愛を誓う

いつもいつも名前は俺に意地悪ばかりする。
それが嫌で苦しくて涙が溢れてもう嫌だってなって拒絶しようとして名前の顔を見たらその瞬間俺は不満をぶつけようとしていた気持ちを忘れてしまうんだ。
名前があまりにも優しい顔をしているから。
俺はその瞬間どうしようもない程胸が切なくなって名前が好きで好きで仕方ないって思ってしまう。

固まって動けなくなった瞬間名前は俺をぎゅっと抱き締める。

「よく頑張れたね、えらいね、トーマス」

いいこいいこと俺の頭を撫でながらぎゅってされてしまえばさっきまであんなに苦しかった事なんた忘れてしまう。

「可愛かったね、偉かったね」

ご褒美だと言わんばかりに俺の額や頬、耳朶に鼻先、そして最後に数秒唇に優しい優しいキスをする。

「大好きだよ、トーマス」

そう言ってもう一度俺を強く強く抱き締める。
そうされた頃には俺の涙なんてもうとっくに止まっていて俺も名前に力いっぱい抱き付いて胸に顔を埋めて甘えるんだ。

名前はその後俺が離れるまでずっと抱き締めたまま俺の頭を撫でていてくれる。
それが幸せで堪らなくていつも俺は名前の意地悪を拒むことが出来ずにいた。





「ひゃあっっ、ら、らめぇっ····!」

気が付けば俺は女の名前に腰を掴まれ名前の腰にベルトで固定された偽物の性器で後ろから突かれていた。
その圧迫感にお腹が苦しくてまともに息も出来なくて口を開けていればそこからだらしなく唾液が垂れていく。

我慢しようと思っても漏れてしまう声がみっともなくてそれを必死で我慢しよう唇を噛めば名前は俺の口に自分の指を強引に突っ込んでそれを許さなかった。

「やらぁっ、くる、しいっ!!こわいっ!!」

名前は今日いきなり俺をこうしたわけではない。
何日も何日もかけて俺のそこをほぐしていった。
最初はただただ不快で気持ち悪くて仕方なかったのにそんな事をしながら名前が耳元で何度も何度も俺に甘い言葉を囁き名前のせいで敏感になりすぎておかしくなった胸や性器を刺激するものだから、それに伴うように俺のそこは柔らかくなり名前の指を容易に受け入れる事が出来るようになってしまった。

その頃にはそこをいじられることで不思議な感覚を持つようになっていた。
それを快楽だと理解出来たのは少し経ってからの事だった。
それは正確には間違いかもしれない。
それが快感だと認めたくなかった自分がいたのかもしれない。


「トーマスのここ、気持ちいいって言ってる。
後ろを突かれて勃起出来るなんてトーマスは本当にえっちで可愛いね」

「あああっっ!!??だ、や、···あっっ、もっ、いっっ!!」

後ろを突かれながら名前は俺のモノをゆるゆるとしごいた。
そのあまりの刺激の強さに俺はあっという間に射精してしまった。

それはどくどくと驚く程沢山出た。
名前がなおも腰を振るのをやめないせいで精液が俺の太股にもかかってそれが凄く気持ち悪い。
身体を支えていた腕の力が入らなくなって四つん這いにされていた身体が崩れ落ちた。
それでも名前が腰を掴んでいたからお尻だけを突き上げるようなそんな体勢だった。

それがあまりにも憐れもない姿で恥ずかしくて仕方ないのに俺は普段とは違う射精による倦怠感で動く事が出来ない。
なおも続けられるその行為に俺の意思とは関係なしに萎えたそれが再び硬く熱を帯びていく。

「ひっ、うぅ···名前っ!!や、やら!!こわいっっ!!」

だんだんその快感が恐ろしくなってきて泣きながら振り返って名前を見れば名前は天使のように綺麗な笑顔を見せた。
そして次の瞬間、俺の両手首を掴んで後ろに引っ張り俺の身体を強引に起こし腰を強く打ち付けられた。

「ああああああっっ!!!!???」

下から突き上げられるそれに俺は絶叫した。
痛かったわけではない、それが何かは分からない。
全身に電気のようなものがビリビリと駆け抜けたのだ。

「な、なにっ、なんれっ、ああっっ····!」

頭がおかしくなりそうだった。
認めてしまおう。
気持ちよくて仕方ないんだ。

本来そこは性交をする為になど作られていないのに。
それなのに俺はそこを突かれて狂ったようによがっていて、意味が分からなかった。
理解出来ないからこそそれが恐ろしくて泣いたのだ。

