「いい加減懲りろよ」
「····だって」
デートとは程遠いような場所で私達はアルコールを摂取していた。
目の前に座るやたらと男の良い男には到底似合わないような下町感溢れる居酒屋だ。
「あっちが好きだって言ってきたのに」
「それで毎回浮気されて泣きついてくんのはお前だろ」
トーマスの言っている事が正論すぎて私はそれ以上何も言い返せなくなる。
私はいつもそうだった。
誰かに好意を持たれる事が嬉しくて告白されればとりあえず交際してみて気付いたら私の方が相手を好きになっていて尽くしに尽くした結果いつからか相手に重いと煙たがられて終いには徐々に音信不通になるか浮気をされてその関係が終わってしまう。
「好きな人と一緒にいたいって、そんなにダメな事?」
「人によるんだろ。名前とそいつじゃ価値観が違ったんだろうよ」
トーマスはそう言ってグラスの酒を飲みほした。
店員を呼んで次の酒を注文すると私にも何にするか訊ねられたのでトーマスと同じものをお願いした。
「····仕事で最近ストレスが凄くてね、だから好きな人に甘えたかったの」
「へぇ」
トーマスはだらだらと未練たらしく話す私の話を聞いているのかいないのか、適当な相槌を打っている。
なんやかんや私の話を聞いてくれるトーマスはお人好しで優しい人なのだと思う。
「結婚もしたいなぁって。私だってもういい大人だからお付き合いする人には期待しちゃうの」
「まぁそりゃあお前と付き合う男には重いんじゃねぇか」
サラリと口にしたトーマスの言葉にショックを受けた。
そこでやはり私は友人のトーマスにさえそういう女だと思われていたのだという事実にショックを受けてしまった。
自分が都合の良い女だということはなんとなく自覚していたから。
テーブルに先程注文した酒が出された。
私はもやもやした気持ちを下記消すようにそれを一気に流し込んだ。
私が普段飲んでいるものとは違いそれはアルコール度数が高いようで頭がクラクラとした。
「おい、馬鹿!コーラやジュースじゃねぇんだぞ!」
トーマスは慌てた様子で再び店員を呼び水を頼んでくれた。
すぐにそれが差し出され強引にそのグラスを握らされた。
揺らいでいく視界の中それをゆっくりと流し込めばトーマスは安堵の表情を見せた。
それを見て私は悲しくて涙が溢れてきてしまう。
「おい酔っぱらい、こんな場所で泣くな」
トーマスは私の顔にハンカチを推し当てて乱暴に顔を拭いた。
こんな風にされてはメイクが取れてしまうとも思ったがそもそも涙を流してしまった時点でアウトだろう。
もやもやした感情は涙と共に流れおちるかのように言葉にしてしまう。
「今の会社の上司がね、なんていうか、セクハラが凄くて、何故か私が標的にされることが多くてね、皆知ってる。
でも皆とばっちりを受けたくなくて見てみぬふりだったり寧ろ·····」
私が男に色目を使っているのが原因だと陰口を叩いたりする、最後までそれを口にすることは出来なかった。
トーマスにもそう言われてしまうかもしれないと想像して怖くなったからだ。
付き合っていた恋人に一度弱音を漏らしたことがある。
その時そう言われた事があった。
だから私はそれを人に言うのはやめていたのに。
酒の力は怖い、自分の失言を強すぎたそれのせいにして頭を左右にぶんぶんと振って再びトーマスの方を見た。
「ごめん、飲み過ぎちゃったみたい。
そろそろ帰ろっか。愚痴聞いてくれてありがとう、今日は私が払うね」
自分の行動がどれ程自分勝手であるか自覚している。
それでも私は今この場に居続ける勇気がなかった。
トーマスは私が本音を溢せる少ない友人の一人だ。
こんな事で愛想を尽かされたくはない。
そんな思いからだった。
伝票を持ち立ち上がろうとした、その時だった。
「待て」
トーマスが私の手首を掴んだのは。
視線を彼に合わせればそれは明らかに機嫌の悪い顔をしていた。
「お前今すぐその会社やめろ」
「·····は?」
いきなり何を言い出すのだと言う目で彼を見るもそれを言った本人は至って真面目な顔をしていた。
