように顔を歪ませる。

全てが私の中に収まった後トーマスは私の頬を撫で何か言いたげな視線を向ける。
それでも何も言わずに再び私にキスをした後ゆっくりと腰を動かし始める。

「っ、ト、ーマス····」

お腹側を擦りつけるように動くその刺激に私はがくがくと震える。

その強い快感に耐えようとトーマスの身体に触れようと手を伸ばしかけた。
それでもそれに躊躇してしまいその手は彼を掴む事が出来ずにシーツを強く握りしめる。

「名前っ···」

トーマス自身が感じていることはトーマスの表情を見ればすぐにわかる。
私はそれだけで救われるような思いだった。
トーマスに名を呼ばれトーマスが私で感じているだけで嬉しかった。

「、ち、から、抜いて····くれっ」

限界が近いのか先ほどよりも少し動きが早くなった。
私の太ももを掴んでがつがつと動く。
だがそれも少し遠慮しているように見える。

(初めの頃みたいにしてくれてもいいのに)

互いに経験がなく手探りだった頃、気持ちよさなんて殆んど感じられなかった。
それでも謝りながらも私を強く求めてくれるトーマスが愛しくてそれだけで幸せな気分になれた。

今の方がずっと気持ちよくて優しい、なのにそう思ってしまうのは何故だろうか。















「ごめん、今って時間ある?」

翌日学校に着けばクラスメイトにそう訊ねられた。
私は混雑した電車が本当に苦手なので人よりもかなり早い時間に登校している。
この時間に登校している生徒は部活動等をしている生徒ばかりなので普段は教室に私しかいないことが殆んどだった。

しかし今日は違った。
隣の席の男子生徒が既にそこにいた。

クラスメイトの問いに首を縦に振れば申し訳なさそうな顔で教科書のある問題を見せられた。

「俺今日多分当たるんだけど、どうしてもここが解けなくて。
····名字さんって数学得意だったよね?
教えてもらえない、かな?」

数学の先生は基本その日の日付の出席番号の生徒を指定する。
確かに今日は彼の番が回ってくるのだろう。
快く了承すれば大袈裟な程ほっと胸を撫で下ろしたのを見て首を捻った。
私は彼に対してそんなにも冷たい人間に映っているのだろうか、と。

そんなことを考えながら彼にその問題を解説していけばあっさりとそれを解いていく彼に違和感を覚える。
もしかしたら答えに自信がなかっただけである程度理解していたのだろうか、と考えた。

そんな事を考えていれば彼の手がぴたりと止まった。

どうしたのかと彼を見ればその彼と視線がぶつかった。
分からないところがあったのかと口を開きかけたその時彼が先に口を開いた。

「ごめん、·····本当は話しかけるきっかけが欲しかっただけなんだ」

彼は気まずそうにそう言った。

「俺、ずっと名字さんの事好きで、彼氏がいるの知ってるけど、でも最近名字さんが笑ってないのに気が付いて····チャンスかなって思って、つい····」

彼はそう言ってどこか気まずそうに私から視線を逸らした。
彼とは席が隣なこともありそれなりに会話もする。
だが予想だにしなかった彼の告白に驚いて固まってしまった。

「俺、笑ってる名字さんが好きで、だから俺じゃない人と付き合ってても名字さんが笑ってるならそれでいいやって思ってた。
でも最近全然笑ってないから····俺が幸せに出来たらって」

私が笑ってない?私が幸せそうには見えない?
そうなのだろうかと胸がざわついた。
私は今大好きな人と付き合っていて、その彼に毎日のように抱かれて、それでも他者から見て私は幸せそうに見えないというのだろうか。

彼に好きだと言われて最近トーマスに好きと言ってもらえていないことに気が付いた。
告白してくれた彼の気持ちなんて考える事もせずにこんな事を考えている。
私はトーマスか大好きなのだろう。
思えば私の頭の中はトーマスの事ばかりだった。
考えていない時間がない程にトーマスの事ばかり考えていて、こんな時でさえ自分を好きだ言ってくれた彼を放置してトーマスの事を考えている。

最近手を繋いだのはいつだっけ?
ベッド以外でキスをしたのは?
私を好きだと言ってくれたのは?

