誰にも見せたくない
「少し日に焼けましたか?」
「あ、うん、日焼け止め塗ってたんだけど完全には防げなくって」
夏休み合宿に行っていた帰りうちに寄ってくれた彼はそう言って私の頬に触れた。
夏休みとは言え部活が休みの日は殆どない。
明日からは学校での練習の予定がみっちりと詰まっている。
「どこかお出かけしていたんですか?」
「うん、クラスの友達と海に行ったんだー」
「...海、ですか...」
彼は一瞬固まって聞き返した。
無言でじっと私を見つめたかと思うと着ていたブラウスのボタンに手を掛けた。
「えっ、ちょっと、何?」
「ちょっと確認したいだけなので大人しくしていてください」
彼の手を振り払おうとしたけれどそんな私を気にする事もなく彼はボタンを3つ外した。
そして首筋に手をあてその手を肩まで払って服をはだけさせ、下着の肩紐に指を掛けた。
「そ、そんないきなり...」
「...水着、着たんですか?」
会っていきなりその気になってしまったのだろうかと慌てる私を気にする様子もなく彼はそう訊ねた。
「そりやぁ...海に行ったんだから...」
「どんな水着を着たんですか?」
「どんなって...こういうの?」
彼に携帯の画像フォルダを開いて海で遊んだ時撮った写真を彼に見せた。
するとそれを見て彼は眉間に皺を寄せる。
「こんな格好で人前に出たんですか」
「こんなって...いや水着なんてみんな同じようなもんじゃない?」
そういう話じゃないです、と言って彼は残りのボタンも全て外してしまった。
「この水着僕まだ見ていないので着てください」
「えっ...こ、ここで?」
「はい」
自分で選んだ水着だから当然自分好みの水着だ。
けれど当たり前の話だが水着とは水に入る場所で着るもの。
例えば今外を水着で歩いたりなどしたら間違いなくすれ違う人に一体なんだ、という視線を向けられるだろう。
それは家だろうと変わらない筈だ。
「あの、いや、なんというかさぁ」
「僕に見せられないような格好をして貴方は外に出たんですか」
「いや...はい、わかりましたので...取り敢えず向こうを見ててくれる」
「...わかりました」
折れそうにない彼に何かを言ったところで私が彼に勝てることはないと諦めた私はそう言った。
彼は渋々といった様子で私に背を向けた。
既に何度も彼に肌を見せたことはあるけれどあえて見せる為に着替える、なんてことはしたことがない。
普通に服を脱ぐより恥ずかしく感じるのは私だけだろうか。
ましてや普段より露出の高い格好だ。
海でそれを着た時はそれが当たり前だったから何も考えずに着ていたのだけれど。
「早くしてください」
「ちょ、ちょっと待ってて!」
動こうとしない私に彼は催促の言葉を口にした。
あまり時間をかけては下手をすれば強引に着替えさせられそうだと予想した私は恥じらいを捨て慌てて着替えた。
複雑なものではない、至ってシンプルな水着だ。
下着を身につけるのと工程は変わらない。
じきに着替え終わってしまった。
「...着替えたよ」
彼にそれを伝えるとすぐに振り返って私の姿をじっと見つめた。
そしてため息を一つ。
「貴方、こんな格好を人に見せたんですか。
しかも僕より先に...」
「こんなって、っひゃあっ!」
私を軽く睨みながら彼は私の脇腹を撫でた。
「ここと焼けてるってことは上着なんかを羽織っていたわけではないですよね?」
「ちょっ、いや、まぁそうだけど!」
彼は私の身体をぺたぺたと触り始めた。
あまりにも遠慮なく触るものだからくすぐったくて仕方ない。
「こんなの下着と何が違うんですか」
彼は水着の下半身部分に指をかけて引っ張った。
やはりそこにも日焼けあとがわりとしっかりと残ってしまっている。
「そんなこと言ったら男の人の水着なんてみんなパンツってことになっちゃうでしょう!」
「男の水着なんて誰も見てませんよ」
彼はそう言って私を思い切り抱きしめた。
室内で私だけがこんな格好をして、普通だとはいいながらもこの状況ではやはり羞恥心は増していく。
肩に、背中にダイレクトに彼の体温が伝わって。
それがやけに熱く感じてしまって。
恥ずかしくなって彼の胸を押してみたけれど私の力ではびくともしなかった。
「っ!」
そんな時彼は私の首筋をべろりと舐めた。
「な、なにしてっ...!」
そしてそのままそこに吸い付いた。
跡をつけられたのだと気が付いたところで再び彼を引き剥がそうとしたけれど先程以上に強い力で私を抱きしめ角度を変えて何度も跡をつけていく。
「知っているでしょう」
ビキニの上部分んずり上げて露わになった胸元にも同じように唇を這わせて吸って。
「僕が嫉妬深いの」
「〜っ...!!」
そして胸の頂に彼は歯を立てた。
「硬くなってません?ここ」
甘噛みというには少し強すぎる、けれど騒ぐ程ではない。
噛んだところを下で舐めて吸って。
ふらつきそうになったところで彼はベッドに腰をかけ私を膝の上で向かい合わせになるよう座らせた。
「...この体勢、恥ずかしいんだけど...」