「そ、そんな、····まだ次働く所も決まってない、のに······」
それが簡単に出来ないからこそ私は我慢を続けていた。
自信だってなかった。
気が弱い性格が災いしてか就職活動は難航した。
途中で数えるのをやめた程落とされてきたのだ。
そんな私を雇ってくれた会社を辞めて新たに私が働く場所が見つかるのか不安で仕方なかった。
「別に働かなくていい」
トーマスは大真面目にそう言った。
そんなことが出来れば何よりだが私は実家だってごく一般的な家庭だ。
両親だってもう何年かすれば退職する。
そんな両親に私を養ってもらうことなんて不可能だろう。
「···そんなんじゃ生きていけないよ」
「お前俺が言いたい事わからねぇのか?」
何だと言うのだろうか。
トーマスは私と違ってなんだって自分で決めた事をやり抜ける強い人だ。
私に自らビジネスを展開しろとでも言うのだろうか。
だとしたらそれは絶対に不可能な話だと口を開きかけた瞬間
「俺と結婚しろ」
その言葉に酔いは一瞬で冷めてしまった。
彼の言っていることがわからなくて私は言葉を失った。
そんな私を気にとめることもなく私の手から伝票を抜き取ってそそくさとレジへとむかってしまった。
私はまだ動けずにそこにいた。
「取り敢えず出るから立てよ」
トーマスは私の鞄を持って私を椅子から立たせた。
そして再び腕を掴まれ店の外へと連れ出された。
「タクシー乗るぞ」
そう言うとトーマスはすぐにタクシーを止め私ごと乗り込んだ。
運転手に伝えていた住所は私の家だった。
先程の言葉は何だったのだろうか。
私を慰める為の言葉だったのだろうか。
考えれば考える程分からなくなってきて目が回りそうだった。
そんな私に気がついたのかトーマスは余計な事を考えるな、と頭をくしゃりと撫でた。
暗い車内を他の車のヘッドライトが照らした。
その時見えたトーマスの見たこともないような優しい表情に驚いた。
もう何年も友人でいた筈なのに私はまだ彼を知らなかった。
「えっと·····」
「俺はこのまま大人しく帰るつもりはねぇけど」
「あ····うん」
タクシーが私のマンションに着いた時トーマスも私と一緒に車を降りた。
こんな事は始めてだ。
トーマスは私の部屋に来ようとしたことなんて一度もなかったから。
「あんまり片付いてなくて、ごめん···」
「気にしねぇよ」
私は部屋の鍵を開けトーマスを迎え入れた。
靴をぬいで二人で部屋に入る。
短い廊下にキッチンと風呂とトイレの入り口がある。
扉の先にあるのは一部屋しかなくソファーもないベッドと最低限必要な家具が設置された狭い部屋だ。
取り敢えずベッドに座ってくれて構わないと伝えればトーマスは素直に私の言葉に従った。
「お前は警戒心が無さすぎる」
「えっ、あっ」
トーマスはそう言って私の腕をとって膝に座らせた。
「な、なに?」
「この状況で聞くか?」
トーマスは私の腰に腕を回して抱き締める。
こんなに至近距離で、こんなにも彼に触れた事のない私はとても混乱した。
「今からどうするか、もう分かってるよな?」
トーマスの手が私の頬を撫でた。
私もそれなりに経験を積んできた大人だ。
トーマスがしようとしている事に気がつけない程鈍くはない。
「·······する、の?」
「ああ」
トーマスはごく自然に、当たり前のように私の唇を塞いだ。
それに驚きやらショックやらで心音を刻む音の間隔が早くなり背中を嫌な汗が伝った。
トーマスは私のコートを脱がせていく。
「·····」
考えている事は山程あったのに私はそれを言葉に出来なかった。
それは何故だろうか。
「寒いか?」
トーマスの問いに首を横に振れば彼はそのまま私をベッドに寝かせ自身も上着を脱いで適当に放って私に覆い被さった。
静かな部屋に布が擦れる音とベッドの軋む音が妙に響いた。
「全然抵抗しないんだな」
トーマスは私の頬を撫でそのまま首まで這わせて肩を掴みもう一度私にキスをした。
