おかしな日常

その日は気候もよく実に穏やかな空気が流れていた。
窓から入る風が心地よくて昼寝でもしてしまいたくなる程に。

だがその穏やかな空間はある一言で容易に破壊される。

「トーマス」

「ん?」

デッキ調整を行っていた俺の隣で本を読んでいた名前が俺に声をかけた。
調整に少し悩んでいたのもあって顔は見ずに返事をした。
だが次に名前が発した言葉に動揺して俺は手に持っていたカードを落としてしまう。

「えっちな風にはしないからここ舐めてていい?」

そう言って俺の股関を撫でたのだ。

ぱらぱらと手から落ちたカードを名前は慌てて拾い俺に手渡した。
だか俺はそれどころではない。
名前は一体何を言っているのだろうか、えっちな風にはしないから俺のモノは舐めさせろ?わけがわからない。

「さっきから凄く舐めたくてね、我慢出来なくなっちゃったの。
トーマスは好きにしていていいから」

名前は至って真面目な顔で馬鹿げた事を言っている。

「········お願い、出来るだけ感じさせないように頑張るから」

名前は分かっているのだろうか、俺はとっくにその言葉に興奮して感じていることに。
正解がまるでわからない、だが俺は名前のおねだりに弱い。

どんなにおかしなおねだりもそう簡単に拒否など出来る筈がないのだ。

「····好きにしてくれて、構わない」

「ありがとう!」

名前は嬉しそうに笑う。
なぜそれがそんなに嬉しいのか俺には理解出来そうにない。
名前はそそくさと床に座って俺の足の間に潜りこんでズボンの中からそれを取り出した。
興奮して完全に勃ちあがっているそれを。

名前はそこに柔らかな舌を這わせる。
全体を包み込むことはせずに愛でるようにそこにキスをしていく。
俺のモノに愛しそうに角度を変え唇を寄せている。
必死でそれを見ないようにしてデッキ調整を続けようとするも全く集中出来ない、何も考えられなくなっていた。

何がえっちな風にはしないからだ。
そんな事が出来る筈がないだろう。

俺はもう諦めてカードを机に置いた。
それに気付いた名前がこちらを見て笑った。

「終わったの?」

ちゅっと先に吸い付きながらそう聞いた。
きっと俺は一生名前に振り回されるのだろうなと改めて思った。

「終わったから、えろい風にしてくれ」

なんて頭の悪いお願いだろうか。
最近どんどん自分が馬鹿になっていくように感じる。

「今日は本当に舐めたかっただけよ?」

だが名前はこうだ。
てっきり構ってもらえず寂しい思いをしてこんな事を始めたのだと思っていた俺の予想を大きく覆した。
今も舌先でぺろぺろと俺のモノを舐めている。

というかチンコ舐めてるのにえろくないってなんなんだよ!
そんな事不可能だろう!?

そんな当たり前の正論もきっと名前には通じない。
こんな事をしていてもくしゃりと頭を撫でれば嬉しそうに笑う。
そのなんの穢れも知らないような笑顔と目の前で行われている淫らな光景の高低差に頭がくらくらした。

「····俺がシてほしいから、····頼む」

名前は俺のおねだりに悩む素振りを見せる。
今日は本当にそういう気分ではないとでも言われるのだろうか。
いや、どういう気分だと盛大にツッコミたい気分だが相手は名前だ。
この場において常識などなんの意味も持たない。

「えっちな風にしちゃったら私もえっちな気分になっちゃうけど、それでもいい?」

もうとっくにそうなっているだろうという言葉を飲み込んで首を縦に振る。

「っわかってるから、早く、····早くしてくれ」

念を押す名前に早くと急かせば分かったと笑って俺のモノを口内に含んだ。
一気にあたたかいモノに包まれねっとりと舐めあげられたことにより俺はそのあまりの気持ち良さに身震いした。


そんな俺を見れば名前のスイッチは簡単に入る。

取り敢えず一度フェラでイかせてもらおうと思っていたこの時の俺は数分後自分が吐き出したそれを再び自分の中に流し込まれる事を知るよしもない。