「別にいいじゃないですか。
恋人同士なら普通のことでしょう」
彼の言い方にはあきらかな棘があった。
別に男の子と遊んだわけでもない、声をかけられたりもしていないのに。
ここまで怒られるのも理不尽ではないかと不満も湧いてくる。
「こっちに集中してください」
「いたっ...!」
彼は私がそんなことを考えていたことに気付いたのか分からないけれどそう言って私の胸に噛み付いた。
突起ではない部分だからか先程よりも強く。
歯型がついてしまったのでないかとヒヤヒヤした。
「反省する気がないようですのでお仕置きが必要なようですね」
彼はそう言って水着の上から敏感な場所をぐりぐりと指でさすった。
「っっ!」
私は咄嗟に彼の首に手を回し抱きついた。
それに気を良くしたのか彼は私の頬にキスをして水着をずらし割れ目をなぞった。
「...濡れてますね」
彼が浅く指を入れればそこはくちゅりといやらしく水音を立てた。
そしてその指をすぐに抜いて私に見せた。
「貴方ってMっ気ありますよね、前から思っていましたけど」
そして見せつけるかのようにその指をぺろりと舐めた。
「貴方も舐めてみますか?」
彼はそう言って私がそれを拒絶する前に指を私の口に押し込んだ。
「そのまま僕のモノを舐める時みたいに僕の指舐めてください」
彼のモノならともかく自分の体液を、なんて。
本当なら絶対嫌ではあるけれど今の彼にそんなことを言ったところで見逃してもらえる筈がないことはわかっている。
なのでどうにか機嫌をとれるよう、精一杯彼の指を舐めた。
出来るだけいやらしく、感じてもらえるように。
すると指を更に奥にいれられたので全体を舐めれば彼は満足したのか私の口内から指を引き抜いた。
「上手ですね。貴方が凄く上手なので僕のここも硬くなっちゃいました」
彼はそう言って私に自身のソコを触らせた。
言葉通り硬く立ち上がっていた。
「今日は貴方が上になってくれますか?」
「っ、ひぁっ...んん〜っ...っ!」
彼は私の唾液でべたべたになった指を再び私の中に入れてかき混ぜた。
1番反応があった場所を集中的に刺激されれば声もどんどん我慢出来なくなっていく。
「今日は本当によく濡れてますね。
早くここに入りたくて血が集まりすぎて痛いくらいです」
イク寸前になった所で彼は指を引き抜いて私を立たせて水着をずり下ろし足から引き抜いた。
そして自身もTシャツを脱ぎ下着ごとズボンを脱いで鞄からゴムを取り出しそれを装着した。
「だからお願いします」
最後に私の上の水着も取り払って私の身体を抱き寄せた。
ベッドに座っている彼は胸に再びキスをして、そしてそのまま後ろに横になった。
「...じゃあ、入れる、ね」
「はい」
彼の嫉妬は私が好きだからこそのものなわけで、正直理不尽ではあると思う気持ちは捨てきれないけれどありがたい話でもあるのだから、と自身を納得させて彼の上に跨り彼のモノを割れ目に押し当てた。
位置を確認してそのままゆっくりと腰を落とし全て入りきったところで彼は息を漏らした。
「...気持ちよすぎですね」
「んっ...!」
彼はそう言いながら胸の突起をきゅっと摘むもんだから私はびくりと反応してしまう。
「今中が締まったのわかりました?」
「〜あ、あんまり意地悪ばっかり言わないでよ!」
私は羞恥心を隠す為に彼の上で腰を動かした。
お返しとばかりに彼の胸も触れば小さな声をあげた。
「今日は凄いですね。
ずっとこうしていたいんですけど我慢出来そうにないです」
私の腰を掴んで彼と下から私を突いた。
私の動くタイミングに合わせて、私のイイ所にあたるように。
「っ、あ...っ!んぅっ...!そ、こっ、だめっっ…!!」
先程イク寸前まで刺激されたソコは既に限界を迎えかけていてじんじんと熱を帯びている。
「っ、イッてもいいですよ。今日は頑張ってくれましたから...!」
彼は先程より強く私を突きあげた。
もう自分では動けなくなった私は彼にされるがまままになってただただ快楽に身を預けてしまっている。
「僕、もっ...もう限界ですから、一緒にイきましょうか...っ!」
外から敏感な突起を押されながらの激しいピストンにもう限界を迎えた私は彼の上で達してしまった。
そしてその収縮に釣られるように彼自身も。
ゴムの中でどくんどくんと彼のモノから欲が吐き出された感覚が伝わってくる。
彼の顔を見ればおいで、と手を広げられたのでそのまま倒れこんで彼の身体に抱きついた。
お互い汗でしっとりと濡れていたけれどそんなことは気にならなかった。
「...だめですよ、もうあんな格好僕以外の前でしては」
「......はぁい」
もう言い返す気力もなくなっていた私は素直に了承した。
私ももうそんな気もなくなってしまったのだ。
「でも僕も名前さんとプールや海に行ってみたいですから、来年は一緒に行きましょうね」
私の額にキスをした彼はもういつもの穏やかな彼に戻っていた。
愛おしそうに私を見つめる目を見て強く思った。
もう彼の機嫌を損ねるようなことはしないようにしよう、と。
end