角度を変え何度も行われるそれに私達が今からセックスをするのだという事を改めて思い知らされた。
鼻先が熱い。
「抵抗しても俺は今日名前を抱く」
トーマスはどうして私を抱きたいのだろうか。
脱がされていく衣類、直に身体に触れる彼の体温に身体は硬直した。
トーマスは私の緊張を溶くかのように優しい優しいキスをしながら。
「っ···」
トーマスの指が胸に触れた。
優しく優しく触れるその手が擽ったくて思わず声が洩れそうになった。
トーマスはそんな私の反応を見ながらやわやわと私の身体をまさぐっていく。
「何も考えなくていい、集中してろ」
トーマスはそう言って私の耳を甘噛みした。
唇から始まり頬、額、鼻先、顎、首筋と順調に唇を這わせていく。
そしてその唇は鎖骨や肩にまで寄せられて胸にまで及んだ。
そこをちゅっと小さな音を立てて吸われたことで私は再び小さな吐息を洩らしてしまう。
「我慢もしなくていい、全部見せろ」
脇腹を撫でながら胸への愛撫を続けるトーマスに私は熱でもあるのではないかというくらい熱くなった。
ほんの数十分前まで友人だった人と私は何をしているのだろうかと。
それとは正反対にトーマスはこんな風に女を抱くのか等と呑気な事を考えていた。
「あっ、だ、だめっ」
そうしている間にトーマスは私のスカートを脱がせてしまった。
ストッキングも丁寧に脱がされてしまいそのまま下着まで一気に脱がされて丸裸になった私をトーマスが上から見下ろした。
「·····綺麗だ、」
トーマスにそんな風に言われた事は初めての事だった。
私はそのストレートな褒め言葉に顔が更に熱くなった。
トーマスは私のそんな焦りなどお構い無しに自分の服を脱いでいく。
初めて見た彼の素肌を直視出来なくて目を逸らせばトーマスが笑った。
「まぁ俺が全部やるから寝ててくれても構わねぇけどな」
「あっ、なっ、なに!?」
トーマスは私の足を広げそこに身体を押し込んだ。
そしてそのまま内腿へとリップ音を立てながら先程と同じように唇を這わせていく。
それは徐々に身体の中心ぎりぎりへと近付いたと思えば今度は反対の太ももへと移動した。
そこを吸われては舐められて、手で胸や腰を刺激されてその優しい刺激に私の腰は崩れそうになっていた。
「ちゃんと感じてるな」
「やっ····」
トーマスは私のソコを指でそっと撫でた。
その感覚で、いや、もっと前から私は自身が興奮している事に気が付いていた。
「美味そうだな」
そんな風に言ってトーマスは私のソコを舌で舐めた。
「っあっっ···!」
柔らかい舌が涌き出た液体を絡めとってトーマスはそれを飲み込んだ。
その行為に私のそこはどくどくと鼓動して更にどろりと液体を溢れさせた。
「お前こんなにやらしかったんだな」
トーマスは音を立てながらソコをすすっては舌で刺激して溢れるそれを再びすすってと繰り返した。
「お、おね、がい···飲まない、で!」
羞恥心と快楽でおかしくなりそうだった私は起き上がってトーマスを引き剥がそうとするもそれは強く押さえつけられた太もものせいで叶わなかった。
「ちゃんと中も触ってやるから心配すんな」
「っ、ちがっ···あぁっっ!」
トーマスの指が私の中を荒らした。
そんな風に言うのは不適切かもしれない。
そう思う程それは丁寧な愛撫だった。
「とろとろで熱くて、早くお前と一つになりたいって俺のものもぱんぱんになってるぜ」
トーマスはそう言って自身の下着をずらし私に見せた。
初めてみた友人の男性器になんだが怖くなった。
それにも関わらず与えられる刺激に私の中はひくひくと痙攣のようなものを続けもっと欲しいと訴えた。
「もっと可愛がってやりたいんだけど、やっぱもうキツイな」
トーマスは私にそういって中に入れていた指を引き抜いた。
その時に出た水音に更に恥ずかしくなった。
「悪いな、」
「トー·····マス······」
宛がわれたそれがゆっくりと私の中に入ってくる。
ぬるぬるのソコは容易に彼を呑みこんでしまった。
全て収まるとトーマスは私を強く抱き締めた。