そんな事を考えていれば無性に悲しくなって眼から涙がこぼれ落ちた。
彼はそんな私に慌ててハンカチを差し出した。

それを握りしめてトーマスに告白された時の事を思いだした。
同じように焦ってハンカチを取り出しそれを優しく目元に当てられた。
私も好きだと伝えればそのまま抱きしめられた。
おそらく最も幸せな瞬間だっただろう。

「恋人がいるって知ってるのに、····ごめん」

そう謝る彼に首を横に振る。
最近ずっと不安に感じていた事が今溢れてしまったにすぎない。
考えまいと蓋をしていた感情が漏れだしてしまっただけだ。

「大丈夫だから··私もごめ·····「おいっ!!!」

そう言おうとしたその時強い力で身体を引っ張られバランスを崩した私はその人の胸に倒れてしまう。

恐る恐る後ろを振り返る。
見なくたってそれが誰かくらいわかる。

「テメェ····俺の女に何しやがった」

トーマスだった。
トーマス泣いている私を見て彼に私が何かしたと勘違いしているようだった。
鋭い眼孔がクラスメイトに突き刺さり彼はそれに怯えて一歩後ろに身体を引いた。

「ち、ちがう···ちがうよ、トーマス、何もされてない」

だから落ち着いてと念を込めて震える手でトーマスの腕を握った。
そんな私を一瞬悲しそうな目で見た後トーマスは私の手を握って教室から連れ出した。

(····トーマスと手を繋いだのいつぶりだろう)

痛い程強く握られた手にそんな事を考えた。
乱暴に握られた手すら愛しい。
私を自分の女だと言って怒りを見せてくれた事に喜びを覚えた。
私はどうしてこんなに彼が好きなのだろう、ごめんなさい、貴方の気持ちに答えられない、そう心の中で先程私を好きだと言ってくれた彼に謝った。

(トーマス、トーマスも私と同じくらい、···私と同じ気持ちでいてくれてるの?)

そう考えれば心がざわついた。
これを私が口にする資格は、勇気はあるのだろうか?


「何があった」

滅多に使われる事のない空き教室に押し込まれた後トーマスは私にそう訊ねた。

「····好きって、告白されただけ、だよ···何もされてない」

トーマスは私の言葉にあからさまに眉間にシワを寄せた。

「···告白されただけ····ねぇ····
まぁいい、ならなんで泣いてた?」

トーマスの何か含みのある言い方が私には恐ろしく感じた。
私が泣いた理由、そんなものは恥ずかしくて惨めで言いようがない。
でもトーマスは逃がさないと言わんばかりに私に強い視線をぶつける。

「俺には言えない、ってか?」

トーマスは私を壁際まで追いやって両手を壁についた。
私を決して逃がさない、というように。

自分の気持ちを伝えるのが怖かった。
それでもトーマスが今私を見てくれていることが嬉しい。
だから私は小さく息を吸って先程抱いた感情をトーマスに伝えた。

「···彼に、さっきのクラスメイトに言われたの、最近私が笑ってないって。
私、大好きなトーマスと一緒にいられて凄く幸せなのに、なのに、なのに···」

トーマスは私の言葉に黙って耳を傾けている。

「彼に告白されて考えたの、トーマスに最後に好きって言ってもらえたの、いつだったっけ、って····」

トーマスから表情が消えていくのが分かる。
それがとても怖い。
それでも私は必死で言葉を絞り出す。

「いつも手繋ぎたいな、って考えてた···えっちした後もキスしたい、家に帰る時や別れる前もしてほしいなって」

恥ずかしい私の想いを言葉にする。
羞恥心でまた泣いてしまいそうになった。

「····トーマスって、まだ····私の事好きなのかな、」

こんな事を、言うつもりなんてなかった言葉を。
全て言い終わる前に私はトーマスに思い切り抱き締められた。
その遠慮なんてない強い力に身体が悲鳴をあげる。
でもそんなことよりもトーマスの大きく早く動く心臓の鼓動が気になって私は何も言えなかった。

