月明かりに照らされて

その日なんだか妙に寝苦しくて目が覚めた。
カーテンから洩れるのは月明かり、時計を確認するまでもなく起床時刻までまだ余裕がある事がわかる。

回らない頭でも理解出来たその原因。
自身のお腹にしっかりと回された腕。

少しだけその腕を弛めて後ろを振り返る。
そこにはやはりトーマスの姿があった。
私の家に置いていた部屋着を着て私を抱き枕にして眠っている。

「(ここで眠っているということは明日はオフということかな)」

1週間前に会った時にうっすらと出来ていた彼の目の下の隈を思い出す。
暗闇の中でその隈はどうなったか確認は出来ないけれど彼の眠りの深さから彼がいかに疲れているかということが目に見えてわかる。

「(お疲れ様)」

そう心の中で伝えて髪を撫でれば猫のように身体をよじらせた。
それが可愛くて更に撫でれば私の手をしっかりと握られた。

「····ご、ごめん、起こしちゃった?」

私の手を掴んだのは勿論目の前の彼だ。
先程まで閉じられていた目はしっかりと開いていた。

「お前がこっち向いた時に起きた」

「う、ご、ごめん」

完全に私の不注意で彼の眠りを妨げてしまった。
深く眠っているように見えたのはそれだけ彼が疲れているように見えたからであろう。
トーマスの家族に負けないくらい彼の身を案じているつもりなのにその彼の休息を邪魔してしまった、と自分の失態に凹んだ。

「お前今どうせくだらねぇこと考えてんだろ」

私の考えている事を読み取ったのかトーマスは呆れながらそう言った。
私にとってはまったくもってくだらないことではないのだがここで反論した所でまた彼に余計なエネルギーを使わせる事になると思いなんとか言葉を呑み込んだ。

「と、とりあえず、ごめん。
今日はお休みなんだよね?ゆっくり寝ててね。」

今の彼に必要なものは何より睡眠だ。
なんやかんやトーマスは優しい。
だから久しぶりの休みであっても1日中寝ている事もしないで朝を少し過ぎれば起きて私の為に時間を作ってくれる。
最初は負担をかけている事が心苦しくて休んでほしいと何度も言ったがそれが逆に喧嘩のきっかけになってしまった。

折角の二人で過ごせる休日にそれは寂しいと思い彼の意思を尊重することにしたのだ。
いつだって私は貰ってばかりだと落ち込みもした。
でもそんな優しすぎる彼が愛しくて仕方ない。

「お前はどこ行こうとしてんだ?」

トーマスは起き上がろうとする私の手を取って引き留める。
寝返り程度に動いただけで眠りを妨げてしまったことに罪悪感を感じたので今日はもう私は起きてしまおうとしていたのだ。

「や、ゆっくり寝てもらおうかな、って」

正直にそう答えればトーマスは眉間にシワを寄せあからさまにため息をついた。

「余計な事考えてんじゃねぇよ。
お前はここにいろ。」

掴んだ手を引っ張り私を腕の中に閉じ込めた。

「でも、それじゃあトーマスが」

眠れないんじゃ、と続けようとした私の口をトーマスは自身の唇で塞いでしまった。

「何度も言わせんな。
いいから大人しくしてろ。」

トーマスのこういう所は狡いと思う。
彼は見た目の良さを自覚しているしその使い方を知っている。
こんな風に真っ直ぐ見つめられたら私が意地を通すことなんて出来なくなることを知っているのだ。

そんなトーマスに今度は私がため息をつけばトーマスの喉が震える振動が伝わってきた。

「大人しくしてられねぇってなら今すぐ抱いてやろうか?」

トーマスの手が私の着ているパジャマの裾から手が侵入して腰を撫でた。
それに対してなんとも色気のない声が出てそれにトーマスはまた笑った。
どうやら私はからかわれたらしい。

「安心しろよ。
どっちにしても起きたらいっぱい抱いてやるから」

恐ろしい程甘い声でそう言ってもう一度私にキスをした。
トーマスが私を見る眼が本当に愛しいものを見ている眼をしていてそれがあまりにも幸福で胸が熱くなって心臓の音が大きく脈打った。

「·····お前、あんま煽ってくんなよ」

「、だって」

トーマスに言われなくても自覚している。
私は今きっとトーマスを求めている、そんな顔をしているのだろう。
いけないとは分かっていながらもあまりにもトーマスが挑発するから。
私だって会えない時間が全く苦痛でないというわけではないのだ。

