甘いお菓子を

「名前、お前の好きなケーキ買ってきたぞ。お茶にしよう」

トーマス兄様は私にひたすら甘い。
二人きりのお茶の時間にはいつも私の大好きなお菓子とお気に入り紅茶を用意してくれる。
ミハエル兄様の淹れる紅茶も勿論大好きだけど私は兄様の淹れた紅茶が一番好きだ。

「ほら、俺の分の苺も食っていい」

そう言って兄様は自分のケーキに乗っている苺をフォークで刺して私の口元に差し出した。
それを素直に食べれば兄様は本当に嬉しそうに笑うのだ。

兄様だって甘いものが好きだから食べたい筈なのに、それでも私に差し出してしまう。
でもその笑顔が見たくて私はそれを受け取ってしまう。

自分の分のケーキを口に運ぶ、何度も食べていてもそれはやはり美味しい。

「クリームが付いてる」

トーマス兄様はそう言うと私の唇のぎりぎり外に唇は近付け自身の舌でそれを舐めとった。

兄様は今自分がどんな顔をしているのか分かっているのだろうか。

お茶を終え食器を片付けた後兄様は私を抱き抱えるように膝の間に座らせる。
私も黙ってそこにいる。
私の匂いを嗅いでいるのに気付いているから少し恥ずかしい。

「名前の好きな店の新作が出るから来週は服を買いに行こう」

正確には兄様の好きなブランドのものだ。
私も勿論嫌いではないがそれを着た時の兄様の反応が本当に嬉しそうだったので私はその店の服ばかり着るようになった。
兄様は私を着せ替え人形のようにして楽しんだ。
そんな時間は私にとっても幸福な時間だった。

14歳になり下着もそろそろきちんとしたものが必要になると考え始めた。
母親も姉もいない私はどうすべきかと悩んだ。
トーマス兄様はそれに気が付いていたのか私を下着屋さんに連れて行った。

そこで兄様の手で裸の状態で胸を測られたのはとても恥ずかしかった。
兄様は何事もないような顔をして私の身体に合った下着を私に着せた。

白を貴重としているそれは繊細な刺繍がいかにも高級なのだと主張していた。
兄様は私の恥じらいなど気にも止めずに下着の中に手を入れて胸の位置を調整する。
私は黙ってされるがままになっていた。

鏡越しに見る兄様はとても楽しそうにしていた。

「似合ってる、お前は母さん似だから多分大きくなるから身体に合った下着を付けるんだぞ」

サイズが変わったらまた俺がきちんとしたものを買ってやるから、そう言って色とりどりの下着を私に着せた。

髪は兄様の好きなヘアアレンジを施され爪は兄様が丁寧に磨いた。
ふんわりと甘い香りがするボディクリームは兄様の好きなメーカーでシャンプーも勿論そう。
そして下着と服までも。
私は全身に兄様の愛情の鎧を纏っているようなものだった。

「今日はミハエルは遊馬の家に泊まるし父さんも兄貴も研究所に泊まりになるらしい。
だから名前の好きなものなんでも作ってやるからな」

こうして私は胃袋の中までを兄様の愛情に支配されていく。
私の身体は兄様の愛情でどんどん大人へと変化していく。

やはり兄様はとても幸せそうだ。





「っ、に、ぃさま····」

いつもこうだ。
優しいトーマス兄様は夜二人きりの日、私に一緒にお風呂に入ろうと誘う。
私がそれを承諾すると兄様は丁寧に私の服を脱がせ浴槽につからせると私を後ろから隙間なく身体を密着させるように抱きしめる。
そして探るように私の身体をまさぐるのだ。

何故そんなに触るのかと訊ねれば大切な私の身体に不調がないか、心配なのだと答える。
そんな風に言われてしまえば私はもう何も言えない。

「ひっ····く、すぐったいよ、兄様····」

「少し我慢してろ」

恐ろしい程優しく耳元で囁かれる甘く低い声に兄様が自分とは違う男性だということを主張していて、それに何か得体のしれない恐怖を覚え身体がぞくぞくと身震いをおこしてしまう。

「あっ」

最近膨らんできた胸をやわやわと撫でられた時、その指先が胸の先端に触れた事で思わず声がもれてしまった。
兄様は一瞬それに動きをとめた後そこを優しく摘まんだ。

「お前も大人になってきたんだなぁ」

こねるようにそこを触られて身体がびくびくと震える。

「にぃ、さま」

振り向けば私の身体に触れる度に兄様の目がギラギラと妖しく輝いていくことに気が付いている。
耳にあたる息が荒くなっていく。

「····キスしてほしい、です」

「········ああ」

私がそうおねだりすればトーマス兄様はキスをくれる。
厭らしい手つきとはうってかわってそのキスだけが不自然に可愛いらしいものだった。

でもキス一つで兄様のソコが硬くなることを知っている。
だからいつも一緒にお風呂に入る度にそれをおねだりしていた。

ねぇ、兄様と同じように私の中が熱く脈打っていることを知ったら、貴方はどう思いますか?

「····兄様に触られるのすき、です」

だからもっと、もっと私に触れて。

そう続ければ兄様は何かを必死で我慢するような顔をした後曖昧に笑う。



我慢なんてしなくていいよ、そう言ってしまえば私達兄妹はどうなってしまうのだろうか?

そんな事を考えながら今日も優しい兄様の腕の中で私は溺れていく