「···悪い···全部俺のせい、だった····」

暫く無言のままそうしていた後トーマスは私を抱き締めたままそう言った。

「俺のくだらねぇ見栄のせいで名前を傷付けてた」

見栄とは一体なんの事なのだろうか。
トーマスの顔が見たくて胸を軽く叩けばほんの少しだけ腕の力が弱められた。

そうして見えたトーマスの顔を見ればなんとも言えない表情で私を見下ろしていた。
一体どうしたというのだろうか。

「····今日も俺の家に来てくれるか?
ちゃんと、ちゃんと話す、から」

一体なんの話だらうか。
まさか別れ話だろうか、それを危惧して内心動揺している私の気持ちに気付いたのかトーマスは私を安心させるように優しく頭を撫でた。

「お前の事は絶対に手離さない、だから、頼む···」

すがるような目で私を見つめてそう言った。
そして再び強く握られた手。
私はそれに抗う事なく首を縦に振った。




一度そこで別れて授業を受けた。
授業開始ギリギリに帰ってきた私に隣の席の彼はごめんと一言謝った。
そんな言葉は必要ないと首を横に振れば彼は複雑な表情で笑った。

彼は前に出て先程解いた問題をすらすらと解いている。
そんな光景をぼぅっと見ていた。
その日は1日授業になんて集中することは出来なかった。

時間は驚く程早く過ぎあっという間に放課後となった。
授業終了のチャイムが鳴って5分としないうちにトーマスが私を迎えにやって来た。
朝の事もありトーマスは隣に座る彼に敵意を持った視線を送った。
顔をひきつらせるクラスメイトにさよならを告げてトーマスの背を押して二人で教室から出て帰路についた。
その間やはり二人の間に会話は殆どなかった。
ただしっかりと繋がれた手に心は暖かくなった。





「······」

トーマスの家についてからというもの既に10分以上何も話さずに向かい合って座っている。
トーマスから話をすると言われたので黙って待っていたけれどこれは私から言葉をかけた方がいいのだろうかと不安に思い始めたそんな時トーマスが重い口を開いた。

「·····不安にさせたこと、悪かった」

トーマスがそう言って私に頭を下げた。
唐突な謝罪の言葉にどう返事をしていいものかと悩んでいる間にもトーマスは言葉を続ける。

「····俺、その····色々と、我慢がきかなくて···」

なんの話なのだろうか。
身体を重ねてばかりな事に対する謝罪なのだろうか。
だとしたらそれは杞憂だ。
私はトーマスと抱き合える事自体を嫌だなどと思ったことはない。

「····私トーマスとするの、その、嫌なんて思ってない、よ」

改めてそれを口にすれば羞恥心で顔が熱くなった。
でもトーマスは私の言葉にそうじゃない、と首を左右に振った。

「···お前の事大切だと思ってるし誰よりも好きだ、ただ·····それを言葉にすると、····その度に、名前が凄く感じて、俺の事絞めあげて、キスだってそうで。
それですぐイッちまって名前を満足させてやれてねぇ····終わってからだってそれ以外だって、名前とキスしたらまた抱きたくて抱きたくて仕方なくなって····それで····」

トーマスは耳まで赤く染めてそう言って顔を手で覆った。
はじめて聞かされるトーマスの心情に私の体が一気に熱くなった。

「そ、そんな、時間なんて、別に気にしなくていい、のに····」

私はトーマスに抱かれているだけで幸せなのに、予想外の言葉に混乱してしまった。
私はトーマスが私で感じてくれているなら寧ろ幸せでしかないのにそれを彼は恥だと思っているらしい。
キスも私に無理をさせない為だなんて、トーマスのあまりに突飛な告白に頭が上手く回らなくなった。
それでもトーマスが私を凄く好きでいてくれていることだけははっきりと理解出来た。

「····トーマス、····私今凄く、シたい···」

私から言ったのは多分初めての事だ。
それを口にするのはとても恥ずかしかったけどそれを言葉にしたくなったのだ。

トーマスの手を握れば顔を赤くしたまま私にキスを一つ。
唇から伝わる温かさに心がふわふわと上気した。
そして抱き抱えようとしたトーマスを制止した。

「今日は私が触ってもいい?」

そう訊ねればトーマスは一瞬顔を赤くして頷いた。
トーマスをベッドに座らせてシャツのボタンを一つずつ外していく。
トーマスはその間なにやら落ち着かずそわそわとしていて目線は落ち着きなく泳いでいた。
ボタンを全て外し終えシャツをトーマスの身体から取り去った。
そして中に着ていたTシャツに手をかければトーマスは私が脱がせやすいように腕をあげてくれた。
それは子供が母親に着替えを手伝ってもらっているようで可愛らしく感じた。