「お前のせいだぞ」

そう言ってトーマスが私の太ももに硬くなったものを押し当ててきた。
同じ気持ちなのは嬉しい。
でもトーマスの身体の事を考えると今は寝たほうがいいのは分かりきっている。

「責任とってもらうからな」

否定の言葉を口にする前に唇を塞がれる。
優しく唇を甘噛みしては吸いついて唇の柔らかさを味わうように何度も小さなリップ音を立ててそれを繰り返す。
トーマスの舌が割って入ろうとするのを拒む事が出来ずにあっさりと口を開けてしまった。
その隙間から侵入してきた舌に私の舌が絡めとられた。
湿った生暖かい感触にぞくりとして久しぶりのその刺激に無意識で逃げそうと腰が引けたが逆にトーマスに強く腰を引き寄せられて口内を荒らされる。

太ももに触れているそれは先程よりも硬さを増したように思う。
ねっとりと絡み合う舌、間から洩れる二人の吐息、逃がさないと私を強く抱き締める腕。
その熱に頭がクラクラした。

開かれた口からだらしなく溢れたどちらのものとも言えない唾液をトーマスはシーツに溢れる前に舐めとった。
そしてそのまま私の頬にチュッと可愛らしく音を立てながらキスを繰り返したかと思えばまるで犬のようにべろりと私の頬を舐めあげた。

それが擽ったくて笑いを溢せばトーマスは何度も私の顔を舐めながら瞼や鼻先に沢山キスをくれた。
嬉しくて可愛くて思わずトーマスの頭を撫でれば彼は少し意地の悪い笑顔を見せた。

「随分と余裕だな」

スッとパジャマの中に手を入れて私のわき腹を撫でた。
それにびくりと反応した私にトーマスは機嫌の良い笑顔を見せる。

「相変わらず良いリアクションしてくれるじゃねぇか」

トーマスは私のパジャマのボタンを一つずつ外していく。
久しぶりのそれに私の心臓は緊張して大きく音を立てる。
寝る際に今日はブラを着けていなかったので全て外し終えられてはだけられたそこにもう私を隠すものは存在しなかった。
トーマスは焦らすようきわき腹を擦り、ゆっくりのその手を上に滑らせ胸を触れた。

「っ、」

トーマスの指が敏感な部分を掠めた時思わず息が洩れそうになるのをぐっと我慢した。
それが気に入らなかったトーマスはそこを摘まんでは弾いて転がして指先で遊んだ。
右手でそうやって刺激を続けながら片側の胸の先端を口に含んだ。

「あっ....トーマス、」

生暖かい舌でそこを転がされ、柔らかく包んだかと思えば硬くそこを刺激され甘噛みしたかと思えば赤ん坊のように吸われて、既に硬くなっていたそこが痛い程硬くなっていことを自覚する。
居たたまれなくなってトーマスの頭を抱き抱えた。

「そんなに俺に触られて嬉しいのか?」

片手は胸への刺激を与えながら再び私の唇に噛みついた。
今度は首に腕を回して私からも舌を絡めた。

「積極的になったもんだなぁ」

トーマスが膝を私の股に押し付けた。
それによって既に湿った私の下着が押し付けられて一気に羞恥心が湧いてきた。

「俺にキスされた時から濡れてたんだろ?」

ズボンの中に手を入れられ下着の上から指で割れ目を押されればそこはぐちゅりと音を立てた。
トーマスはその音を聞いてニヤリと笑う。

「その時から腰が揺れてたぜ?」

ぐりぐりとそこを刺激されればますますそこから液体が溢れていく音が聞こえる。
トーマスは一度手を止め、下着ごとズボンを抜き取り私を丸裸にした。
そしてトーマス自身も着ていた衣類を脱ぎすてて裸になり私の足と足の間に身体をねじ込んだ。

カーテンから射し込む月の明かりが彼を照らした。
暗闇に慣れてしまった眼ははっきりと彼の姿を捕らえる。
美しい姿だった。

「やっぱりお前は何より綺麗だ、名前」

トーマスのストレートな言葉にドキリとした。
私に彼がはっきりと見えているように彼には私の姿がはっきりと見えているのだ。
そう言って私の身体を滑らせた手は本当に優しかった。