「あー····やべぇ····久しぶりすぎてすぐイきそう····」
「っ、あっ、ま、まだっ」
トーマスはゆるゆると腰を動かし始めた。
もう完全に私たちは繋がってしまった。
それは彼と何年も築いてきた友情をぶち壊してしまう行為だ。
「すげぇ締め付けっ、お前ほんと可愛い、なぁっ···」
「あっ、···そ、そんなことっ、あぁんっ····!」
トーマスは私を抱きたくてその場限りの口説き文句に結婚しようだなんて言ったのだろうか。
だとしたら原因は私だ。
私の弱さがトーマスを男にしてしまったのだ。
「名前、こっち····」
「んぅっ···!」
トーマスは先程よりも荒いキスをした。
なのにそれが先程よりもずっと気持ちよくて下腹がきゅんきゅんした。
「キスしたら名前のここ、すげぇ締め付けてきやがった。可愛い、本当にお前は可愛い」
「や、めてっ···ひゃあんっ!」
トーマスはそう話しながら私の突起を親指で擦った。
中を擦られ外も刺激され恋人にだってされたことのない優しい愛撫に私はもう限界だった。
「あっ、だ、らめっっ!イ、っちゃう!!」
「イけよ!我慢なんてするな!!」
トーマスは私の気持ちいい所を更に突き付ける。
その刺激に我慢する事等出来る筈もなく私はそのままトーマスにイかされてしまった。
「っ、なん、すげぇ、収縮····悪い、俺もすぐイきそうだから!」
トーマスは肩で息をする私にそう謝って更に腰を打ち付けた。
達したばかりの私はその強すぎる刺激にガクガクと震えながらも必死で耐えた。
「名前、名前!···好きだ····ずっと····!」
トーマスのその言葉に目を見開いた。
トーマスはその言葉通りその直後に達して私も同様に2度目のそれを迎えてしまった。
気だるさと酒を飲んだ事による眠気のせいかその後の事はあまり覚えていない。
「(····今何時だろう)」
朝、目が覚めて最初に考えたのはそれだった。
時計を見ればまだ6時前だった。
仕事へは8時に家を出ればいいからかなり余裕がある時刻に起きられた事にホッとした。
「(····トーマスは、帰ったのかな?)」
ベッドには私一人しかいなかった。
空いていた場所を触ればほんのりシーツが暖かかった。
つい先程まで居たのだろう。
その事実に泣きたくなった。
私達はこれからどうなるのだろうか?
もう会えないのだろうか、それとも所謂セフレという関係になるのだろうか。
それは恋人にフラレてしまった時以上にショックだった。
「·····トーマス····」
「なんだ?」
思わず彼の名前を呟けば玄関に繋がる短い廊下に面している扉が開いた。
トーマスはそこから声をかけた。
「丁度風呂沸いたから入ろうぜ」
困惑する私をお構い無しにトーマスは笑ってそう言った。
動けない私に首を傾げながらも近付いて腕をとって立ち上がらせた。
「ほら、万歳しろ」
「え、あっ、!」
トーマスは子供の着替えを手伝うかのように私の服を脱がせた。
あの後すぐに眠ってしまって記憶はないがこれは彼が着せてくれたものなのだろうか。
私の服を脱がせた後トーマスも自分の服を脱ぎ始めた。
「え、あっ····い、一緒に、入る、の?」
「当然だろ」
トーマスはなんの躊躇もなく身に付けていた衣類を脱ぎ捨てて私を浴室へと押し込んだ。
浴槽につかるよう促されて私はどうしていいか悩みつつもそこに浸かった。
トーマスも同じようにそこに入ってきたので咄嗟に背を向ければ後ろからトーマスに抱き締められた。
「せ、····せまくて、ご、ごめん····」
私が軽く足を曲げて入れるそこは二人で入るには窮屈だった。
身体がぴったりとくっついていてお尻にはトーマスのそれが当たっていて恥ずかしくてたまらなかった。
「こうやってくっついてるのも悪くねぇし、····それより落ち着けよ、そんなんじゃ倒れるぞ」
トーマスはそう言って私の背中にキスをした。
落ち着けと言うのであればそんなことをしないでほしい。
「お前今日も仕事だろ?なら今日にでも言ってこいよ、仕事辞めるって」