「····触るね」

声をかけてトーマスの首筋に唇を這わせればぴくりと反応をしめした。
胸板を撫でながらそうしてトーマスの身体に舌を這わせれば少しずつトーマスの呼吸が乱れていく。

それが嬉しくてもっと見たくて胸の先端に触れれば堪えきれず息を漏らした。

「気持ちいい?」

そこに吸い付けば彼の息が更に上がっていくのを感じた。
私がトーマスに触れられたら気持ちいいのと同じようにトーマスも私に触れられて気持ちいいと思ってくれている事に喜びを覚えた。

何度もそこを舌で刺激していれば硬くなったトーマスのものが視界に入った。
服の上からでも興奮しているということが目に見えて分かるそれに胸が昂った。

「····ちゃんと気持ちいい?」

スラックスの上からそこに触れればトーマスは小さく悲鳴のような声を洩らした。

布越しにしっかりと包みこめばトーマスは私の腕を掴んだ。

「··ちゃんと、直接、触って····」

私はそう言葉にした際の余裕のないトーマスの顔にとんでもなくときめいてしまった。
それがもっと見たくなって私はトーマスの希望通りベルトを緩め下着ごと彼から抜きとった。

勢いよくそこから出たトーマスのものはお腹に付くほどに硬く勃ちあがっている。
床に座れば顔の目の前にトーマスのそれがあった。
トーマスのものをこんなにしっかりと見たのは初めてだった。
それをどうしていいか少し戸惑えばトーマスが私の手をとってそれを握らせた。

「···こうやって、擦ってくれたら、気持ちいいから」

トーマスは私の手ごとそれを上下に擦った。
それに気持ち良さそうにするトーマスの顔を見て私自身まで気持ちよくなっていく感覚におそわれた。

先程トーマスが言った通りにそれを上下に動かしてみた。
トーマスの顔を見れば気持ち良さそうにしていたので安堵した。

そんな顔がもっと見たくなって今度はその先端を口に含んで吸ってみた。

「ばっ!?」

トーマスは私の頭を掴んで私を引き剥がした。
嫌だったのだろうかとトーマスの顔を見るがその顔はなんとも言えない。

「····そ、そんなの、無理しなくていい、から」

そう言いながら顔を真っ赤に染めるトーマスを見てそれが決して嫌だったわけではないことが分かった。

「無理してない···私もトーマスにしたくて、····嫌?」

トーマスは私の言葉に顔を背け何かに悶えている。
今トーマスが何を思っているのか知りたくて私は彼の言葉をじっと待った。
すると彼は大きくため息を一つついて私の方を向いた。

「····名前に攻められてるってだけで興奮してんのに、そんなことされたら、すぐにイきそうなんだよ····」

「え····」

こんなこと言わせるな、というような表情でトーマスは再び私から目を逸らした。

(すごくかわいい····)

そんな風に照れたトーマスがとても新鮮で可愛くて私は彼の言葉を無視して再びそれを口を付けた。
今度は口いっぱい頬張るように。


「ば、お前、人の話をっ!!っ···」

トーマスはそう言いながらも今度は私を突き放しはしなかった。
弱々しく私の髪を握って身震いしている。
なにぶん初めての事だったので正しい方法は分からなかった。
けれどどこかで聞いた知識に頼って精一杯それを舐めまわせばトーマスのものはどくどくと脈打って口から声ともならない声が漏れている。