「やらしい所も最高だけどな」

私の足を大きく広げるとそのまま私のソコに顔を埋めた。
咄嗟に逃げようとするもがっしりと細い身体に見会わない力で押さえつけられてなんなくそれは失敗に終わる。

遠慮なしにトーマスは私のそこに舌押し入れ中をかき回した。
それによって溢れだした液体をじゅるじゅると音を立て吸ってはそれを呑み込んだ。

「っ、トー、マス...だめっ....」

力の入らない腕で彼の頭を押し退けようとするもそれはあまりにも微かな抵抗で寧ろ彼にされていることに喜んでもっと、と言っているようにさえ思える。

「こんなに気持ち良さそうなのに名前はやめてほしいのか?」

舌を引っ込めて今度はより敏感な突起部分にちゅうっと吸いついた。

「ああっっ....だ、だめっ....」

久しぶりに与えられた甘い刺激に私の身体はがくがくと震えた。
下腹部の感覚がしっかりと自覚できまたどくりとソコが濡れていくのを感じた。
そうするとまたトーマスはそこから溢れるそれを音を立てて啜る。

「一回イっとくか?」

びしょびしょになったソコは彼の指をなんなく飲み込んだ。
中をぐちょぐちょとかき回されれば私のソコは伸縮を繰り返す、彼の指を逃がさないとばかりに。

「あっ....いや、だっ」

正直な所直ぐにでも達してしまいそうだった。
でも私はトーマスのモノでイきたくて慌てて彼の胸を押した。

「....お願い、」

トーマスの顔をじっと見つめるもトーマスは動こうとしない。
理由なんて分かっている、彼は私の言葉を待っているのだ。
言うまでもなく私の気持ちなんて分かっているくせに。

「....トーマスが、欲しいの」

既に完全に硬くなっているトーマスのソコに触れれば彼はぴくりと反応を示した。
早く一つになりたくて刺激するようにソコを擦ればトーマスは更に熱を帯びた眼を私に向ける。

「そんなに俺のが欲しいんだな?」

トーマスは私の割れ目に先端を擦りつける。
それがぐちょりぐちょりと音を立て突起も掠める。

「やぁっ...だめ、はやくっ...!」

これ以上そこに刺激を与えられたらそれだけで達してしまいそうだった。
だから早く入れて欲しい、と言わんばかりに首に抱き付いてキスをした。

「っ、ったくお前は本当に煽り上手だなぁっ!」

トーマスの性器が私のソコに押し込まれた。
久しぶりのそれに私のソコは痺れるような感覚を覚えた。

「やべぇ、なんだこれ、すっげぇぬるぬるで暖かくて、俺のをぎゅうぎゅう締め付けてくる」

トーマスは我慢が出来ないと言わんばかりに動き始める。
それに私のソコは喜ぶように収縮を繰り返し身体は快感に震える。

「あぁっ..トーマスっ、気持ち、いいっっ」

トーマスが動く度に私のソコはぐちゅぐちゅ音を鳴らし肌がぶつかる音がパンパンと鳴り響く。
その厭らしさに益々快感は増していく。

「お前、....もっと優しくしてやろうと思ってたのによぉ」

トーマスはそう言って先程よりも早く腰を打ち付けた。
気持ちいい、と彼の顔が語っている。
荒々しいキスを繰り返しながらそれと同じく激しく打ち付けられるそこに私は限界を迎える。

「あっあぁっ!!トーマスッッ!!!」

ガクガクと震えながら達する私を追うように彼も私の中にどくどくと欲をぶちまけた。
その久しぶりの感覚にまた私は感じてしまいすぐに続けて二度も達してしまった。

「っ、俺の精液でまたイクとかお前どんだけやらしいんだよ」

私自身予想だにしなかったその事態を口にされ穴があるなら入りたい程に恥ずかしくなった。

「まぁ俺はそんなエロいお前が好きだけど」

そう言うと私の中で再び彼のソコが硬くなっていく。

「え、...ト、トーマス?」

トーマスはニヤリと笑って私の内股にキスをした。

「言っただろ?次は寝させないって」



その言葉一つでまた私のソコはきゅんと彼を締め付けてしまいそれによって理性の飛んだトーマスに刺激され、結局私はその日トーマスを休ませなければ、という使命感など忘れて何度も何度も情事に耽ってしまったのだった。