「えっ····ほ、本気、だったの?」
トーマスの言葉に驚いて後ろを振り返れば私の言葉にトーマスは眉間にシワを寄せた。
「お前·······まぁいい、いいか?俺はなぁ、別に名前が幸せなら別に誰といたって良かったんだ。
なのに当のお前ときたらいつもろくでもない男にばかり引っ掛かりやがる。
俺の事は見向きもしないでな」
「いっ!」
トーマスはそう言い終えると私の肩に歯を立てた。
思い切り噛まれたようで瞬間的ではあるがかなり痛みを感じた。
「それにお前の恋人ならともかくなんの関係もないどこの誰かも知らないオッサンがお前の身体に触れているだなんて許せねぇんだよ。
クソッ、本当だったら二度と外を歩けないように丁重なファンサービスをしてやるところだ」
トーマスの眉間には先程よりも深いシワが刻まれていく。
「おい、聞いてんのか?つまり俺は名前が好きだから俺以外の野郎に触らせるなって言ってんだ」
「そっ····え?あっ、えぇ?」
トーマスの突然の言葉に私はまたも言葉を失ってしまう。
そんな私を見てトーマスはため息をついて続けた。
「·····お前が弱ってる時にこんな形でお前を抱いたことを悪いとは思っている。
けど俺は本当に名前を愛しているし守りたいと思ってる。
今すぐに気持ちの整理をつけることは難しいかもしれないけど俺は名前を惚れさせてみせるしそうでなくたってちゃんと責任を取る。
だから取り敢えず仕事はやめろ、いいな?」
私の気持ちなんてお構い無しにトーマスは言う。
なぜこんな私を好きになんてなってくれたのだろうか。
トーマスは私の駄目な所を散々見ているというのに。
「····せめて否定でもいいからなんか言えよ。まぁ拒否なんてさせねぇけど」
優しい、優しすぎる。
私がこんな風に思ってしまうのはやはり流されやすい性格が原因なのだろうか。
それでも、私の事を全部知った上でこう言ってくれるトーマスに期待しても良いのだろうか?
「私、その、沢山くっついてるのが、好きで」
「知ってる」
「好きな人の事何でもしたいってなっちゃって母親みたいって言われちゃうし」
「あ〜、俺物心ついた頃には母親いねぇから母親ってのがどんなもんなのか教えてくれよ」
「····その、····えっち、いっぱい触れ合えるから、好きで、しつこいって怒られるし·····」
「·····あーお前が他の男にそうだったのすげぇムカつくけど、俺に対してなら大歓迎だから遠慮すんな、寧ろガンガン来てくれ」
「···いってらっしゃいのキスしてもいい?」
「一々聞くような事なのかよ?俺からするから気にしなくていい」
「······」
「なんだって聞いてやるよ。なんだって受け入れる。だから俺と一緒にいろ」
ここで頷いてしまったら私はトーマスを利用しているにすぎないのだろうか?
優しくしてくれるトーマスを逃げる手段として利用しているにすぎないのだろうか。
傾いてしまいたくなる私を私の心が拒んだ。
そう思うのは私にとってトーマスが特別な人だからだという事は分かっている。
だがその特別がどう特別なのかということが重要なのだ。
「·····おい、お前がそんな目で見るから·····」
「え?····あっ····」
トーマスのソコは昨晩同様に大きくなっていた。
あわてて視線を剃らした。
そんな目とは一体どんな目をしていたのだろうか。
「····まぁいい、この分じゃそう時間はかからねぇだろ。お前が覚悟決めるまでは抱かねぇでいてやるよ」
「···私がトーマスと結婚するのは確定なの?」
「当然だろ?それは何があろうと決定事項だ」
自信満々でそういうトーマスに私はなんだか力が抜けてしまった。
「取り敢えず準備もあるだろうしシャワー済まして上がるか」
「···うん」
きっと私はすぐにトーマスを好きになってしまうのだと思う。
それはやはり私が流されやすいからなのかもしれない。
それでもきっと将来私はこの日があったのだからそんな私の狡い性格も悪くはなかったと思う日が訪れるのだろう