「きもちいい?」

口に含んだままその訊ねればトーマスは更に腰を震わせる。

「っ、今、しゃべっ、うぁっ、や、やばっ!!」

トーマスのものを力いっぱい吸えば今度こそ彼から強引に引き剥がされ勢いよくトーマスの欲望が噴き出した。
それは頬から首筋にかかりそこを伝って私のシャツを汚した。


「わ、悪いっ!!」

それを見たトーマスは慌てて私にかかった自身の出したそれをティッシュで拭いた。
私は初めて見る彼のそれに胸が大きく鼓動した。

その厭らしい光景に私は思わず膝を擦り付ける。
それを見たトーマスのそこは再びピクリと反応を見せた。

「ト、ーマス····」

私は堪らず立ち上がりトーマスをベッドに押し倒した。
トーマスはそれに驚いた表情を見せつつも腰を抱き寄せた。
私は少し悩んだがそのままトーマスにキスをした。
先程トーマスのものを舐めていたから嫌なのではないかと懸念したがトーマスは黙って私のキスを受け入れてくれた。

気持ちいい、キスなんてもう何度もしているのに今日はそれが特別気持ちの良いものに感じられた。
唇に舌を這わせればトーマスは自ら軽く口を開けてくれた。
なので私はそのまま舌を押し込んだ。
すぐにトーマスの暖かく柔らかい舌にぶつかったので普段彼がしているように私も彼の舌に自身の舌を絡めとった。
それを優しく噛んだり吸ったりすればトーマスは先程と同じように甘い吐息を洩らした。

(どうしてこんなに愛しく感じるんだろう)

夢中になってそれを続けていれば私のそこが更に濡れていく。
そして私と同じようにトーマスのものも再び完全に勃ちあがっている事に気が付いた。
トーマスにも私のそこが触れてもいないのに動けば水音が聞こえてしまいそうな程濡れている事がバレているのだろうか。

(早く欲しい)

そう考えているとそれを察したのかトーマスの手がスカートの中に入りお尻を撫でた。
それだけの事が気持ちよくて背筋がぞくぞくして膝か震えた。
そんな私を見てトーマスは笑みを浮かべながら下着をずりおろした。
そして私のそこにゆっくりと指を奥まで押し入れられた。

「っ、ひ、ああっっ···」

私のそこはぐちゅりと音を立て抵抗することもなく簡単にトーマスの指を飲みこんでいった。
私はその刺激に驚いて彼の舌を噛んでしまった。

「いっっ···」

トーマスがそれに顔をしかめた。
慌てて顔を引き謝罪の言葉を述べようとすればトーマスに後ろ頭を掴まれ引き寄せられて再び唇がぶつかった。

「····気にしなくていい、だから続けてろ」

トーマスはそう言って唇を合わせたまま私の中を指でかき混ぜた。

「んっ、ぅ···んぁ·····」

舌を絡めているせいで歯を食い縛ることも出来なくて声が洩れる。
それが恥ずかしくて私のそこは更に濡れていく。
トーマスの指を咥えこんで離さないと言わんばかりに締め付ける。
それを自覚してしまっている事が恥ずかしくてたまらない。

「····今日は凄いな」

トーマスは指をもう一本押し込んだ。
同時に親指で外の敏感な部分を擦られてその刺激の強さに足の力が入らなくなってついにはトーマスの上に倒れこんでしまった。

「トー、ッマ、ス····もう、大丈夫、だからぁ····」

力の入らない身体をなんとか起こして早くそれが欲しいと訴えトーマスのものを握ればトーマスは苦しそうに表情を歪ませた。

「···入れ、たい···入れて、いい?····」

震える膝に力を入れ背を起こしトーマスのものに私のそこを押しあてた。
トーマスの顔をじっと見つめればそれに同意するように首を縦に振ったので私はゆっくりと腰を落とした。

「あっ···トーマスの、ん····」

私を押し広げてそれが全てが中に入ればその圧迫感さえも気持ち良いものに感じられた。

「····トーマスの、いつもよりおっき、あんっ···や、···きもち、いっ···」

私の身体がその質量に馴染む前にトーマスは下から私を突き上げた。
普段であればこんなに早急にトーマスが動く事はない。
だが今日は容赦なく私の腰を掴んでがつがつと激しく下から突き上げる。

「んあっっ、···と、ますっ!」

私自身もトーマスを気持ちよくしたくてぎこちなくとも必死で腰を動かした。
自分が上になるのは初めてだったのもあり何度も抜けてしまいそうになるも互いに荒々しく腰を振った。