「いっぱい叫んでいいから、怖がらなくていいんだよ?」

名前が俺にかける言声があまりに甘ったるくて、こんなに激しい事を俺にしているのに、と頭がこんがらがった。

「好きだよ、愛してる」

限界まで俺を引っ張り上げて名前は俺を後ろから抱き締める。
耳の中を舌が這いずりまわった。

「っ、もぉっ!!ま、また、いっ···!!」

俺はその後すぐに2度目の射精を迎えてしまった。
叫びすぎて喉は枯れて水分が身体から失われたことで喉がカラカラだった。
今度こそ完全に体から力が抜けてしまった。
そこでようやく名前は俺の中からそれを抜き俺を優しく床に寝かせた。

「頑張ったね、今お水持ってきてあげるから」

俺の頭を一撫でして名前は立ち上がった。
顔すら動かす気力が無くなって目線だけで名前を追った。
今まで様々なプレイをしてきたつもりでいたがそんなものとは比べ物にならない程今日のコレは凄まじかった。

「おまたせ。起きられる?」

まだとてと動けそうになかった俺は床に寝そべったまま首を横に振った。
それさえも気だるいと感じる程疲労困憊していた。

「ちょっとごめんね」

名前は俺を仰向けに寝かせ直した。
そしてペットボトルの水を俺に見せる。
喉渇いてるでしょ?

「····飲、ませ··て」

思った以上に上手く声が出なかった。
名前はわかったとだけ返事をしてペットボトルの蓋を開けて中身を一口、口に含んだ。
そして俺に覆い被さり口移しで少しずつそれを流し込まれた。

(甘い)

疲れていた俺にはそれが甘いもののように感じた。
それは水自体が甘いのか名前の唾液を甘く感じているのは分からない。
徐々に流し込まれるそれを喉を鳴らして飲み込めば名前が俺から離れた。
それが寂しくてつい甘えたくなって名前の手を握った。

「足り、ない」

もっと頂戴と言葉にはせずに名前におねだりすれば先程と同じように水を飲ませてくれた。
何度かそれを繰り返しているうちにやっと喉の渇きによって苦しさすら感じていた喉の不快感が消えた。

「少し休んだらお風呂入らなきゃね」

名前が俺のモノを拭きながらそう言った。
どうやら今日は一緒に入ってくれるらしい。
それが嬉しくて自然と笑っていた。

「怖かった、···何度もそう言ったのに止めてくれなかった」

俺が不満を溢すも名前は顔色を変えない。

「もう二度としたくない?」

名前はやっぱり意地悪ばかり言う。
俺の答えを分かっているくせに、じろりと名前を睨めば愉しげに笑った。

「ごめんね、可愛いトーマスが見てたら止まらなくなっちゃった」

謝る気なんて更々ないくせに。
でも俺もそんな名前に怒る気なんて更々なくて、重い身体をなんとか起こしてそのまま名前に抱き付いた。

「意地悪ばかりしてごめんね?
大好きだよ、トーマス」

ずるい、本当にずるい。
いつもそんな言葉一つで俺を夢中にさせて。
俺の方が絶対に好きなのに。

俺がこんなに変になっちゃったのも全部
名前のせいだ。
そうじゃなきゃおかしい。
痛くて怖いのを気持ちいいだなんて。
そんなことあり得ないんだ。

「···俺の方が好き」

唇を名前の唇に押しあてた。
やっぱりこっちの方がよっぽど気持ちいいと思った。
きっとさっきまでの俺は俺じゃない誰かなんだ、と。

けれど

俺じゃない誰かに名前があんなことするの、やっぱり嫌だ。
だから、あれも俺でいい。

こうして俺は名前に染まっていった。

今の俺は名前から与えられる痛みも恐怖も全て快楽に変えられるようになった。
そんな俺を可愛い可愛いと名前は喜んでくれる。

名前は俺が照れたり嫌がったりするのが大好きだ。
だから本当はしてほしくて堪らないのに敢えてそれを嫌だと拒絶した。
そうすれば名前は心底嬉しそうに俺を見て笑う。

でも名前は俺の事なんてなんでもお見通しだからそこでまた意地悪をして本当に止めてしまうことがある。
でもそんな時俺が素直にごめんなさいを言ってしてほしいってお願いしたら沢山してくれる。

俺はそんな名前を心から愛している