「くっ···は、激しすぎ、っだろ!!」

トーマスが喜んでいてくれている事がその表情から分かる。
嬉しい、幸せだ、それが溢れてどんどん快感は増していく。

「トーマスっ、···すきっ····だいすきぃ···ああっ····」

「っ!俺だって、お前が、お前の事、好きで好きで仕方ねぇ、んだよ!!」

久しぶりにトーマスから聞いたその言葉に胸が大きく高鳴った。
お腹の中がきゅうっと締め付けられた。

「っ、ば、だからっ、出っ····!」

するとその直後トーマスのものがどくんと波打った。
そしてどくどくとと私の中にトーマスの液体が注ぎ込まれていく。

「あっ、ひっ····だ、めぇ······」

その熱いものと震えるそれに私自身もトーマスを追って達してしまった。
今日2度目だというのになみなみと注ぎ込まれるトーマスの欲に身体が喜びで震えあがった。
痙攣のように自分の下腹部が収縮しているのを自覚した。

トーマスが言っていた事が本当だったのだと知りとても幸せな気持ちになった。

怠い身体をなんとか起こして私の中からトーマスのものを抜いた。
トーマスは少しぐったりとした表情で此方を見たが私と目が合えば気まずそうに視線を外した。

「トーマス?····ごめん、嫌、だった?」

視線を逸らされた事にトーマスはしたくなかったのかと思って謝罪を口にすればトーマスは違うと否定した。

「····恥ずかしいんだよ!言葉一つですぐにイっちまって····ダセェだろ···こんなの····」

正直私にはなぜトーマスがこんなことを気にしているのかは分からない。
でもそんなトーマスが可愛らしく見えて更に愛しく感じた。

「····私ね、トーマスとのえっちも勿論大丈夫だけどでもね、トーマスと一緒にいられるだけでも嬉しいの。
だからそんなトーマスに好きって言ってもらえるともっと幸せなの」

好きで好きで仕方ない。
一緒にいられるだけで嬉しいだなんて言ったおいて私はとても欲深い人間だ。
愛の言葉が欲しい、キスがしたい、身体だって重ねたい。

「キスしてもいい?」

トーマスにそう訊ねれば言葉を発する事なく私を抱き寄せてトーマスの方からキスをしてくれた。

嬉しくて幸せで力いっぱいトーマスに抱き付いた。

「大好き、トーマス」

「分かってる···俺の方がずっと···」














翌日学校に出ようと家を出ればそこにトーマスがいた。
私はかなり早い時間に登校しているのでトーマスとは一緒に登校することはないのでそれは今日が初めての事だった。

「トーマス···お、おはよう、どうしたの?」

「俺も今日からこの時間に行く」

トーマスは多くは語らずにそう言って私の手を握って歩き出した。

「····朝早いのしんどくない?」

「問題ねぇよ、電車も混んでねぇし、それに····」

トーマスは立ち止まって私と目線を合わせて気恥ずかしそうに笑った。
その照れた笑顔に胸がときめいた。
それを誤魔化すように私はトーマスに言葉の続きを促した。

「そ、それに?」

「名前と一緒にいられる時間が増えるなら全然苦にならねぇよ」

そう言ってキスを一つ。
トーマスからした事だったのにトーマスは居心地の悪そうな顔をしてすぐに私から視線を逸らした。

「は、早く行くぞ!」

トーマスは私の手を引っ張って足早に歩を進めた。
少し前を行くトーマスの耳が赤く染まっていた事に気が付いて思わず笑みが溢れた。

「ありがとう···トーマス」

「礼なんて言うな」

トーマスは素っ気なくそう言った。
それでも今私の心はとても温かかった。


この日以来トーマスはこちらが恥ずかしくなる程私に言葉と行動で愛を伝えてくれた。
私の教室に来る度に私を好きだと言ってくれたクラスメイトを威嚇していくものだから彼には申し訳なく思ったがそれはトーマスが私を好いているが故の行動であることは明確であった為嬉しく思ってしまった。
そのクラスメイトは私が以前よりずっと幸せそうに見える事を良かったと言ってくれた。
どこまでも優しい彼にはきっと私なんかよりよっぽど素敵な恋人が出来るだろう。

彼がいなければ今こんなにも笑っていられたかは分からない。
心の中で彼に感謝の言葉を呟いた。


貴方のおかげで前よりずっとトーマスの事が大好きです